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#82.ともひと親王殿下と私 其の壱

Posted by KINN Tailor on 18.2012 特別な話   0 comments   0 trackback
 6月6日にご逝去された三笠宮ともひと親王殿下には、大変長いこと仕立屋
としてお引き立て頂き、また福祉の仕事のお手伝いをさせて頂く中で職業を
を離れた個人的なお付き合いもさせて頂きました。
 46年に渡る宮様との思い出を、少しお話ししたいと思います。

 お父上の三笠宮様のお洋服はかなり前からお作りしていましたので、当時
お住まいのあった目黒へは何回かお伺いしていました。元気な男のお子様方
が遊んでいらっしゃったのをよく覚えています。
 ともひと親王殿下が成人におなりになった時、礼服一式(燕尾服、モーニ
ング、ディナージャケット、オーバーコート)のご注文を頂き、初めて正式
にお目に掛かりました。
 その当時はちょうどアイビーリーグのスタイルが流行し始めた頃で、宮様
も"アイビー"が大変お気に召していらっしゃいました。当時の雑誌を見ると、
「アイビープリンス」というタイトルで宮様のお写真が載っています。
 ご注文の時におっしゃったのは…「アイビーの服が大変気に入っているの
で、できるだけその雰囲気を残して礼服を作って下さい。パッドは入れない
でナチュラルショルダーにして下さい」ということでした。
 本来アイビーはややスポーティな感じがありますので、本来は礼服には向
かないのですが、雰囲気を残すということで、普通の礼服に比べてVゾーン
を狭くし
襟の幅を少し広げ、全体のラインを絞り過ぎずに、ストレートな
ライン
にしました。
 お納めした物はお気に召して頂けたようで、その時から今日まで御用を務
めさせて頂く事ができました。

 その後英国へ留学をなさって本場のファッションを勉強されたので、だん
だん殿下ご自身の形ができていったという訳です。
 殿下は留学中に、「ヘンリープール」などの有名店で何着か服を作られた
のですが、帰国されてから私にその服を全部預けて下さって「全部バラして
もいい
から少し直して下さい。やはり英国人向けに作っている服は日本人に
は少し合わない箇所があるようなので、研究してみて下さい」とおっしゃい
ました。
 ありがたくお受けして色々と勉強させていただき、英国人と日本人の体型
の違い
というものと、体型が違う人の服が着る人に与える影響というものが
よく分かりました。
 以前にも英国で仕立てた服のお直しを受けたことはありましたが、縫製や
デザインの問題などをおっしゃる方が殆どで、体型の問題をおっしゃったの
は宮様が初めてでした。

 ともひと親王殿下は大変お洒落な方で、私はご注文を頂く度に洋服屋冥利
に尽きる思いをさせて頂きました。
 次回はその辺りのお話しをしたいと思います。

※パソコンによっては、親王殿下のお名前の表記が文字化けしてしまうため、
平仮名で表記させて頂いています。




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プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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