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416.袖の話 その壱

Posted by KINN Tailor on 24.2020 袖の話   0 comments   0 trackback
 厳しい暑さが続いていますが、皆様お変わりありませんでしょうか・・。
 前回迄は少し夏休み気分で、"懐かしい話"などをして来ましたが、今週から
はまた"技術の話"をしたいと思います。

 私塾の生徒さんを始め、メールなどで質問が多いのが「」についてです。
 私が仕事を習い始めた頃に、ベテランの職人さん達が口を揃えて「袖付け
は難しい
」と言っていた事を思い出します。
 袖は特殊な形をしていますし、狭いアームホールに袖を付ける作業は、慣
れない内は苦労するものです。縫い合わせた時の糸の加減で、着心地や腕の
動き
が全く違ってしまう・・という点でも、"それなりの経験と技術"が必要
という事になります。
 そこで、袖付け綴じる時のポイントを説明したいと思いますが、その前
に…
「採寸も製図も間違えていない筈なのに、どうも袖が上手くいかない」とい
う事はないでしょうか。
 そのような場合、次の点を見直してみるといいかも知れません。

①アームホールのカーブ
アームホール**

 カーブを描く時に、腕を動かし易くしたい…という気持ちがあると、つい
カーブを深く描いてしまう事があります。ところがこれは逆効果で、カーブ
が深くなると袖は動かしにくくなります。
 特に腕は前に動かす率が高いので、後身頃のカーブが深過ぎてしまうと、
腕が前に出にくくなり、背中に横シワも出てしまいますので注意しましょう。

②袖のカーブ
袖**

 山袖と下袖でも、フリーハンドで描くカーブがあります。
 よくあるのが、山袖の前の張り出しが足りない、または下袖のカーブが深
過ぎる
ケースです。
 仕上がった袖を見ると、山が丸く見えるかも知れませんが、それはユキ綿
やパッドが入っているからで、腕の骨は肩より前に出ている分、張り出し
必要になる訳です。袖山の形をもう一度チェックしてみましょう。
   
 出来上がったジャケットの画像が送られてきて、質問される事もあります。
 写真を拝見すると「この服は袖山の高さが足りていない」と思う事がよく
あります。
 もし肩の縫い目が波を打ったようになったり、肩に問題がないのにツキが
出てしまう
場合は、袖山の高さが足りないのかも知れません。張り出しでは
なく、高さそのものが足りないのです。
 お客様が変わっても同じトラブルが出るような場合は、製図の描き方の見
直してみるのも一つの解決策だと思います。

 次回は、「袖付け」についてお話しします。

〈つづく〉
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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