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#409.型抜きの話 その壱
15年程前からご縁があって、とあるスポーツの優勝者へ送るジャケット
を作る仕事をさせて頂いています。
スポーツ選手には良くある事ですが、普通の方よりも身体が大きく筋肉
の付き方も違いますので、既製服という訳にはいきません。
この仕事で一番大変な事は「時間」です。優勝者が決まってから式典迄が
2週間位しかないのです。勿論、仮縫いなどしている時間はありませんので、
いきなり仕上げます。
毎年、そろそろ・・という時期に合わせて、生地とエンブレムを用意して
待ち構えます。勝者が決まると、ご本人が気に入っているジャケットが送ら
れて来ます。
そのジャケットの型を抜き、仕立てる訳です。期限がある事ですので最初
はかなり神経を使いましたが、最近は慣れてきて、そう焦らずに対応できて
います。
型を抜いてみると…成る程そのスポーツの特徴を良く表しているサイズで
ある事がわかります。
普通オーダーメイドですと、型を抜いて服を作る…という事はあまり考え
られません。…ですが、ごく稀にお客様から「この服と同じ形の服を作って
下さい」と依頼される時があります。だいたいは以前にどちらかでお求めに
なられた物が、古くなったとか、サイズが合わなくなった…とかのようです。
「着られなくなったお気に入りの服をまた着たい」という気持ちは良くわか
りますので、余程変わったデザインとかでない限り、お受けするようにして
います。
見本を基に服を作る時大切な事は「各部の寸法が同じ事」、次に「なるべ
く同じ感じに見える事」です。同じ寸法であっても、生地が違うだけで印象
が変わりますので、その点を考慮しなければなりません。
更に私が大切にしているのは、お客様がその見本の服の「どこを一番気に
入っているか」という点で、そこを忘れずに伺うようにしています。
* * * * * *
それでは早速、採寸方法を説明します。
◎まず最初に、ネックポイントから裾に向かって縦の地の目に沿って、その
長さを計ります。
*この地の目を中心にしますので、躾糸などを入れておくとわかりやすい
筈です。
◎肩の角度を知るために、13から2を計ります。
*前身頃は芯が入っていますので、生地がズレにくく、比較的計りやすいか
と思います。

次回は、後身頃、袖、襟を順次説明していきます。
〈つづく〉
を作る仕事をさせて頂いています。
スポーツ選手には良くある事ですが、普通の方よりも身体が大きく筋肉
の付き方も違いますので、既製服という訳にはいきません。
この仕事で一番大変な事は「時間」です。優勝者が決まってから式典迄が
2週間位しかないのです。勿論、仮縫いなどしている時間はありませんので、
いきなり仕上げます。
毎年、そろそろ・・という時期に合わせて、生地とエンブレムを用意して
待ち構えます。勝者が決まると、ご本人が気に入っているジャケットが送ら
れて来ます。
そのジャケットの型を抜き、仕立てる訳です。期限がある事ですので最初
はかなり神経を使いましたが、最近は慣れてきて、そう焦らずに対応できて
います。
型を抜いてみると…成る程そのスポーツの特徴を良く表しているサイズで
ある事がわかります。
普通オーダーメイドですと、型を抜いて服を作る…という事はあまり考え
られません。…ですが、ごく稀にお客様から「この服と同じ形の服を作って
下さい」と依頼される時があります。だいたいは以前にどちらかでお求めに
なられた物が、古くなったとか、サイズが合わなくなった…とかのようです。
「着られなくなったお気に入りの服をまた着たい」という気持ちは良くわか
りますので、余程変わったデザインとかでない限り、お受けするようにして
います。
見本を基に服を作る時大切な事は「各部の寸法が同じ事」、次に「なるべ
く同じ感じに見える事」です。同じ寸法であっても、生地が違うだけで印象
が変わりますので、その点を考慮しなければなりません。
更に私が大切にしているのは、お客様がその見本の服の「どこを一番気に
入っているか」という点で、そこを忘れずに伺うようにしています。
* * * * * *
それでは早速、採寸方法を説明します。
◎まず最初に、ネックポイントから裾に向かって縦の地の目に沿って、その
長さを計ります。
*この地の目を中心にしますので、躾糸などを入れておくとわかりやすい
筈です。
◎肩の角度を知るために、13から2を計ります。
*前身頃は芯が入っていますので、生地がズレにくく、比較的計りやすいか
と思います。

次回は、後身頃、袖、襟を順次説明していきます。
〈つづく〉