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#405.キャメル地の話
前回、キャメルのオーバーコートを紹介しましたので、今回はキャメルの
生地についてお話したいと思います。
キャメル=ラクダは皆さんご存じのように、中近東やアフリカの一部に住
んでいます。背中には油分を貯めておけるコブがあったり、腹部には水を貯
える事ができる袋を持っていたり…と、いかにも砂漠で生活をするのに適し
た身体をしています。
では、毛はどうか・・と言いますと、少々問題があります。
布は縦糸と横糸を織って作ります。この糸ですが、天然の動物性繊維や綿、
絹などを紡いで作ります。仕上げる布の厚さやハリの出し方よって、1本取り
の事もあれば2~3本取りにする事もあります。よく "2PLY" などと表記され
ているの場合は、「2本取り」という事になる訳です。
さて紡いでできた糸ですが、動物の毛には「スケール」(うろことも言う)
というヒゲのような物がたくさん出ています。これらが絡みあって布としての
柔らかさを出します。つまり糸を何本か撚った時に上手く絡んで1本の糸に
なり、それらの糸を縦横にして織った時に絡んで柔らかい布になる・・と
いう具合です。
ところが、ラクダにはこのスケールがとても少ないのです。ですからラクダ
の毛だけで織ってしまうとあまり肌触りの良い物にはならない訳です。
「キャメル地」と言うと、柔らかい印象をお持ちの方が多いと思いますが、
意外とそうでもないのです。
そこで昔から、ヨーロッパ中部のサキソニー地方にいる羊の毛と混ぜて
織って柔らかさを出し、「キャメル」と詠っていたのです。
〈キャメル〉

若い方は「キャメル」というと、「キャメル色」を想像されるかと思いま
すが、私を含め70歳以上の方ですと、何と言っても「キャメルのコート」を
想うのではないでしょうか・・。
そして、もう一つ思い浮かぶのが「キャメルの下着」です。「サザエさん」
などの古い漫画で、波平さんはじめ"お父さん”達が、下着に腹巻をした
姿で登場する事があります。
男性は年配になると「ラクダ色の肌着、長袖、長ズボンを着る」という
のが一つの象徴になっていました。

では「ラクダの肌着」に、ラクダの毛は使われていたのか?…という疑問
が出てきます。
当時私はまだ若かったですし、実際にラクダ色の下着を使った事もない為、
よくわかりませんが、ラクダの毛を考えると(前述した通り)ちょっと難しい
のではないか?…と思います。
ちょっと調べてみたところ、ウールの地色の事を「キャメル」と表現する
…とありましたので、"キャメル色"の下着が、いつの日か"ラクダの下着"
と呼ばれるようになったのでは?…と推測します。
これにつきまして、本当の事をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非
コメントを頂きたいと思いますので、宜しくお願い致します。
さて本題に戻りますが…最近はあまり見かけなくなったキャメル地。柔ら
かさではカシミアに負けるかも知れませんが、耐久性、保温性、そして何年
か着込んだ時の味は、キャメルに軍配が上がるのでは?…と思います。
生地についてお話したいと思います。
キャメル=ラクダは皆さんご存じのように、中近東やアフリカの一部に住
んでいます。背中には油分を貯めておけるコブがあったり、腹部には水を貯
える事ができる袋を持っていたり…と、いかにも砂漠で生活をするのに適し
た身体をしています。
では、毛はどうか・・と言いますと、少々問題があります。
布は縦糸と横糸を織って作ります。この糸ですが、天然の動物性繊維や綿、
絹などを紡いで作ります。仕上げる布の厚さやハリの出し方よって、1本取り
の事もあれば2~3本取りにする事もあります。よく "2PLY" などと表記され
ているの場合は、「2本取り」という事になる訳です。
さて紡いでできた糸ですが、動物の毛には「スケール」(うろことも言う)
というヒゲのような物がたくさん出ています。これらが絡みあって布としての
柔らかさを出します。つまり糸を何本か撚った時に上手く絡んで1本の糸に
なり、それらの糸を縦横にして織った時に絡んで柔らかい布になる・・と
いう具合です。
ところが、ラクダにはこのスケールがとても少ないのです。ですからラクダ
の毛だけで織ってしまうとあまり肌触りの良い物にはならない訳です。
「キャメル地」と言うと、柔らかい印象をお持ちの方が多いと思いますが、
意外とそうでもないのです。
そこで昔から、ヨーロッパ中部のサキソニー地方にいる羊の毛と混ぜて
織って柔らかさを出し、「キャメル」と詠っていたのです。
〈キャメル〉

若い方は「キャメル」というと、「キャメル色」を想像されるかと思いま
すが、私を含め70歳以上の方ですと、何と言っても「キャメルのコート」を
想うのではないでしょうか・・。
そして、もう一つ思い浮かぶのが「キャメルの下着」です。「サザエさん」
などの古い漫画で、波平さんはじめ"お父さん”達が、下着に腹巻をした
姿で登場する事があります。
男性は年配になると「ラクダ色の肌着、長袖、長ズボンを着る」という
のが一つの象徴になっていました。

では「ラクダの肌着」に、ラクダの毛は使われていたのか?…という疑問
が出てきます。
当時私はまだ若かったですし、実際にラクダ色の下着を使った事もない為、
よくわかりませんが、ラクダの毛を考えると(前述した通り)ちょっと難しい
のではないか?…と思います。
ちょっと調べてみたところ、ウールの地色の事を「キャメル」と表現する
…とありましたので、"キャメル色"の下着が、いつの日か"ラクダの下着"
と呼ばれるようになったのでは?…と推測します。
これにつきまして、本当の事をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非
コメントを頂きたいと思いますので、宜しくお願い致します。
さて本題に戻りますが…最近はあまり見かけなくなったキャメル地。柔ら
かさではカシミアに負けるかも知れませんが、耐久性、保温性、そして何年
か着込んだ時の味は、キャメルに軍配が上がるのでは?…と思います。