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#104.ファスナーの話
ファスナーは服やバッグにとどまらず、色々な所で使われていて実に種類
が豊富です。とても便利な物ですが、一体いつ頃からあったのでしょう?
一寸調べてみたところ、どうやら1890年代には既に使われていたようです
ので、思ったより古くから存在していたようです。
私たち洋服関係ですと、まず紳士物ではパンツの前、婦人物ではスカート
やパンツ、ワンピースなどに使いますが、現在は用途別に種類も増えて来ま
した。
昔のファスナーは丈夫な布に金属のツメ(務歯→ムシと云います)が付い
ていて、スライダーという金具を動かして開け閉めする代物でした。務歯は
洗濯を繰り返すと滑りが悪くなってしまいますので、ロウなどを塗ったりし
て苦労した方も沢山おられたと思います。
その内にプラスチックファスナーが登場し、続いてナイロンファスナーが
発売され、現在ではこれが主流になっています。
通常は適当な長さに仕上げてある物を使用しますが、業務用としては何m
にも巻いて売られている物もあります。これを自分で必要な長さにカットし
て、留め金などを付けて使う訳です。また、婦人物によく使用するのがコン
シールファスナーで、これはファスナーの部分が裏側に隠れるようになって
いますので、布を重ねずにファスナー付けることができ、薄く仕上げたい時
には大変便利です。

(左から)金属製、ナイロン、コンシール、業務用の巻いて売られているファスナー
さて紳士物のパンツに付けるファスナーですが、実は少々細工が必要なの
です。
小股(パンツの前の開けるところ)は下の方がカーブしています。そして
紳士物はこのカーブしている箇所までファスナーを付けますので、ファスナ
ーが真直ぐだと上手くないのです。
以前は真直ぐなファスナーしかありませんでしたので、自分で曲がったフ
ァスナーを作らなければなりませんでした。
一寸その作り方をご紹介しましょう。
まず、ファスナーの片側に丈夫な糸を入れて、糸を引いて片側を縮めます。
そして、ファスナーを水の中に漬けて数時間放っておきます。すっかり水が
染み込んだところでアイロンを当てて乾かします。これが結構時間がかかる
のですが、最後に糸を抜いて曲がったファスナーが完成…という訳です。

この作業は手間がかかって大変で、当時ある教室に教えに行っていました
が、そこの生徒も「なかなか上手く曲がらない…」とボヤく人が少なくあり
ませんでした。
ところが、その内にメーカーからあらかじめ曲がったファスナーが発売さ
れ、問題は解決されたのです。
ファスナーを作る時は今でも、最初から部分的に曲がった物を作る訳には
いかないらしく、最初に何mもの長い物を作ってから相応の長さにカットし
ていく…という工程を経るため「高級品」として扱われています。
値段も当然高いのですが、あの1本1本曲げる苦労を考えると有難いな…
と思わずにはいられません。

が豊富です。とても便利な物ですが、一体いつ頃からあったのでしょう?
一寸調べてみたところ、どうやら1890年代には既に使われていたようです
ので、思ったより古くから存在していたようです。
私たち洋服関係ですと、まず紳士物ではパンツの前、婦人物ではスカート
やパンツ、ワンピースなどに使いますが、現在は用途別に種類も増えて来ま
した。
昔のファスナーは丈夫な布に金属のツメ(務歯→ムシと云います)が付い
ていて、スライダーという金具を動かして開け閉めする代物でした。務歯は
洗濯を繰り返すと滑りが悪くなってしまいますので、ロウなどを塗ったりし
て苦労した方も沢山おられたと思います。
その内にプラスチックファスナーが登場し、続いてナイロンファスナーが
発売され、現在ではこれが主流になっています。
通常は適当な長さに仕上げてある物を使用しますが、業務用としては何m
にも巻いて売られている物もあります。これを自分で必要な長さにカットし
て、留め金などを付けて使う訳です。また、婦人物によく使用するのがコン
シールファスナーで、これはファスナーの部分が裏側に隠れるようになって
いますので、布を重ねずにファスナー付けることができ、薄く仕上げたい時
には大変便利です。

(左から)金属製、ナイロン、コンシール、業務用の巻いて売られているファスナー
さて紳士物のパンツに付けるファスナーですが、実は少々細工が必要なの
です。
小股(パンツの前の開けるところ)は下の方がカーブしています。そして
紳士物はこのカーブしている箇所までファスナーを付けますので、ファスナ
ーが真直ぐだと上手くないのです。
以前は真直ぐなファスナーしかありませんでしたので、自分で曲がったフ
ァスナーを作らなければなりませんでした。
一寸その作り方をご紹介しましょう。
まず、ファスナーの片側に丈夫な糸を入れて、糸を引いて片側を縮めます。
そして、ファスナーを水の中に漬けて数時間放っておきます。すっかり水が
染み込んだところでアイロンを当てて乾かします。これが結構時間がかかる
のですが、最後に糸を抜いて曲がったファスナーが完成…という訳です。

この作業は手間がかかって大変で、当時ある教室に教えに行っていました
が、そこの生徒も「なかなか上手く曲がらない…」とボヤく人が少なくあり
ませんでした。
ところが、その内にメーカーからあらかじめ曲がったファスナーが発売さ
れ、問題は解決されたのです。
ファスナーを作る時は今でも、最初から部分的に曲がった物を作る訳には
いかないらしく、最初に何mもの長い物を作ってから相応の長さにカットし
ていく…という工程を経るため「高級品」として扱われています。
値段も当然高いのですが、あの1本1本曲げる苦労を考えると有難いな…
と思わずにはいられません。
