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#95.御殿場の家 その壱

Posted by KINN Tailor on 24.2012 懐かしい話   4 comments   0 trackback
 今年は残暑が長く、早く秋が来てくれないものかと待ち望んでいましたが、
やっとどうにか、それらしい気候になりつつあるようです。
 私の子供の頃は今ほど暑くはありませんでしたが、クーラーがありません
でしたので、それなりの厳しい暑さだったのを覚えています。

 昭和の初め頃(7~8年)から、父が夏に静養に行くということで、静岡県
御殿場の農家の離れを借りるようになりました。子供達も夏休みを御殿場
で過ごすようになり、私共の店の職人さん達も夏の間に2〜3日位遊びに来て、
富士登山を楽しんだりしていました。
 何年か、色々なお家を借りて過ごしましたが、昭和12年頃お客様の一人に
御殿場に大きな別荘(1万坪!)を持っておられた方に薦められて、500坪程
の土地を買って家を建てました。
 実はこの土地は、その年、そのお客様が土地の人に頼まれて買い足しをなさ
った土地だったのですが、何と…その方のお家からすると「鬼門」に当たって
いたのだそうです。
 そこで、できるだけ早く手放したいという事で私共にお話しがあったという
訳です。その方のお家からは鬼門でも私共には問題はありませんので、とても
良いタイミングに御殿場に家を持てたのではないかと思います。
 当時、JRの御殿場線(もともとは東海道本線)は蒸気機関車でした。夏場な
ので窓を開けているのですが、「山北」という駅から「駿河小山」駅までの間
トンネルが7つもあり、トンネルに入る前の汽笛が鳴ると皆で急いで窓を閉め
て(石炭の煤煙が入ってこないように)、トンネルを過ぎるとまた開ける…と
いう繰り返しが結構大変だったのをよく覚えています。
 家は海抜500メートル位の所にありましたので、夏場は涼しく感じましたが、
雷が多いのには困りました。雷は年中鳴っている感じで、早い時は朝の10時頃
から鳴り始めますので、買い物なんかに行く時は早く行かないとうまくない訳
です。また、もとても多かったのを覚えています。
 ご存知の方も多いと思いますが、御殿場は三方を山に囲まれていて相模湾と
駿河湾からの気流の峠にあたるため、雨や霧や雷が多いのだと思います。
 すぐに雨になるので「御厨の私雨(みくりやのわたくしあめ)」という言葉
さえあります。御厨は御殿場の旧地名。御殿場だけすぐに雨になる…という事
でしょうか。

 子供時代に過ごした懐かしい土地ですので、次回からここで経験した事を少
しお話ししてみたいと思います。

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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