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#79.懐かしい職人の仕事 その弐 炭屋さん

Posted by KINN Tailor on 28.2012 懐かしい話   2 comments   0 trackback
 一般家庭でを使うのは、バーベキューなど時別な時だけかと思いますが、
私が子供の頃は今より沢山炭を使う機会がありました。
 台所にはガスが来ていましたし、暖房器具としてガスストーブもあったの
ですが、あまり畳の部屋でガスストーブを使うことはしませんでした。当時
ガス中毒がかなり怖かった事もあったと思いますが、暖房燃料としては
まだが多かったのです。

 私の家にも畳敷きの部屋があって、大きな掘りコタツが置いてありました。
私は6人兄弟でしたが、皆が一緒にコタツで食事ができたくらいの物です。
 そのコタツでも例によって炭を使っていました。食事が済むと、私達は2
階の板敷きの部屋に机を並べて勉強したのですが、夜はかなり寒かったので
足元に炭を使った暖房器具?のような物を置いていました。
 それは中国製の真鍮の小さな火鉢のような物で、その中へ少し炭火を入れ
てから上手に灰をかぶせて、蓋(細かい穴がいくつも開いている)をする物
です。これを各自足元に置いて足を乗せ、腰から足にかけて毛布でくるんで
いました。つまり足温器なのですが、私達は「足ノッケ」と呼んでいました。
 結構暖かくて勉強するのには丁度良かったです。
  炭屋さんの話し*
 こんな訳で、当時の家庭では結構沢山を使っていました。
 私の家の丁度向かいに炭屋さんがあり、そこのおじさんが毎日俵から沢山
の炭を出して適当な長さに炭を切ってから、お客さんの所に届けていました。
ただ炭ですから、ノコギリで切ると当然黒い粉が沢山出る訳です。それを朝
から晩まで行っているので、顔が真っ黒になっていたのを覚えています。
 そのおじさんに教えてもらって、炭にも色々な種類があることなどを知り
ましたけれど、仕事にするには大変だなぁ…と思いました。

 この炭屋さんの長男とは友達でしたが、間もなく戦争がはじまり、二人で
ガスマスクを作ってみようか、と相談をしたことがあります。空襲で毒ガス
が使われるかも知れない…と云う噂が流れたからなのですが、炭には毒素を
吸収する力
があり、ガスマスクに使われている(実際には炭では
なく活性炭ですが)ということを、この友達がどこからか聞いてきての相談
だったのです。
 実際には作りませんでしたが、子供ながらに真剣に相談していたことが懐
かしく思い出されます。

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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