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#62. ネクタイの話

Posted by KINN Tailor on 30.2012 アクセサリーの話   4 comments   0 trackback
 先日、あるお客様から「ネクタイの仕立て」のご注文を頂きました。
 ディナージャケットのご注文を頂いた際に「蝶ネクタイ」をお作りする事
はよくありますが、普通のネクタイのご注文は久し振りでした。
 ウールで芯なし、一枚仕立て(どこにも繋ぎ目がない)…というご注文で
した。

 ネクタイはシルクで作ることが多いのですが、ネクタイ用のシルク生地は
生地幅が狭いため途中で繋ぎます。繋ぎ目をなくすのには、生地幅が充分に
ないとできません。
 幸いご希望に近い生地が手に入り生地幅もありましたので、一枚仕立てが
可能になりました。
 生地には表と裏がありますが、原則として生地を縦に見た時に、生地の目
がカタカナの「ノの字」…つまり右上から左下に向かっている方が表です。
ネクタイはその目に対して直角…つまり左上から右下に向かって裁断します。

ネクタイ
 ネクタイは両端が尖っており、太い方を大剣細い方を小剣と呼びます。
 真ん中に近い部分は首に巻き付ける所ですから、(結び方にもよるのです
が)大体40~45cm位は同じ幅にします。そこから先は締めた時のお好み
の長さになるようにして裁断します。
 次に両側から折り返して真ん中で重ね、重なった上側の端を少し折って
手で縫っていきます。
 ネクタイはバイヤスに裁断されていて、締める時は結んで引っ張る訳です
から、かなり伸びることを想定し「本返し」という手法で縫い合わせます。
 本返しというのは、針を刺した箇所から糸を逆に戻してまた刺す、という
作業の繰り返しですから、糸がらせん状に入ります。つまり生地の長さより
糸の方が沢山入っている
ので、縫目が伸びても糸が切れることがなくて済む
という訳です。

 今回ご注文の品はわりと上手くでき上がって、お客様も満足して下さった
ので安心しました。たまには一枚裁ちのネクタイ作りも楽しいものです。

 さて、ディナージャケットなどに使う「蝶ネクタイ」の場合は、少々作り
方が異なります。これについては次回詳しくお話しましょう。
 

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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