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#35. プルダウン:その弐

Posted by KINN Tailor on 25.2011 襟の話   2 comments   0 trackback
 何でもそうですが、出来上がってしまたものは案外簡単に出来たような気
がします・・・が、実際はそうでもなく、例えば「プルダウン」の場合も、
完成するまでに、約3年を費やすことになりました。また、その間色々と失敗
もありました。
 襟・肩・袖まわりを一体に考えて、一緒にくせを取る方法を研究していく
内に「思い切ってアゴの部分を伸ばしてみようか」という、それまでの禁止
事項を試してみよう…と思った話を前回致しました。
 思い切ったのは良かったのですが、とにかく最初は上手くいかず、難しく
て四苦八苦しました。
 まず、以前から行われていた「肩くせ」の方法に、アゴを下から上へ伸ばし、
更に肩も伸ばして肩先にまわしていき前肩を作る、というものがありました。
 このアゴを下から上へ伸ばす方法は、ネックポイントが上に上がってしまう
と同時に肩先の方へも動いてしまうので、伸ばした分襟ぐりが大きくなってし
まい、襟が浮きやすくなってしまうことから嫌われていました。
 そこで私は、アゴを上から下へ伸ばしてみることにしました。
プルダウン その弐画像*
 そして伸ばして長くなったものに合わせて長い襟を作り、付けてみたのです
が・・・襟は物の見事?に襟が浮き上がり、首から離れてしまったのです。
 失敗でした・・・。

 結果的に襟が浮いてしまったので、アゴを伸ばす方向は関係ないのかな?…
と思いましたが、実際に仕上がった肩を見てみると、上から下へ伸ばした方は
ネックポイントが動いておらず
、更に縦方向の動きが大きくなるので、肩先の
ゆとりが沢山できる
ことがわかりました。
 つまり、伸ばす方向はこれで良さそうだ…という確信を持ちつつも、アゴを
伸ばすと結局襟が浮いてしまうのか?…という疑問も生じてきた訳です。
 しかし、ここで諦めるわけにはいきませんので、アゴを伸ばす方法で、前肩
と浮かない襟を一緒に作れる方法はないものか?…と研究を続けました。
 すると、あることに気づきました。
 アゴを伸ばすということは曲線の部分が直線に近くなる訳ですから、これが
襟が浮く原因なのではないか?…ということです。

                 (続く)

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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