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#27.イン・レイ(In Lay)
洋服を作る時、お客様の寸法に合わせてパターンを作成し、それを生地に
並べ、チョークを引いてから裁断をします。
この…"パターンを生地に並べる"作業を「イン・レイ」、日本では「差し
込み」と云います。
今回はこの「イン・レイ」についてお話ししましょう。
一般のウールは幅が約150cmで、これを二つ折りにしてダブルと呼んで
います。これに対して半幅のものもあり、(手織りのツィードなどに多い)
これをシングルと呼びます。
昔はモーニングの縞ズボンの生地などはシングルだったのですが、今では
ダブルになっています。
シングル幅というのは、人間が手で折る時の手が届く幅から出来たものだ
そうで、昔の人の体格の関係で、今より少し狭かったようです。
もともと手織りだったツィードなどを機械で織るようになり、ダブル幅に
できるのに、わざわざシングル幅で織っているものもあります。
面白いですね。
さて、一着に使用する長さですが、昔は2.8~2.9mでしたが、現在は体格
の関係から3.2mが標準となっているようです。
イン・レイの時、パターンを置いていく順序は大体決まっているものです
が、パンツの裾幅やベストの長さによって、うまく置っきれない場合などは、
まさに"差し込んでいく"技術が必要になります。
そこで私がイン・レイをする時に気を付けているポイントをお話します。
まずは生地にキズや織りむらがないかを充分にチェックします。同時に、
生地に「ねじれ」がないかも見ます。
問題がなければイン・レイの作業に移っていく訳ですが、大切なことは、
生地の「地の目」を良く見て型紙を置くということです。
「地の目」が狂ってしまうと仕上がった服が歪んでしまいます。
どこに地の目を通すかについては、かなり専門的になりますので、また
の機会にお話しましょう。
生地に"向き"がある場合(カシミヤやコーデュロイ)は、向きを揃えます。
そうしないと仕上がった時に、色が違って見えてしまいます。
「柄」がある場合は、上下を注意しなければなりませんし、格子柄の場合
は、柄合わせをする必要がありますので、通常よりも10%位生地を多く使い
ます。
私共は、後から直しが出来るように仕立てるため、一般よりもかなり縫い
こみを多くとりますので、生地は普通よりも多めに使用することになります。
イン・レイで大切なことは、差し込み方によって使用する生地の量が変わっ
てくるのですが、それを最優先にするのではなく、生地を無駄にせず、ゆとり
を持って上手に使うことではないでしょうか。



並べ、チョークを引いてから裁断をします。
この…"パターンを生地に並べる"作業を「イン・レイ」、日本では「差し
込み」と云います。
今回はこの「イン・レイ」についてお話ししましょう。
一般のウールは幅が約150cmで、これを二つ折りにしてダブルと呼んで
います。これに対して半幅のものもあり、(手織りのツィードなどに多い)
これをシングルと呼びます。
昔はモーニングの縞ズボンの生地などはシングルだったのですが、今では
ダブルになっています。
シングル幅というのは、人間が手で折る時の手が届く幅から出来たものだ
そうで、昔の人の体格の関係で、今より少し狭かったようです。
もともと手織りだったツィードなどを機械で織るようになり、ダブル幅に
できるのに、わざわざシングル幅で織っているものもあります。
面白いですね。
さて、一着に使用する長さですが、昔は2.8~2.9mでしたが、現在は体格
の関係から3.2mが標準となっているようです。
イン・レイの時、パターンを置いていく順序は大体決まっているものです
が、パンツの裾幅やベストの長さによって、うまく置っきれない場合などは、
まさに"差し込んでいく"技術が必要になります。
そこで私がイン・レイをする時に気を付けているポイントをお話します。
まずは生地にキズや織りむらがないかを充分にチェックします。同時に、
生地に「ねじれ」がないかも見ます。
問題がなければイン・レイの作業に移っていく訳ですが、大切なことは、
生地の「地の目」を良く見て型紙を置くということです。
「地の目」が狂ってしまうと仕上がった服が歪んでしまいます。
どこに地の目を通すかについては、かなり専門的になりますので、また
の機会にお話しましょう。
生地に"向き"がある場合(カシミヤやコーデュロイ)は、向きを揃えます。
そうしないと仕上がった時に、色が違って見えてしまいます。
「柄」がある場合は、上下を注意しなければなりませんし、格子柄の場合
は、柄合わせをする必要がありますので、通常よりも10%位生地を多く使い
ます。
私共は、後から直しが出来るように仕立てるため、一般よりもかなり縫い
こみを多くとりますので、生地は普通よりも多めに使用することになります。
イン・レイで大切なことは、差し込み方によって使用する生地の量が変わっ
てくるのですが、それを最優先にするのではなく、生地を無駄にせず、ゆとり
を持って上手に使うことではないでしょうか。


