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#357. O脚のパンツの補正

Posted by KINN Tailor on 14.2018 補正の話   0 comments   0 trackback
 先日、ある生徒さんから「O脚のパンツ補正」について質問を受けました。
日本人でO脚の方は比較的多く、今では矯正グッズやストレッチの仕方など
メディアでも色々と紹介されています。
 女性の場合は矯正する方もいらっしゃるようですが、男性は普段足が隠れ
ていますので、矯正までする事は少ないようです。それでも会話してみますと
結構「O脚である事」を気にされていて、「足が真っ直ぐに見えるパンツにし
て下さい」
…などという注文を受ける事も、ままあります。
 そこで今回は、既成のパンツでの補正の仕方について説明してみたいと思
います。

 まずO脚の方のラインは、具体的には下図のような状態になります。
O脚1**

(1)前の折り目線が外側を向き両足の間は開いて、裾が外を向いています。
---この場合は、足全体が緩やかにO脚になっていると考えられます。
(2)は(1)の状態に加えて、股下に小さなシワがたくさんできます。
---この場合は、O脚がややキツイ状態と言えます。

 これらの共通点は、前中心(a)が下がり気味になっている事です。です
から aを持って引き上げると・・・前の折り目線やシワが綺麗にな
ります。つまり、前中心を上げて脇を下げれば良い…という訳です。
O脚補正2**

 パンツの前中心の位置を下げて脇の位置を上げると、パンツの裾が内側に
寄って来るので、裾が逃げていたのが補正され
、真っ直ぐに下がるようにな
ります。
 また前中心を下げているので、尻縫い目線を深くしないと履きづらくなり
ます。よって、ここも補正が必要です。但し既成のパンツは脇に縫い込みが
入っている可能性は低いので、その場合は前中心と尻の縫い目線で補正する
ようにします。

 次回は…仕立てる際、「裁断の段階でO脚用に変えていく方法」について
説明したいと思います。

〈つづく〉

#352.車椅子の方用のパンツ

Posted by KINN Tailor on 26.2018 補正の話   0 comments   0 trackback
 平昌オリンピックは代表選手の大活躍で、メダルと共に沢山の感動を日本
にもたらせてくれました。
 来月からパラリンピックが始まりますが、強風や人工雪に影響されずに、
素晴らしい試合が繰り広げられる事を祈るばかりです。
 
 さて、昨年「車椅子生活をされている方のズボン」について質問があり、
座っている事の多い人のズボンが、どうしても上手くできない…」という事
でした。
 私は以前、障害のある方を支援する会に所属していた事があり、その時に
車椅子の人の服を研究していました。
 一般的にはズボンの前身を短く、後身を長くする裁断をしているようです
が、それではどうも履き難いという事がわかり、もう"一捻り"した製図をする
ようにしました。
 今回は、普通のパンツを車椅子の方用に補正する方法を説明します。

 【採寸個所】
車椅子パンツ1
・座っている状態で、お尻の一番膨らんでいるところを含めて1周計ります。
 (A:元のヒップ寸法よりも大きくなる)
・座っている状態で、前の中心線の辺りをパンツの上から膝まで計ります。
 (①~③)
・お尻の一番膨らんでいるところを通って膝の裏まで計ります。(④~⑥)


 【補正の仕方 前身頃】
車椅子パンツ2
(1)元の図に、①~③の数字を充ててみます。
(2)短くなった所のポイントを通すように、腰から小股まで線を引きます。
  短くなった長さ=B
  小股の下から7cmの所からBを計り、脇に向かって線を引きます。
(3)引いた線をたたみます。 前身頃の完成です。


 【補正の仕方 後身頃】
車椅子パンツ3

(1)前身頃と同じように④~⑥の数字を充ててみます。
(2)今度は長くなっています。前身頃と同じように線を引きます。
  長くなった長さ=C
(3)股から7cmの所にハサミを入れ、C分開きます。
(4)元のヒップ寸法と最初に計ったAの差分を広げ、調整します。
  後身頃が完成しました。

 この補正方法の最大の特徴は、ヒップラインから上が傾いている…という
事です。こうする事で、座っている時のお腹、腰回りの負担を軽くする事が
できるという訳です。


#251.お直しの話 ~ラグラン~

Posted by KINN Tailor on 19.2015 補正の話   1 comments   0 trackback
 私の塾に「お直し」の仕事に携わっている生徒さんが居るのですが、先日
非常に難しい直しの依頼を受けたという話を聞きました。それは「ラグラン
コートのサイズ直し」
でした。
 ラグランは袖と身頃が繋がっているため、直しの難易度は非常に高くなり
ますが、珍しい直しですので今回紹介したいと思います。

       ☆     ☆     ☆     ☆

ラグラン1直し**
 依頼内容は…
①肩幅を狭くする
②袖を細くする
③身頃を細くする

 …というものです。

★問題点としては…
a.袖を細くする際にマチで調整すると、身頃に付ける所の長さが短くなって
 しまう
b.身頃を細くする際に前身頃の脇で詰めると、袖付けのラインが変わる
c.後身頃は身頃と袖が1枚で裁ってあるので、背縫目線で細くすると袖の長さ
 が短くなってしまうが、脇で詰めると今度は袖のクリが変わってしまう。

(かなり難題である事がわかります)
※今回は生徒さんから相談を受けただけで実物を見ていませんので、細かい
 部分は推察に過ぎませんが、私がするであろう直しを以下に説明します。

ラグラン直し2**

 自分の体形の変化だけでなく、昔買ったけれども最近はあまり着ていない
服などを直して着るのは大変良い事ではありますが、直す内容によって高度
な技術が必要になります。
 お直しの仕事をしている方達の話を聞くと、お客様対応をする人が、直ら
ない物でも受けてしまう
場合が多く、深刻な問題のようです。
 実際「直せると思ったら縫い込みが少な過ぎて直せなかった」という事は
少なくありませんし、失礼な言い方かも知れませんが受付の方が直しの知識
があまりない場合、直す人間が大変苦労する羽目に陥る訳です。
 私は、直す服に多めに生地が付いていれば大体の直しをする事はできる
考えていますが、既に仕上がってしまっている服を解いて組み立て直す…と
いうのは一から作るよりも大変な事なのです。それでも、箪笥の肥しになり
かけていた服が蘇って、また愛用して貰えるようになるとすれば、少々大掛
かりでも直したい!と思うのです。
 そして難しい直しをする事は、職人にとっても貴重な経験になりますし、
腕を磨く良い材料にもなる訳です。

      *   *   *   *   *   *

 数回に渡り"お直し"についてお話してきましたが、また珍しいお直しなど
がありましたら、是非ご紹介頂きたいと思います。
 お直し以外でも、技術的な疑問や質問などへは可能な限りお答えしようと
思っていますので、お気軽にご連絡下さい。

#250.お直しの話 ~パンツを細くする②~

Posted by KINN Tailor on 12.2015 補正の話   0 comments   0 trackback
 今回は、少々大掛かりなパンツを細くするお直しのやり方を解説します。

 前回は胴周りを細くする際に尻縫目を使いましたが、詰める量が多くなる
後身の方が小さくなって動きににくくなります。これは後ろが小さくなる
事もありますが、(前回説明したように)ワタリが大きくなり過ぎないよう
に股下部分も小さくする必要があるため、尻縫目の長さが短くなり動くため
の余裕がなくなる
…という事も原因なのです。
 また後ろにはポケットがありますから、あまり詰めるとポケットが寄って
しまい見た目が宜しくないですし、使い勝手も悪くなってしまいます。
 そこで腰回りのサイズを大きく詰める場合は尻縫目だけでなく、脇縫目か
小股
でも調整する必要が出てきます。
 ではどちらで直すのが良いかと言うと、脇縫目はポケットがありますから、
これを作り直すのはかなり大掛かりな事になります。そこで私は小股を直す
事の方が多いのです。
 小股のところはファスナーがありますので、ファスナー、前タテ、天狗を
付け直さなければなりませんが、ポケットを作り直すよりは遥かに楽だと思
われます。そして、前身の内側が狭くなる方がパンツの下がりも綺麗になり
ますので、直しとしては都合が良い訳です。股下からは前回と同様に、外側
と内側の縫目を利用
してサイズを詰めます。

 それでは、その方法を説明しましょう。

イラスト1修正**

 前回も触れましたが、パンツを細くした時問題になる箇所が "ふくらはぎ"
です。ふくらはぎが張っている方の場合はどうしても影響が出易くなります
が、どうしても細くしたい場合は、アイロンワークである程度解決する事が
できます。
 イラストのように、外側の縫目を細くする際にふくらはぎの部分を残して
生地をカット
し、アイロンで追い込みます。そうすると、ふくらはぎの所に
"ゆとり"ができ、生地が引っ張られずに綺麗に落ちる訳です。
イラスト2**


 先日塾の生徒さんが、ちょうどパンツを細くするお直しをしたそうです。
ワタリが大きくならないように股下も調整したそうなのですが、お客様から
「お尻がつっかえる」と言われたそうです。
 それは、カーブを直す時に深さが足りなかったためにパンツが浅くなって
しまったのが原因と思われます。尻縫目のカーブを描く時は注意が必要です。
少し繰り下げる事を忘れないようにして下さい。
イラスト3**のコピー

#249.お直しの話 ~パンツを細くする①~

Posted by KINN Tailor on 05.2015 補正の話   0 comments   0 trackback
 お直しをする場合、サイズを大きくするのと小さくするのとで、どちらが
難しいかと言うと…小さくする方です。
 1cm程度の直しであれば問題ありませんが、それ以上になると色々と問題
が起きてきます。ジャケットの場合は脇を多く詰めるとアームホールの形が
変わってしまいますし、パンツの場合は直したくてもポケットやファスナー
などの関係で簡単に直せない事が多いのです。
 ただここ数年は細身のパンツが流行っていましたので、細くしたいという
要望が沢山ありましたし、既製服で丁度合うサイズがない場合は大きめの物
を買って細く直す…という事が多いようですから、今回はパンツをバランス
良く綺麗に補正する方法
をご紹介したいと思います。

 まず最初は比較的簡単に直せる方法です。
 ご存じの通りパンツは前身に比べ後身の方が大きくできています。これは
人間の足が前に動く事が多く、その動きを容易くするためです。ですから直
す時も、前身よりも後身が大きくなるように直さないといけない訳です。

 まず腰と尻は後ろの縫い目を利用します。この時に後ろの縫目線を変える
カーブが変わります(開いた状態になる)ので、それに合わせて股下のラ
インも変える
必要があります。これは後ろの縫い目線を詰めたために広くなったワ
タリを調整する
ためにします。

 次に股から下を細くするには、外側と内側の縫い目を利用します。膝、裾
に詰めたい寸法の1/4をマークし、外側の縫い目はポケットの下から、内側
の縫い目は股下からスタートしてマークと綺麗に繋がるようなラインを描き
ます。一連の流れをイラストで説明しましょう。

パンツ修正1**

パンツ修正2**

 このお直しで注意したい点は、後ろ縫い目線を変えたら股下も調整する
という事です。これを忘れるとワタリが大きすぎて、前後のバランスの悪い
パンツになってしまいます。
 また細いパンツで問題になるのは、"ふくらはぎ"です。ふくらはぎは局部
的に膨らんでいてその寸法が掴みにくく、細いパンツだとふくらはぎが生地
を外側に引っ張るため
に足がまっすぐに見えなくなります。
 膝から下の細さを決める前に、ふくらはぎの太さをよく確認する事をお勧
めします。

 次回は、少し大がかりなお直しの話をしたいと思います。

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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