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#395.トラブルが出た時の対処の仕方 パンツ 最終話

Posted by KINN Tailor on 11.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 前回に続き、設問の解答をします。

Q4)サイズが小さい訳ではないのに、お尻の上に横シワが出る。

⇨A:ウエストラインのすぐ下に、横ジワが出るというのは、その部分が
 大き過ぎる
という事を意味しています。

*これは比較的わかりやすい問題だったと思いますが、何故取り上げたか…
 実は最近、若い方の採寸をしていて、少々体形が変わってきたと思う事が
 多々ありました。
 時代が変われば生活様式も変わりますので、体形の変化も起きます。昔は
 「以前に比べて背が高くなった」ですとか、「近頃の若い人は脚が長くな
 った」…等々、生活の欧米化による変化が顕著でした。
 そういう体形の方は今も沢山いらっしゃいますが、更にかなりの割合で、
 私が思う「新しい体形」の方々が増えているように思えるのです。
*新しい体形の方は比較的細めの方に多く見られます。最近の生活では運動
 量が少ないのか?、または運動の仕方が違うのか?…全体的に筋肉の付き
 方が少ない
ように感じます。
〜ここで言う「運動」とは、特別なスポーツという事ではなく、普段の歩き
 方、姿勢などによる日常生活で自然に付く筋肉の事です〜
(最近は椅子に座るよりも、ソファーにリラックスして座る機会が多かった
 り、スマートフォンを長時間見ていたりする事が要因なのかも知れません)
*その特徴とは・・・
 お尻の上に筋肉がなくお腹が前の方に出ている・・お腹に肉が付いている
 のではなく、(極端な言い方をすると)骨自体が前に出ているような感じ
 の体形をしています。そして首の周りにも筋肉が付いていないのか?…
 ミツの所にも横シワが出る
事が多くあります。

【直し方】
・採寸をする時に、首回りの肉の付き方をよく観察し、襟ミツの所のライン
 が綺麗に出ない時は「ドミット」などを入れて調整するようにします。
・パンツについては、W(腰)、H(尻)に対して、S(お尻の膨らんでいる
 位置)をHから1/6上がった所にポイントを置いていましたが、体形に応じ
 て下方向へずらす…という修正を加えています。

トラブルパンツ4 **


 今回のように、計りたくても計れない微妙な位置の変化などの対処は非常
に難しいのですが、とにかくよく観る、そして掌で触り確認する事が大切だ
と思います。

#394.トラブルが出た時の対処の仕方 パンツ編 その参

Posted by KINN Tailor on 28.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 前回に引き続き、問題の解説をします。

Q2)腰掛けたり、しゃがんだりすると腰帯の後が下に下がってしまう。

Q3)パンツのサイズが小さい訳ではないのに、歩きにくい。
  (足が前に出にくい・階段を上がる時に脚が上がりにくい)

⇨A:Q2とQ3は同じ対処法になります。
 椅子に座る時や歩いたり、階段を上がる時には必ず「膝を曲げる」という
動作をします。そうしますと、(下図に示したように)お尻から膝裏までの
長さが長くなります。
パンツ参**

 座ると腰帯が下がってしまうのも、脚が前に出ず歩きにくいのも、後身頃
の長さが足りていない
…という事が原因と考えられます。
 …かと言って、曲げた時の長さに合わせて作ってしまうと、普通の姿勢…
つまり立っている時に「余り」が出てしまう為、見た目が悪くなってしまい
ます。

【直し方】
・解決法は、曲げた時に必要な長さを、長さだけでなく「膨らみ」として
仕上げる事です。
< 

*私は、パンツを製図する際に、前身頃に比べ後身頃を4cm程長くします。
 その内3cmは腰の深さ分、残りはクセ取りによって膨らみとなる分です。
*パンツの太さに関係なく(極端に細い場合は別)、クセ取りをしないと、脚
 の動きにパンツがついてこないので、とても歩きにくくなってしまいます。
〜何度も書いていますのでお判りかと思いますが、「クセ取り」はパンツの
 落ちを綺麗にするだけでなく、動き易くする為の不可欠な作業です〜
くせ取り**
*問題として残るのが、腰帯の高さ…つまり「深さ」です。
 最近は少し良くなってきたようですが、一時期はとても腰の浅いパンツが
 流行りました。今でもそういったデザインを好まれる方も多いので、これ
 ばかりはどうにもなりません。
*腰を浅く作れば、座ったりしゃがんだ時に腰帯が下がり、シャツが出てし
 まったり、肌が見えてしまう事になります。
 この問題は・・・年齢と共に解決する?かも知れませんね。

〈つづく〉

#393.トラブルが出た時の対処の仕方 パンツ編 その弐

Posted by KINN Tailor on 14.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 それでは、前回出題した問題の解説をします。

Q1)パンツを履いて立った時に、裾が外側を向いてしまう。

⇨A:パンツでトラブルが出る場合は、大体は「脚のクセ」によるものです。
 ですから、脚が真っすぐなのに裾が外側を向いてしまう…という事は、脚
 ではなく他に原因がある…と考えられます。
  今回のトラブルは「パンツの下がり方」ですので、パンツ全体に影響する
 所に原因があると考えられます。
  パンツ全体に影響する箇所・・それは「腰」です。今回のように、中心線
 と裾が外を向くという事は、外側(脇)が上に引っ張られている・・つまり
 外側が短い
…という事になります。このような症状が出るのは、腰に肉が
 付いているか
腰骨が張っている為に起こる事が多いです。
【直し方】
・下図のように、腰帯を両脇で少し高くなるように付ければ良い事になります。

*製図をする際に、通常は前身頃の腰は脇まで真っすぐに描きますから、脇
 を上げるとなるとやや抵抗があるかも知れませんが、上げるとしても1cm程度
 ですし、その方が身体には合っている訳です。製図の基礎で習う事ではあり
 ませんが、驚くような補正という訳でもありません。
トラパン2_対処**

 今回は"おまけ"の解説をします。

Ex_Q)下のイラストは、良くあるトラブルですが、何が原因でしょうか?
 (すぐにお判りになるかとは思いますが・・・)

   トラパン2_O脚Q**
⇨A:この症状は、O脚の人に出るトラブルです。
 一番良いのはO脚用の製図をする事ですが、そういかない場合は・・・
【直し方】
 下図に示したように、前身頃の内側を上に上げる事で、パンツ全体が内側
 を向いて来ますので解消されます。お試し下さい。

    トラパン2_O脚A**

 続きは次回に・・・・

〈つづく〉

#392.トラブルが出た時の対処の仕方 パンツ編 その壱

Posted by KINN Tailor on 30.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 今年の7月に当ブログで「トラブルが出た時の対処法」として、ジャケット
について出題をしました。私塾の生徒さん向けに作った問題集の一部でした
が、読者の皆様にも好評でしたので、続編として今回はパンツ下線文について考えて
頂こうと思います。 
 パンツは履く方の脚の格好がX脚O脚といった問題があったり、脚や
ふくらはぎの太さなど、トラブルが出る要素が沢山ありますが、今回はごく
一般的な、真っすぐな脚の人で起きたトラブル…という設定で、それぞれの
原因と対処法を考えてみて下さい。

【パンツ編】
Q1)パンツを履いて立った時に、裾が外側を向いてしまう。
Q2)腰掛けたり、しゃがんだりすると腰帯の後が下に下がってしまう。
Q3)パンツのサイズが小さい訳ではないのに、歩きにくい。
  (足が前に出にくい・階段を上がる時に脚が上がりにくい)
Q4)サイズが小さい訳ではないのに、お尻の上に図のような横シワが出る。

トラブルパンツ**

 詳しい解説を、次回・・・・

〈つづく〉

#390.修正具体例:お腹が出ている体形

Posted by KINN Tailor on 26.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 前回迄、トラブルが出た時の対処方をお伝えして来ましたが、今回は体形
の変化に応じた修正の仕方
を解説したいと思います。まず、お腹が出てきた
の修正について具体例を述べます。

 そのお客様は元々太っておられたのですが、久しぶりにジャケットを新調
される機会があり、改めて採寸をさせて頂きました。
 すると胴囲が10cm以上大きくなられていましたので、型紙から作り直す
になりました。
 お腹が出た体形の方は少なくありません。そういうタイプの方は、その後
お腹だけ大きくなる傾向にあります。この方も胸囲は105cmのままで変わ
っていませんでしたが、胴囲は96cmから109cmに変化していました。

 このような時にどこに手を加えるべきか…ですが、胴囲の変化はお腹が
出てきた為
ですので、基本的にはまず前身頃を修正すれば良い・・という
事になります。

 下図の要領で型紙を修正します。
肥満製図

aa’迄広げます。
それに伴い、n~wn~w’に変えます。
前のハナを修正します。
*ここからの修正は、一度仮縫いをしてからでないとできません。
 お腹が出ている方の修正で注意しなければならないのは…お腹の下は出て
いない
という事です。
 お腹の寸法に合わせて前を出したままにしてしまうと、裾が前に出たよう
なズドンとしたラインになってしまいます。
 仮縫いの際に、どの位お腹の下がないかを見極めて裾周りの修正をします。
a'~bのラインを削り、a'~b’にします。
前のラインを削るだけでは足りませんので、脇をc~c’分削ります。
*脇を削るか否かは、体形にもよりますが、胸囲よりも胴囲が大きくなって
 しまった場合は削らないと綺麗に収まらないと思います。
*部分的に大きくなってしまった場合は、その部分以外は元のままな訳です
 から、広げるだけでなく削らないとバランスの悪い服になってしまいます。

◼︎型紙の変化
 結果、型紙はこんなに大きく変わりました。
 上)修正後の型紙
 下)元の型紙
肥満体型紙_4800

◼︎本縫い前の状態
 お腹が出ている体形の割にはスッキリ見えます。
肥満体_4809 肥満体_4810
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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