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#385.新しい裁断法によるパンツ 最終話
今回は、前身頃のクセ取りです。
🔳セットする

・前身頃の幅を狭くしましたが、アイロンワークはいつもと同じです。
㉓小股のクセを取る

・小股のカーブから始めます。
・カーブの下の方をよりカーブするように、クセを取ります。
・上の方も同様にカーブが強くなるようにクセを取ります。
㉔裾のクセを取る

・裾口が綺麗に仕上がるようにクセを取ります。
・しっかり内側にクセを取ります。
・反対側も内側に向くようにクセを取ります。
㉕前身頃を折ってクセを取る

・半分に折ってクセを取ります。
・折り目の膝から下が前に湾曲するようします。
*これは、歩く時にパンツが足に上手くついて来るようにするためです。
・アイロンが効いて来る迄しっかり押さえます。

・裾や小股も、折った状態でもう一度クセを取ります。
㉖後身頃と合わせて確認する

・前身頃のクセが取れましたので、後身頃と合わせてみます。
㉗仮縫いの準備をする

・裁断の時に切り離した所を後身頃に繋げます。
・繋ぎ目の所に、本縫いの時ポケットを作ります。
・アイロンを掛けます。
🔳アイロンワークの結果…

・腰のダーツの代わりに切り離した所をカーブさせた為(ダーツの移動)、
お尻に膨らみが出ます。ダーツがないのでスッキリと仕上がっています。
・また、特に強くクセを取らなくても腰の所が真っ直ぐになっています。
*普通の裁断の場合は、この部分が内側に入っている為、イラスト「g」の
クセ取りをしますが、既に真っ直ぐになっているのでクセ取りをしなく
ても良くなります。

※この裁断法の特徴は、後身頃の股下とポケットから上の生地を切り離し、
細工をする事で、ダーツを作る必要がなくなり、アイロンワークが軽減
され、作業効率が上がる…という事です。
㉘仮縫いをする

・続けて、仮縫いを行いました。
・写真ではお伝えし難いのですが、履き心地も非常に良く快適です。
🔳セットする

・前身頃の幅を狭くしましたが、アイロンワークはいつもと同じです。
㉓小股のクセを取る

・小股のカーブから始めます。
・カーブの下の方をよりカーブするように、クセを取ります。
・上の方も同様にカーブが強くなるようにクセを取ります。
㉔裾のクセを取る

・裾口が綺麗に仕上がるようにクセを取ります。
・しっかり内側にクセを取ります。
・反対側も内側に向くようにクセを取ります。
㉕前身頃を折ってクセを取る

・半分に折ってクセを取ります。
・折り目の膝から下が前に湾曲するようします。
*これは、歩く時にパンツが足に上手くついて来るようにするためです。
・アイロンが効いて来る迄しっかり押さえます。

・裾や小股も、折った状態でもう一度クセを取ります。
㉖後身頃と合わせて確認する

・前身頃のクセが取れましたので、後身頃と合わせてみます。
㉗仮縫いの準備をする

・裁断の時に切り離した所を後身頃に繋げます。
・繋ぎ目の所に、本縫いの時ポケットを作ります。
・アイロンを掛けます。
🔳アイロンワークの結果…

・腰のダーツの代わりに切り離した所をカーブさせた為(ダーツの移動)、
お尻に膨らみが出ます。ダーツがないのでスッキリと仕上がっています。
・また、特に強くクセを取らなくても腰の所が真っ直ぐになっています。
*普通の裁断の場合は、この部分が内側に入っている為、イラスト「g」の
クセ取りをしますが、既に真っ直ぐになっているのでクセ取りをしなく
ても良くなります。

※この裁断法の特徴は、後身頃の股下とポケットから上の生地を切り離し、
細工をする事で、ダーツを作る必要がなくなり、アイロンワークが軽減
され、作業効率が上がる…という事です。
㉘仮縫いをする

・続けて、仮縫いを行いました。
・写真ではお伝えし難いのですが、履き心地も非常に良く快適です。
#384.新しい裁断法によるパンツ その七
アイロンワークは、まず後身頃から始めます。
⑮二つに分けた後身頃を縫い合わせる

・躾糸で止めます。
・ミシンを掛けます。
・縫い合わさりました。
⑯生地を重ね準備をする

・縫い合わせた所をアイロンで割ります。
・2枚の生地を中表に重ね合わせます。
・裁断の際に股下に絞りを取った為、通常よりも内股のシャクレが
少ないのがわかります。その分アイロンワークが少なる訳です。
⑰ふくらはぎから腿にかけてのクセを取る

・ふくらはぎの所は特に細工がありませんので、通常通りクセを取ります。
内側の膨らませたい箇所を手で掴み、ふくらはぎに合わせて裁断した所
をアイロンで内側へ追い込みます。
・腿のクセを取ります。お尻の下が凹むように、脇縫い目を引っ張りながら
生地を上へ引き上げます。
・その上を脇に張り出させるように、更に引き上げます。
⑱繰り返しクセを取る

・ふくらはぎから腿にかけて、クセが取れるまで繰り返します。
・腰の繋ぎ目の所が前側に向くように、外に向かってクセを取ります。
*まだ、切り離した上の生地は付いていません。
⑲生地を返し、反対側からもクセを取る

・生地を裏返します。
・ふくらはぎから腿にかけてクセを取ります。
・腰の継ぎ目迄、外側にクセを取ります。
⑳クリのクセを取る

・お尻の所を立体的にする為、先を内側に入れます。
・先を内側に入れると弛みが出るので、それを外側に寄せます。
・クリの形を整えます。
*このクセ取りが、下図イラスト「f」のクセ取りの代わりです。
後ろ身頃を分けシャクリを入れた為、クリのクセを取るだけで股下の
クセも取れる事になります。

㉑裾のクセを取る

・裾口が綺麗に仕上がるように、外側に向かって順次クセを取って行きます。
㉒後身頃を折り、クセを取る

・後身頃を半分に折ります。
・全体に、仕上げのクセ取りをします。
・裾もしっかりクセを取ります。
後身頃のクセ取りが終わりました。次回は前身頃のクセ取りをします。
〈つづく〉
⑮二つに分けた後身頃を縫い合わせる

・躾糸で止めます。
・ミシンを掛けます。
・縫い合わさりました。
⑯生地を重ね準備をする

・縫い合わせた所をアイロンで割ります。
・2枚の生地を中表に重ね合わせます。
・裁断の際に股下に絞りを取った為、通常よりも内股のシャクレが
少ないのがわかります。その分アイロンワークが少なる訳です。
⑰ふくらはぎから腿にかけてのクセを取る

・ふくらはぎの所は特に細工がありませんので、通常通りクセを取ります。
内側の膨らませたい箇所を手で掴み、ふくらはぎに合わせて裁断した所
をアイロンで内側へ追い込みます。
・腿のクセを取ります。お尻の下が凹むように、脇縫い目を引っ張りながら
生地を上へ引き上げます。
・その上を脇に張り出させるように、更に引き上げます。
⑱繰り返しクセを取る

・ふくらはぎから腿にかけて、クセが取れるまで繰り返します。
・腰の繋ぎ目の所が前側に向くように、外に向かってクセを取ります。
*まだ、切り離した上の生地は付いていません。
⑲生地を返し、反対側からもクセを取る

・生地を裏返します。
・ふくらはぎから腿にかけてクセを取ります。
・腰の継ぎ目迄、外側にクセを取ります。
⑳クリのクセを取る

・お尻の所を立体的にする為、先を内側に入れます。
・先を内側に入れると弛みが出るので、それを外側に寄せます。
・クリの形を整えます。
*このクセ取りが、下図イラスト「f」のクセ取りの代わりです。
後ろ身頃を分けシャクリを入れた為、クリのクセを取るだけで股下の
クセも取れる事になります。

㉑裾のクセを取る

・裾口が綺麗に仕上がるように、外側に向かって順次クセを取って行きます。
㉒後身頃を折り、クセを取る

・後身頃を半分に折ります。
・全体に、仕上げのクセ取りをします。
・裾もしっかりクセを取ります。
後身頃のクセ取りが終わりました。次回は前身頃のクセ取りをします。
〈つづく〉
#383.新しい裁断法によるパンツ その六
前々回(平成最終週)、前身頃の修正迄が終わりましたので、今回はその
続き…後身頃の修正から説明したいと思います。
⑦後身頃の型紙に、分ける所の印を付ける

・下側は全体の太さの約1/4(今回は7cm)の所に印を付けます。
・お尻のクリ幅の約2/3(今回は10cm)の位置に印を付けます。
・これらを直線で結びます(太い方を脇側、細い方を股側とします)。
*脇側にチョークを入れますが、後から切り離す腰からダーツ下迄の所を
折ります。この折ったラインの所にポケットを作りますので、ラインから上
に口布分として4cm取れるように型紙を置きます。
⑧脇側のチョークを入れる

・線を引いた所を折り、チョークを引きます。
・脇側が書けました。
・股下の絞りを取るため、上から約10cmの所に1cm位 しゃくれるように
修正を入れます。
⑨脇を修正する

・内側の修正が終わりました。
・脇を2.5cm広がるように修正します。
⑩股側の型紙にチョークを入れる

*残った生地で他のパーツが取れるかを確認する為に、先程書いた脇側の裾
の折り返し分を確保してから型紙を置くようにします。
・股側のチョークを入れます。
・こちらも同じく2.5cm広がるように修正します。
⑪修正する

・広がりました。
ここでも残りの生地の量を正確に知る為、先に縫い代を取ります。
・股下の絞りを取る為に、先程と同じように上から約10cmの所に1cm
しゃくれるように修正します。
・修正が終わりました。
⑫腰からダーツの下までを切り離す

・ダーツをなくす為、腰から約7~7.5㎝の所で切り離します。
・切り離した型紙を元にして、ダーツ分後ろの中心側がカーブしている
型紙を作ります。
*先程説明したように、ここにポケットを作るので、向こう布4cmが付いた
型紙にしました。
・チョークを入れます。
⑬縫い代を入れる

・パーツが描き上がりましたので、縫い代を描き入れます。
・カットに不要な線を消します。
⑭カットする

・カットしていきます。
・これで裁断が終わりました。
🔳裁断された各パーツ

次回はいよいよ、アイロンワークに移ります。
〈つづく〉
続き…後身頃の修正から説明したいと思います。
⑦後身頃の型紙に、分ける所の印を付ける

・下側は全体の太さの約1/4(今回は7cm)の所に印を付けます。
・お尻のクリ幅の約2/3(今回は10cm)の位置に印を付けます。
・これらを直線で結びます(太い方を脇側、細い方を股側とします)。
*脇側にチョークを入れますが、後から切り離す腰からダーツ下迄の所を
折ります。この折ったラインの所にポケットを作りますので、ラインから上
に口布分として4cm取れるように型紙を置きます。
⑧脇側のチョークを入れる

・線を引いた所を折り、チョークを引きます。
・脇側が書けました。
・股下の絞りを取るため、上から約10cmの所に1cm位 しゃくれるように
修正を入れます。
⑨脇を修正する

・内側の修正が終わりました。
・脇を2.5cm広がるように修正します。
⑩股側の型紙にチョークを入れる

*残った生地で他のパーツが取れるかを確認する為に、先程書いた脇側の裾
の折り返し分を確保してから型紙を置くようにします。
・股側のチョークを入れます。
・こちらも同じく2.5cm広がるように修正します。
⑪修正する

・広がりました。
ここでも残りの生地の量を正確に知る為、先に縫い代を取ります。
・股下の絞りを取る為に、先程と同じように上から約10cmの所に1cm
しゃくれるように修正します。
・修正が終わりました。
⑫腰からダーツの下までを切り離す

・ダーツをなくす為、腰から約7~7.5㎝の所で切り離します。
・切り離した型紙を元にして、ダーツ分後ろの中心側がカーブしている
型紙を作ります。
*先程説明したように、ここにポケットを作るので、向こう布4cmが付いた
型紙にしました。
・チョークを入れます。
⑬縫い代を入れる

・パーツが描き上がりましたので、縫い代を描き入れます。
・カットに不要な線を消します。
⑭カットする

・カットしていきます。
・これで裁断が終わりました。
🔳裁断された各パーツ

次回はいよいよ、アイロンワークに移ります。
〈つづく〉
#381.新しい裁断法によるパンツ その五
いよいよ、製作工程をお見せします。
今回使用する生地は、フォックス社の細かい千鳥格子柄の生地です。
①まず、生地にキズがないかを確認する

・生地を広げ・・・
・キズの有無を見ます。
②次に切り口、生地のゆがみを見る

・切り口が真っ直ぐかどう確認します。
・切り口を揃えます(今回は綺麗に切り揃えられていた)。
・耳を揃えます。
*テーブルの端などを利用し、耳をできるだけ真っ直ぐな状態にして揃えます。
③ゆがみが出たら、生地を広げ直し下の生地を手で均しながらたたみ直す

・下側の生地を手で均す → ゆがみが小さくなる
・小さなゆがみは生地を引いて直します。
*この程度のゆがみの場合は、生地を斜めに軽く引くと直る場合が多いです。
④パターンを置いて地の目を通す

・先に、腰帯分取ります。
・前身頃の地の目を通します。
⑤前身頃のチョークを引く

・裾の折り返し分を確保します。
・チョークを入れます。
*チョークが入りました。
⑥修正する

・2.5cm計り、前身頃を小さくします。
・小股が小さくなった分、チャックの端がギリギリまで来ます。
この続きは次回に・・・
〈つづく〉
今回使用する生地は、フォックス社の細かい千鳥格子柄の生地です。
①まず、生地にキズがないかを確認する

・生地を広げ・・・
・キズの有無を見ます。
②次に切り口、生地のゆがみを見る

・切り口が真っ直ぐかどう確認します。
・切り口を揃えます(今回は綺麗に切り揃えられていた)。
・耳を揃えます。
*テーブルの端などを利用し、耳をできるだけ真っ直ぐな状態にして揃えます。
③ゆがみが出たら、生地を広げ直し下の生地を手で均しながらたたみ直す

・下側の生地を手で均す → ゆがみが小さくなる
・小さなゆがみは生地を引いて直します。
*この程度のゆがみの場合は、生地を斜めに軽く引くと直る場合が多いです。
④パターンを置いて地の目を通す

・先に、腰帯分取ります。
・前身頃の地の目を通します。
⑤前身頃のチョークを引く

・裾の折り返し分を確保します。
・チョークを入れます。
*チョークが入りました。
⑥修正する

・2.5cm計り、前身頃を小さくします。
・小股が小さくなった分、チャックの端がギリギリまで来ます。
この続きは次回に・・・
〈つづく〉
#380. 新しい裁断法によるパンツ その四
私が次に目を付けた、後ポケットのダーツについて少し説明します。
後ポケットのダーツを取ると、下図のように脇の縫い目が内側に入ります。

一般的な体形で考えますと・・・人の身体はお腹側が膨らみ気味で、その
反対側…つまり腰のラインの背中の所が凹んでいます。ですから、上の図
のように脇が内側に入っているのは上手くない訳です。
そこでアイロンでクセを取り、前身側に向くようにします。

私が考えたのは、このクセ取り作業を省けないか?・・・という事でした。
普通お尻の膨らみを出すためには、ダーツを取らない訳にはいきませんが、
この脇の線が内側に入ったままでは、歩きにくく、座り心地の悪いパンツに
なってしまいます。
クセ取りは絶対に必要な作業ですが、ダーツが2本も入っていて比較的短
い距離でカーブさせなければなりませんので、難易度が高い…と言えます。
そこで私が考えた解決方は、縦に取るダーツを横に移動させる…という事
です。つまり(下図のように)本来の縦ダーツ長さの所で脇の縫い目まで切り
離し、ダーツを取った分生地を曲げて裁断をします。

この"横向きダーツ"で、脇の縫い目が前身側に向くかどうか?…疑問に
思われる方もいらっしゃると思います。それは、この後実際に仕立てている
工程でお見せしますのでご確認下さい。
さてポケットですが…せっかく横向きに縫い目がある訳ですから、これを
利用する事にしました。
新しい裁断法として試してみたのは、後身頃を2枚に分ける事と、後ろの
ダーツの位置を移動させた事…その2点になります。
実際に仕立てて、履いてみた感想をお伝えしますと・・・
・しゃがんだ時に腰がきつくならない
・立ち上がった時の尻から腿にかけての"たるみ"が少なくなった
・今迄のパンツよりも履き心地が良い!
…など、幾つかの効果を実感しました。
次回からは、実際に作る工程に入って行きます。
〈つづく〉
後ポケットのダーツを取ると、下図のように脇の縫い目が内側に入ります。

一般的な体形で考えますと・・・人の身体はお腹側が膨らみ気味で、その
反対側…つまり腰のラインの背中の所が凹んでいます。ですから、上の図
のように脇が内側に入っているのは上手くない訳です。
そこでアイロンでクセを取り、前身側に向くようにします。

私が考えたのは、このクセ取り作業を省けないか?・・・という事でした。
普通お尻の膨らみを出すためには、ダーツを取らない訳にはいきませんが、
この脇の線が内側に入ったままでは、歩きにくく、座り心地の悪いパンツに
なってしまいます。
クセ取りは絶対に必要な作業ですが、ダーツが2本も入っていて比較的短
い距離でカーブさせなければなりませんので、難易度が高い…と言えます。
そこで私が考えた解決方は、縦に取るダーツを横に移動させる…という事
です。つまり(下図のように)本来の縦ダーツ長さの所で脇の縫い目まで切り
離し、ダーツを取った分生地を曲げて裁断をします。

この"横向きダーツ"で、脇の縫い目が前身側に向くかどうか?…疑問に
思われる方もいらっしゃると思います。それは、この後実際に仕立てている
工程でお見せしますのでご確認下さい。
さてポケットですが…せっかく横向きに縫い目がある訳ですから、これを
利用する事にしました。
新しい裁断法として試してみたのは、後身頃を2枚に分ける事と、後ろの
ダーツの位置を移動させた事…その2点になります。
実際に仕立てて、履いてみた感想をお伝えしますと・・・
・しゃがんだ時に腰がきつくならない
・立ち上がった時の尻から腿にかけての"たるみ"が少なくなった
・今迄のパンツよりも履き心地が良い!
…など、幾つかの効果を実感しました。
次回からは、実際に作る工程に入って行きます。
〈つづく〉