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#385.新しい裁断法によるパンツ 最終話

Posted by KINN Tailor on 24.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 今回は、前身頃のクセ取りです。

🔳セットする
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・前身頃の幅を狭くしましたが、アイロンワークはいつもと同じです。

㉓小股のクセを取る
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・小股のカーブから始めます。
・カーブの下の方をよりカーブするように、クセを取ります。
・上の方も同様にカーブが強くなるようにクセを取ります。


㉔裾のクセを取る
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・裾口が綺麗に仕上がるようにクセを取ります。
・しっかり内側にクセを取ります。
・反対側も内側に向くようにクセを取ります。


㉕前身頃を折ってクセを取る
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・半分に折ってクセを取ります。
・折り目の膝から下が前に湾曲するようします。
*これは、歩く時にパンツが足に上手くついて来るようにするためです。
・アイロンが効いて来る迄しっかり押さえます。

8889.png
・裾や小股も、折った状態でもう一度クセを取ります。

㉖後身頃と合わせて確認する
9091.png
・前身頃のクセが取れましたので、後身頃と合わせてみます。

㉗仮縫いの準備をする
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・裁断の時に切り離した所を後身頃に繋げます。
・繋ぎ目の所に、本縫いの時ポケットを作ります。
・アイロンを掛けます。


🔳アイロンワークの結果…
      95.png
・腰のダーツの代わりに切り離した所をカーブさせた為(ダーツの移動)、
 お尻に膨らみが出ます。ダーツがないのでスッキリと仕上がっています。
・また、特に強くクセを取らなくても腰の所が真っ直ぐになっています。
*普通の裁断の場合は、この部分が内側に入っている為、イラスト「g」の
 クセ取りをしますが、既に真っ直ぐになっているのでクセ取りをしなく
 ても良くなります。
 
後身頃アイロン**
この裁断法の特徴は、後身頃の股下とポケットから上の生地を切り離し、
 細工をする事で、ダーツを作る必要がなくなり、アイロンワークが軽減 
 され、作業効率が上がる…という事です。

㉘仮縫いをする
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・続けて、仮縫いを行いました。
・写真ではお伝えし難いのですが、履き心地も非常に良く快適です。

#384.新しい裁断法によるパンツ その七

Posted by KINN Tailor on 10.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 アイロンワークは、まず後身頃から始めます。

⑮二つに分けた後身頃を縫い合わせる

・躾糸で止めます。
・ミシンを掛けます。
・縫い合わさりました。


⑯生地を重ね準備をする
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・縫い合わせた所をアイロンで割ります。
・2枚の生地を中表に重ね合わせます。
・裁断の際に股下に絞りを取った為、通常よりも内股のシャクレが
 少ないのがわかります。その分アイロンワークが少なる訳です。


⑰ふくらはぎから腿にかけてのクセを取る
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・ふくらはぎの所は特に細工がありませんので、通常通りクセを取ります。
 内側の膨らませたい箇所を手で掴み、ふくらはぎに合わせて裁断した所
 をアイロンで内側へ追い込みます。
・腿のクセを取ります。お尻の下が凹むように、脇縫い目を引っ張りながら
 生地を上へ引き上げます。
・その上を脇に張り出させるように、更に引き上げます。


⑱繰り返しクセを取る
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・ふくらはぎから腿にかけて、クセが取れるまで繰り返します。
・腰の繋ぎ目の所が前側に向くように、外に向かってクセを取ります。
*まだ、切り離した上の生地は付いていません


⑲生地を返し、反対側からもクセを取る
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・生地を裏返します。
・ふくらはぎから腿にかけてクセを取ります。
・腰の継ぎ目迄、外側にクセを取ります。


⑳クリのクセを取る
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・お尻の所を立体的にする為、先を内側に入れます。
・先を内側に入れると弛みが出るので、それを外側に寄せます。
・クリの形を整えます。
*このクセ取りが、下図イラスト「f」のクセ取りの代わりです。
 後ろ身頃を分けシャクリを入れた為、クリのクセを取るだけで股下の
 クセも取れる事になります。

    後身頃アイロン**
㉑裾のクセを取る
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・裾口が綺麗に仕上がるように、外側に向かって順次クセを取って行きます。

㉒後身頃を折り、クセを取る
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・後身頃を半分に折ります。
・全体に、仕上げのクセ取りをします。
・裾もしっかりクセを取ります。


 後身頃のクセ取りが終わりました。次回は前身頃のクセ取りをします。

〈つづく〉

#383.新しい裁断法によるパンツ その六

Posted by KINN Tailor on 27.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 前々回(平成最終週)、前身頃の修正迄が終わりましたので、今回はその
続き…後身頃の修正から説明したいと思います。

⑦後身頃の型紙に、分ける所の印を付ける
192021.png
・下側は全体の太さの約1/4(今回は7cm)の所に印を付けます。
・お尻のクリ幅の約2/3(今回は10cm)の位置に印を付けます。
・これらを直線で結びます(太い方を脇側、細い方を股側とします)。
*脇側にチョークを入れますが、後から切り離す腰からダーツ下迄の所を
 折ります。この折ったラインの所にポケットを作りますので、ラインから上
 に口布分として4cm取れるように型紙を置きます。 


⑧脇側のチョークを入れる
222324.png
・線を引いた所を折り、チョークを引きます。
・脇側が書けました。
・股下の絞りを取るため、上から約10cmの所に1cm位 しゃくれるように
 修正を入れます。


⑨脇を修正する
2526.png
・内側の修正が終わりました。
・脇を2.5cm広がるように修正します。


⑩股側の型紙にチョークを入れる
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*残った生地で他のパーツが取れるかを確認する為に、先程書いた脇側の裾
 の折り返し分を確保してから型紙を置くようにします。
・股側のチョークを入れます。
・こちらも同じく2.5cm広がるように修正します。


⑪修正する
303132.png
・広がりました。
 ここでも残りの生地の量を正確に知る為、先に縫い代を取ります。
・股下の絞りを取る為に、先程と同じように上から約10cmの所に1cm
 しゃくれるように修正します。
・修正が終わりました。


⑫腰からダーツの下までを切り離す
333435.png
・ダーツをなくす為、腰から約7~7.5㎝の所で切り離します。
・切り離した型紙を元にして、ダーツ分後ろの中心側がカーブしている
 型紙を作ります。
*先程説明したように、ここにポケットを作るので、向こう布4cmが付いた
 型紙にしました。
・チョークを入れます。


⑬縫い代を入れる
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・パーツが描き上がりましたので、縫い代を描き入れます。
・カットに不要な線を消します。


⑭カットする
3940.png
・カットしていきます。
・これで裁断が終わりました。


🔳裁断された各パーツ


 次回はいよいよ、アイロンワークに移ります。

〈つづく〉

#381.新しい裁断法によるパンツ その五

Posted by KINN Tailor on 29.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 いよいよ、製作工程をお見せします。
 今回使用する生地は、フォックス社の細かい千鳥格子柄の生地です。

①まず、生地にキズがないかを確認する
新裁断パンツ5-1
・生地を広げ・・・
・キズの有無を見ます。


②次に切り口、生地のゆがみを見る
新裁断パンツ5-2
・切り口が真っ直ぐかどう確認します。
・切り口を揃えます(今回は綺麗に切り揃えられていた)。
・耳を揃えます。 
*テーブルの端などを利用し、耳をできるだけ真っ直ぐな状態にして揃えます。


③ゆがみが出たら、生地を広げ直し下の生地を手で均しながらたたみ直す
新裁断パンツ5-3
・下側の生地を手で均す → ゆがみが小さくなる
・小さなゆがみは生地を引いて直します。
*この程度のゆがみの場合は、生地を斜めに軽く引くと直る場合が多いです。


④パターンを置いて地の目を通す
新裁断パンツ5-4
・先に、腰帯分取ります。
・前身頃の地の目を通します。


⑤前身頃のチョークを引く
新裁断パンツ5-5
・裾の折り返し分を確保します。
・チョークを入れます。
*チョークが入りました。


⑥修正する
新裁断パンツ5-6
・2.5cm計り、前身頃を小さくします。
・小股が小さくなった分、チャックの端がギリギリまで来ます。


 この続きは次回に・・・

〈つづく〉

#380. 新しい裁断法によるパンツ その四

Posted by KINN Tailor on 15.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 私が次に目を付けた、後ポケットのダーツについて少し説明します。
 後ポケットのダーツを取ると、下図のように脇の縫い目が内側に入ります。

新裁断パンツ4 イラスト1**

 一般的な体形で考えますと・・・人の身体はお腹側が膨らみ気味で、その
反対側…つまり腰のラインの背中の所が凹んでいます。ですから、上の図
のように脇が内側に入っているのは上手くない訳です。
 そこでアイロンでクセを取り前身側に向くようにします。

新裁断パンツ4 イラスト2**

 私が考えたのは、このクセ取り作業を省けないか?・・・という事でした。
普通お尻の膨らみを出すためには、ダーツを取らない訳にはいきませんが、
この脇の線が内側に入ったままでは、歩きにくく、座り心地の悪いパンツに
なってしまいます。
 クセ取りは絶対に必要な作業ですが、ダーツが2本も入っていて比較的
い距離でカーブ
させなければなりませんので、難易度が高い…と言えます。
 そこで私が考えた解決方は、縦に取るダーツを横に移動させる…という事
です。つまり(下図のように)本来の縦ダーツ長さの所で脇の縫い目まで切り
離し
、ダーツを取った分生地を曲げて裁断をします。

 新裁断パンツ4 イラスト3**

 この"横向きダーツ"で、脇の縫い目が前身側に向くかどうか?…疑問に
思われる方もいらっしゃると思います。それは、この後実際に仕立てている
工程でお見せしますのでご確認下さい。
 さてポケットですが…せっかく横向きに縫い目がある訳ですから、これを
利用する事にしました。
 新しい裁断法として試してみたのは、後身頃を2枚に分ける事と、後ろの
ダーツの位置を移動させた
事…その2点になります。
 実際に仕立てて、履いてみた感想をお伝えしますと・・・
しゃがんだ時に腰がきつくならない
立ち上がった時の尻から腿にかけての"たるみ"が少なくなった
今迄のパンツよりも履き心地が良い
 …など、幾つかの効果を実感しました。

 次回からは、実際に作る工程に入って行きます。

〈つづく〉
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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