FC2ブログ
Loading…

♯.369 カラーの話

Posted by KINN Tailor on 05.2018 カラーの話   0 comments   0 trackback
 前回、硬く仕上げるカラー(スティフ カラー)についてお話をしました
が、あのカラーを仕上げる器具のイラストを見て「おや?」と思われた方も
いらっしゃったのではないでしょうか?
 私の説明不足でしたが、そもそもあの器具は、取り外しができるカラー
時に使用する物なのです。今は殆ど使われていませんが、以前の礼服には、
このタイプのシャツを着用していました。
 昔は、カラーは硬くピンと張った状態であるべき…と考えられていたから
でしょう。確かにその方が綺麗で折り目正しい印象になるかも知れませんが、
カラーを仕上げる職人さんが減ってしまった為か、取り外しが面倒だからか、
そこまでキメなくても良くなったのか・・理由はわかりませんが、いつしか
お目に掛からなくなってしまいました。

 どのような構造になっているのか、知りたい方もいらっしゃると思います
が、残念ながら私の手元にそのタイプのシャツがないので、イラストでその
取り付け方をお見せします。
カラー1**
 まずシャツですが、カラーを上から乗せられるように土台が付いています。
次にカラーを止める為のスタッズ前用は先端が丸い形をしています。後用
は先端が上下
します。そして硬く糊付けしたカラーです。
カラー2**
 取り付け方ですが…スタッズ土台に取り付けます。前の方は土台が二重
になっていて、その間に差し込むようにします。
 土台にカラーを乗せ、後側のスタッズの先端を下げて固定し、前側のカラー
の両端を重ねてスタッズで留めます。これで完成です・・が、燕尾服やタキ
シードの場合は前釦も取り外し式でしたから、カラー、釦、袖口のカフなど、
全て取り付けるとなると少々手間だったかもしれません。

 英国では今でも使われているようで、あるカタログに載っていましたので、
ちょっとご紹介します。
カラー3**

 このカラーについては、ちょっとしたエピソードがあります。
 随分昔の事ですが、お客様がシャツをお召になった後ネクタイを締めよう
としたけど、滑らなくて締められない。その日は大切な用事があるのでどう
にかならないか…という連絡が入りました。
 幸い遠くのお客様ではありませんでしたので、至急ご自宅に伺い見せて頂
きました。
 拝見したところ、カラーは堅く仕上がっていましたが、光り方が足らない
ように見えましたので、「これは砥石で磨かなかったのか、磨きが足りない
のだな・・」と思いました。
 そこで綿を丸めてカラーをこする事にしました。30~40分は磨いたでしょ
うか・・カラーの表面がツルツルになり、無事にネクタイを締める事ができ
ました。
 やはり、きちんと磨く技術を持ったクリーニング職人さんが仕上げないと
上手くはいかないな…と、痛感したものです。

 最後に、スタッズ(後ろ用)が手元にありましたので紹介します。
カラースタッド開** カラースタッド閉**
この状態で穴に差し込み… 留める

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR