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#.369 カラーの話
前回、硬く仕上げるカラー(スティフ カラー)についてお話をしました
が、あのカラーを仕上げる器具のイラストを見て「おや?」と思われた方も
いらっしゃったのではないでしょうか?
私の説明不足でしたが、そもそもあの器具は、取り外しができるカラーの
時に使用する物なのです。今は殆ど使われていませんが、以前の礼服には、
このタイプのシャツを着用していました。
昔は、カラーは硬くピンと張った状態であるべき…と考えられていたから
でしょう。確かにその方が綺麗で折り目正しい印象になるかも知れませんが、
カラーを仕上げる職人さんが減ってしまった為か、取り外しが面倒だからか、
そこまでキメなくても良くなったのか・・理由はわかりませんが、いつしか
お目に掛からなくなってしまいました。
どのような構造になっているのか、知りたい方もいらっしゃると思います
が、残念ながら私の手元にそのタイプのシャツがないので、イラストでその
取り付け方をお見せします。

まずシャツですが、カラーを上から乗せられるように土台が付いています。
次にカラーを止める為のスタッズ。前用は先端が丸い形をしています。後用
は先端が上下します。そして硬く糊付けしたカラーです。

取り付け方ですが…スタッズを土台に取り付けます。前の方は土台が二重
になっていて、その間に差し込むようにします。
土台にカラーを乗せ、後側のスタッズの先端を下げて固定し、前側のカラー
の両端を重ねてスタッズで留めます。これで完成です・・が、燕尾服やタキ
シードの場合は前釦も取り外し式でしたから、カラー、釦、袖口のカフなど、
全て取り付けるとなると少々手間だったかもしれません。
英国では今でも使われているようで、あるカタログに載っていましたので、
ちょっとご紹介します。

このカラーについては、ちょっとしたエピソードがあります。
随分昔の事ですが、お客様がシャツをお召になった後ネクタイを締めよう
としたけど、滑らなくて締められない。その日は大切な用事があるのでどう
にかならないか…という連絡が入りました。
幸い遠くのお客様ではありませんでしたので、至急ご自宅に伺い見せて頂
きました。
拝見したところ、カラーは堅く仕上がっていましたが、光り方が足らない
ように見えましたので、「これは砥石で磨かなかったのか、磨きが足りない
のだな・・」と思いました。
そこで綿を丸めてカラーをこする事にしました。30~40分は磨いたでしょ
うか・・カラーの表面がツルツルになり、無事にネクタイを締める事ができ
ました。
やはり、きちんと磨く技術を持ったクリーニング職人さんが仕上げないと
上手くはいかないな…と、痛感したものです。
最後に、スタッズ(後ろ用)が手元にありましたので紹介します。

この状態で穴に差し込み… 留める
が、あのカラーを仕上げる器具のイラストを見て「おや?」と思われた方も
いらっしゃったのではないでしょうか?
私の説明不足でしたが、そもそもあの器具は、取り外しができるカラーの
時に使用する物なのです。今は殆ど使われていませんが、以前の礼服には、
このタイプのシャツを着用していました。
昔は、カラーは硬くピンと張った状態であるべき…と考えられていたから
でしょう。確かにその方が綺麗で折り目正しい印象になるかも知れませんが、
カラーを仕上げる職人さんが減ってしまった為か、取り外しが面倒だからか、
そこまでキメなくても良くなったのか・・理由はわかりませんが、いつしか
お目に掛からなくなってしまいました。
どのような構造になっているのか、知りたい方もいらっしゃると思います
が、残念ながら私の手元にそのタイプのシャツがないので、イラストでその
取り付け方をお見せします。

まずシャツですが、カラーを上から乗せられるように土台が付いています。
次にカラーを止める為のスタッズ。前用は先端が丸い形をしています。後用
は先端が上下します。そして硬く糊付けしたカラーです。

取り付け方ですが…スタッズを土台に取り付けます。前の方は土台が二重
になっていて、その間に差し込むようにします。
土台にカラーを乗せ、後側のスタッズの先端を下げて固定し、前側のカラー
の両端を重ねてスタッズで留めます。これで完成です・・が、燕尾服やタキ
シードの場合は前釦も取り外し式でしたから、カラー、釦、袖口のカフなど、
全て取り付けるとなると少々手間だったかもしれません。
英国では今でも使われているようで、あるカタログに載っていましたので、
ちょっとご紹介します。

このカラーについては、ちょっとしたエピソードがあります。
随分昔の事ですが、お客様がシャツをお召になった後ネクタイを締めよう
としたけど、滑らなくて締められない。その日は大切な用事があるのでどう
にかならないか…という連絡が入りました。
幸い遠くのお客様ではありませんでしたので、至急ご自宅に伺い見せて頂
きました。
拝見したところ、カラーは堅く仕上がっていましたが、光り方が足らない
ように見えましたので、「これは砥石で磨かなかったのか、磨きが足りない
のだな・・」と思いました。
そこで綿を丸めてカラーをこする事にしました。30~40分は磨いたでしょ
うか・・カラーの表面がツルツルになり、無事にネクタイを締める事ができ
ました。
やはり、きちんと磨く技術を持ったクリーニング職人さんが仕上げないと
上手くはいかないな…と、痛感したものです。
最後に、スタッズ(後ろ用)が手元にありましたので紹介します。


この状態で穴に差し込み… 留める