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#278.パンと紅茶 最終話

Posted by KINN Tailor on 09.2016 朝食の話   0 comments   0 trackback
 今回はパンのお伴、バターの話です。

 私はバターが大好きなのですが、いつから好きになったか?…と聞かれる
と困ってしまいます。家族の間では私の「バター好き」は有名でしたし、母
は「バター息子でしょうがない」などと、人に話していた程です。
 パンに塗るのはもちろんですが、もう一つ好きな食べ方がありまして・・・
それは熱いご飯の上にバターの塊を乗せて、溶けたところをかき混ぜて醤油
を少しかけて食べる
…というものです。
 これを、私個人としては「うなぎ」の味がすると思っています。ちょっと
どうかと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、バターだけ食べたりする
のも平気な程好きなのです。マヨネーズが好きな人がそのまま食べたりする
事の"バター版"と言ったところでしょうか。。。

 戦時中はバターがなかなか手に入らなくて、母は苦労して探していました。
私は当時あまり体調が良い状態ではなかったので、お見舞いに来てくれる方
は皆さんバターを持ってきて下さいました。あの時分、バターはかなり栄養
価の高い食品
だったのです。
 ご存じの方も多いかも知れませんが、バターは意外とビタミンが数種類含
まれていて身体には良いとされていました。もちろん今も栄養価が高い食品
ですが、ある時点から脂肪やカロリーが高いという事で敬遠され始め、今は
何となくバター=肥る…というイメージが定着してしまっているようです。
 長年バターを食べ続けていますが、特にコレステロールなどの問題は起き
ていませんので、私には合っているのだと思います。

 今は輸入物も含めて色々なバターが売られていますが、当時は雪印が圧倒
的で、黄色い箱に入って1ポンド、1/2ポンド、1/4ポンドと3種類売られてい
ました。
 たまに小岩井のバターを見かけましたが、こちらは丸い瓶に入っていて、
値段もかなり高かった記憶があります。既にバターは雪印の独占状態だった
ので、差別化をした高価なバターを販売していたのかも知れませんね。
バター**
「♯96.御殿場の家 その弐」で、山羊のミルクを使ってバターを作ろうとし
て上手くいかなかった話をしましたが、遠心分離機まで作って山羊バターに
挑戦したのは、私がバター好きだったからに他なりません。その時に、山羊
のミルクはバターに向いていないのか?…と思いましたが、先日調べてみた
ところ、「山羊のバター」はちゃ〜んと存在しました。
 山羊は春~秋にしか搾乳できないとかで、非常に高額でちょっと試す感じ
ではありませんでしたが、まぁ山羊バターがある事だけでもわかったので良
し、としようと思います。

#277.パンと紅茶 その弐

Posted by KINN Tailor on 25.2016 朝食の話   0 comments   0 trackback
 さて、今回は紅茶の話をしましょう。 

 結婚した後、暫くはコーヒーに凝った時期もありましたが、自然と紅茶を
飲む習慣に戻り、その後はずっと紅茶を愛飲しています。
 これはきっと父の影響が強かったのだと思います。父は紅茶、特にミルク
ティー
が好きでよく飲んでいましたし、父がコーヒーを飲んでいる姿を見た
事がありませんでした。私も小さい頃からミルクティーに馴染んでいた…と
言いうよりは、実際のところはレモンティーの存在をかなり大きくなるまで
知らなかったのです。
 母は、来客があると必ずミルクティーを出していました。母が使っていた
のはリプトンの青缶でした。当時はリプトンの紅茶が最も有名で、皆が飲ん
でいたと思います。
 このミルクティーはとても評判が良く、皆さん誉めて下さったのですが、
母に言わせると「使っている牛乳が良いから美味しいのよ」という事でした。
 その牛乳は「小児牛乳」というブランド名で、小金井に牧場がありました。
この牛乳がとても美味しかったからなのか、ある日父が小金井の牧場に連れ
て行ってくれました。どのくらいの牛がいたかは覚えていませんが、朝から
放牧していた牛を午後になると集めて乳を搾っていました。今の小金井を考
えると放牧できた土地があった訳ですから驚きです。
 私達が行った時は丁度搾乳をするところでしたが、集められた牛達が一列
になって、消毒液入りのプールを通って小屋に戻って行く姿が印象的でした。
そこでご馳走になった牛乳が実に美味しかったのですが、放牧させているの
が美味しさの秘訣
だったのかも知れません。
 ちょっと調べてみたのですが…この小児牛乳というのは、後に小岩井乳業
が東京へ進出するための拠点として昭和23年に買収し、「小岩井牧場」
して操業を始めたという事ですから、やはりとても良い乳業会社だったのだ
と思います。
サイフォンイラスト**
*コーヒーのサイフォンで紅茶を入れてみた...

 紅茶の入れ方にも凝った時期があります。家族が多かった時期には陶器の
ポット
を使いましたし、家内と二人の時にはプレス式のティーサーバーを、
フレーバーティー用には耐熱ガラスの急須型ポットを…等と色々試しました。
 今は一人ですから普段は気軽にティーストレーナーを使っているのですが、
日曜日だけは小さいポットを温めて少し時間をかけてお茶の準備をするよう
にしています。

紅茶写真**
*最近気に入っている紅茶:「Assam English Legacy」
 葉が粒のようになっている
 手前はスプーン形のティーストレーナー


 余談ですが、家内が一時「紅茶きのこ」に凝った事がありました。身体に
良い…との事で比較的長い期間飲んでいました。最初は食卓の上に置かれて
いた紅茶きのこの瓶も、時が経つにつれ忘れられていつしか棚の上へ・・・。
 そしてある日見てみると、きのこが3センチ位の厚さに成長していて驚いて
始末しました。皆さんのお家にも放置された紅茶きのこ…ありませんよね?

〈つづく〉

#276.パンと紅茶 その壱

Posted by KINN Tailor on 18.2016 朝食の話   0 comments   0 trackback
 私はパンが好きで、朝食は殆どパンを食べています。朝からしっかり食べ
る方ですので、パンにハムやソーセージ、それを包むサラダ菜類、ブロッコ
リーにトマトが定番で、たまにゆで卵を付けます。パンにはバターを塗りま
すが、このバターも好物の一つです。一昨年はバターが不足気味だった事も
あって、かなり計画的に買うようにしていましたが、最近はそれも落ち着い
たようでホッとしています。
 毎朝同じようなメニューなのですが、特に飽きる事もなく続いています。
色々なお店のパンを食べ比べましたが、今はあるお店の物が気に入ってい
て、家から少し離れた所ですが、足繁く買いに行っています。
 飲み物は紅茶です。私は別にコーヒーが嫌いな訳ではないのですが、食事
の時にはどうしても紅茶を選んでしまいます。

 子供の頃の朝食はどうだったのか…と言うと、小学生の頃は時代も時代で
したから、やはりご飯にお味噌汁と言った当時のごく一般的な朝食でした。
 パン食になったのは家庭を持ってから以降の習慣だと思います。ただ私が
子供だった頃も、パンは比較的よく食べた家庭だったように思います。それ
父がパン好きだったからで、今でもよく覚えている光景があります。

 日曜日の午後になると、父が食パンを細長く切って、それにバターを少し
乗せて焼いてくれるのです。焼くのは当時暖房用に使っていたガスストーブ
(火口の上にスケルトンを何本も立てた形)で、火の前に付いている台に並
べて置いて、少し焦げたところを食べさせてくれました。表面がカリッと焦
げて
、それは美味しかったです。

ガスストーブ**

 当時、日常の食品は近所のお店で買っていました。毎日のように御用聞き
の人
が来てくれて頼む訳です。特別に必要な物ができると、母は私たちを連
れてデパートに買い物に行きました。
 帰りは荷物があるのでタクシーを利用しました(当時タクシーはメーター
がなくて、行き先を伝えて運転手さんと料金交渉をした)が、途中で銀座の
「木村屋」へ寄って貰ってパンを買って帰るのが常でした。
 ご存じのように銀座・木村屋は老舗のパン屋さんで、あんぱんが有名です
が、当時でも既に色々な種類のパンがありました。母はいつも数種類選んで
買っていましたが、毎回必ず買うパンがありました。名前は覚えていません
が、ドックロールのような割と小ぶりの細長いパンで、かなり大量に買って
いました。このパンが食堂の戸棚に入れてあるのですが、これは子供が自由
に食べて良い事になっていましたので、よく"お三時"の時に食べたものです。
 味はごくごく普通のパンで、特に甘かったりしないのですが、何も付けず
に食べていましたから、パンその物の味が良かったのだと思います。
 今、私が気に入っているパンがメゾンカイザー(メゾンカイザーは木村屋
の息子さんがやっている)ですから、木村屋さんとはご縁があるんだなぁ…
と思います。 

〈つづく〉
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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