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#265.カマーバンドの製図

Posted by KINN Tailor on 25.2016 付属品の話   3 comments   0 trackback
 前回ご紹介したカマーバンドの製図方法について、ご質問を頂戴しました
ので、説明したいと思います。

 その前に・・・シングルのディナージャケットを着用する際は、ベストか
カマーバンド
を使う事になっています。カマーバンドは熱帯地方(例えば英
国が統治していた頃のインド)などで「ベストよりは涼しくて良い」という
理由からサッシュを使うようになったのが始まりだと言われています。
 サッシュは少々幅が広いので、徐々に形を変えて現在のカマーバンドのよ
うになりました。
 カマーバンドはベストの変わりに着る物ですので、原則としては黒ですが、
変り色を使っても良い事になっています。ディナージャケットのシングルは
釦が一つの場合が多いので、その釦の位置から少し上に見える位に付けるの
が品が良いとされています。

 では、その製図方法を説明しましょう。
 まず採寸ですが、胴囲と胴囲から10センチ位下と15センチ位下の3か所を
計ります。胴囲と次の10センチ下は平らに計りますが、15センチ位下の所は
背中に向かって斜めに、5センチ位上がるように計ります。
 採寸した数字を元に製図をすると台形になります。一番上の線と下の線と
の差がかなり大きくなりますので、其々の線をカーブさせて形を整えます。
どの位カーブさせるかは見当ですので、カマーバンドをする人のお腹周りの
感じをイメージ
しながらカーブさせると上手くいくと思います。
 仕上がった図をヒダの数で割り、それぞれを元に生地を裁ちます。

カマーバンドの製図**
 細い体系の方はカマーバンドの上が浮き易くなりますので、カーブを多少
きつめに
しておくと綺麗に収まります。

カマー出来上がり
*先週の作成中だったカマーバンドが仕上がりました。

 私塾に来ている生徒さん達は、自分用のディナージャケットを作る人が割
と多いのですが、それは拝絹やカマーバンド、蝶ネクタイなどに自分の個性
(拘り)を出す事ができる
のが一つの理由のようです。

#264.礼服の付属品の話

Posted by KINN Tailor on 18.2016 付属品の話   0 comments   0 trackback
 昨年も、礼服のご注文を幾つか頂戴しました。
 私共の店では礼服のご注文を頂く際に、付属品も併せてご依頼頂きます。
ですから、拝絹に使った生地で蝶ネクタイを作る・・・とか、ベストの生地
で蝶ネクタイも作る・・・といった事ができる訳です。
 現在もディナージャケットの拝絹生地を使って蝶ネクタイとカマーバンド
を作成中ですが、私共の店で作るカマーバンドは通常売られている物と
少々形が違いますのでご紹介しましょう。

 カマーバンドはお腹に巻く訳ですから、本来お腹にしっくり馴染まなけれ
ば上手くありません。真直ぐに裁ったカマーバンドですと、お腹がくびれて
も出っ張ってもいない人には良いのかも知れませんが、それ以外の体系の方
の場合は浮いてしまったり、変なシワが出たりしてしまいます。

カマーバンド1**
私共のカマーバンド
※全体を少し湾曲させ、お腹にしっくり馴染むようにしている。


 このカマーバンドは4本ヒダですが、ご注文主のお腹に合わせてヒダを1本
ずつ形を変えて裁断をして
繋ぎ合わせています。これですと、カマーバンド
の上が浮いてしまったり、お腹に馴染まずに全体が上にせり上がり過ぎてし
まうのを防ぐ事ができます。
 写真のバンドにはもうひと工夫されていて、一番上のヒダの所にポケット
が付けてあり、小さい物などを入れておく事ができます。
 日本ではカマーバンドを割と高めに付けている事が多いようですが、本来
ジャケットの釦を止めた所から2~3cm位(シャツの釦の間隔と同じ位空
けた所)に一番上の端が来るようにするのがベストで、釦を止めている時は
チラッと見える程度が上品だとされています。お召しになる際は参考にして
下さい。

 さて最後に、これは付属かどうかちょっとわかりませんが、何十年か振り
ベストの白襟のご注文を頂きました。
 ベストに白い襟を付けるのは日本独特の習慣で、和服の白襟から来ている
ようです。
 一頃はモーニングのベストには必ず白襟を付けたものですが、最近はこの
ような注文はあまり頂かなくなりました。
 先日あるお客様が英国のチャールズ皇太子の写真をお持ちになり、「この
ベストの襟と同じように白襟を・・・」とご注文されたので、ちょっと驚き
ました。確かに写真のチャールズ皇太子はモーニングのベストに白襟を付け
ていらっしゃるのです。
 いつ頃、なぜベストの白襟が外国で使われるようになったのかわかりませ
んが、意外なところで日本の習慣が影響を与える事もあるものですね。

ベスト白襟2**
ベスト白襟
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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