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#372.Extra-お客様の服 ディナージャケット
今回ご紹介するお客様の服は、華やかな織柄の生地で仕立てしたディナー
ジャケットです。
生地の状態で見るとかなり派手な印象ですが、仕上がってみると大変上品
な印象になるのは、流石「スキャバル」といったところです。
この季節にピッタリのディナージャケットです。
◇お客様のディナージャケット
◎表地:スキャバル(SCABAL) 220g
◎裏地:キュプラ 黒
◎釦 :包み釦
〈正面〉 〈横〉

・ビロードのリボンを縁と上衿に ・2種類のブロックチェック柄の生地で
包んだクルミ釦釦
〈下から〉

・フラワーホールは開けず、ヘチマ襟の時のように裏側に袋を付け、
襟の刻みの所に花が来るようになっている
〈カマーバンド〉

・ベストの下側のようなデザイン
釦は飾りでなく、掛け外しができる
このディナージャケットをご注文下さったお客様が、お召しになった時の
写真を提供して下さいました。
□永見隆幸 様
〈ディナージャケット〉 〈燕尾服〉

・トリノ王立劇場にて ・トリノのホテルにて
* * * * * *
本年もブログをお読み頂きましてありがとうございました。
皆様どうかお身体を大切に、良いお年をお迎え下さい。
ジャケットです。
生地の状態で見るとかなり派手な印象ですが、仕上がってみると大変上品
な印象になるのは、流石「スキャバル」といったところです。
この季節にピッタリのディナージャケットです。
◇お客様のディナージャケット
◎表地:スキャバル(SCABAL) 220g
◎裏地:キュプラ 黒
◎釦 :包み釦
〈正面〉 〈横〉


・ビロードのリボンを縁と上衿に ・2種類のブロックチェック柄の生地で
包んだクルミ釦釦
〈下から〉

・フラワーホールは開けず、ヘチマ襟の時のように裏側に袋を付け、
襟の刻みの所に花が来るようになっている
〈カマーバンド〉

・ベストの下側のようなデザイン
釦は飾りでなく、掛け外しができる
このディナージャケットをご注文下さったお客様が、お召しになった時の
写真を提供して下さいました。
□永見隆幸 様
〈ディナージャケット〉 〈燕尾服〉


・トリノ王立劇場にて ・トリノのホテルにて
* * * * * *
本年もブログをお読み頂きましてありがとうございました。
皆様どうかお身体を大切に、良いお年をお迎え下さい。
#355.Extra-お客様の服 リーロイド
今日ご紹介するスリーピースを注文されたお客様は、多くの人が集まる場
に出席される機会が多く、スピーチなどもよく依頼されるようで、いつも華や
かな印象の生地をお選びになります。
お好みの生地を一言で表現すると、「さりげなく目立つ生地」…との事で、
このリーロイドやスキャバルなどを好まれます。
◇お客様のスリーピース
◎表地:ウーステッド100% (400g)
◎裏地:キュプラ 鮮やかな青系
◎釦 : 水牛
〈正面〉 〈斜め前〉

・生地はウィリアム・リーロイド(WILLIAM LEAROYD)社製の少し粗めの
ハッキリとしたストライプ
・デザインはシングル2ツ釦 ノッチラペル サイドベンツ
〈下から〉 〈横〉

〈寄り〉 〈裏地〉

リーロイドを選ばれるもう一つの理由としては、生地の質感にあります。
リーロイド社は1822年英国で創業され、「世界最高峰の生地」と称された
時代もありました。残念ながら現在はこの会社はありませんが、英国では
まだストックしている所があり、数は限られますが、入手は可能です。
さて、"生地の質感"ですが…ハリのあるしっかりとした生地で、仕立て
た際にラインが綺麗に出やすく、身体にフィットするのが特徴といえます。
この「リーロイド社」については、私も少々思い入れがありますので、次回
改めてご紹介したいと思います。
に出席される機会が多く、スピーチなどもよく依頼されるようで、いつも華や
かな印象の生地をお選びになります。
お好みの生地を一言で表現すると、「さりげなく目立つ生地」…との事で、
このリーロイドやスキャバルなどを好まれます。
◇お客様のスリーピース
◎表地:ウーステッド100% (400g)
◎裏地:キュプラ 鮮やかな青系
◎釦 : 水牛
〈正面〉 〈斜め前〉


・生地はウィリアム・リーロイド(WILLIAM LEAROYD)社製の少し粗めの
ハッキリとしたストライプ
・デザインはシングル2ツ釦 ノッチラペル サイドベンツ
〈下から〉 〈横〉


〈寄り〉 〈裏地〉


リーロイドを選ばれるもう一つの理由としては、生地の質感にあります。
リーロイド社は1822年英国で創業され、「世界最高峰の生地」と称された
時代もありました。残念ながら現在はこの会社はありませんが、英国では
まだストックしている所があり、数は限られますが、入手は可能です。
さて、"生地の質感"ですが…ハリのあるしっかりとした生地で、仕立て
た際にラインが綺麗に出やすく、身体にフィットするのが特徴といえます。
この「リーロイド社」については、私も少々思い入れがありますので、次回
改めてご紹介したいと思います。
#351.Extra-お客様の服 カシミアのジャケット
今年最初にお納めした服が、Johnstonsの生地で作ったジャケットでした。
とても素敵なジャケットでしたので、ご紹介したいと思います。
◇お客様のジャケット
◎表地:カシミア 100% (340g)
◎裏地:キュプラ 赤紫
◎ 釦 : 革 赤茶
〈斜め前〉 〈正面〉
・デザインは、英国のハンツマン(HUNTAMAN)を参考にされました。
前はお客様お好みの高め&1つ釦。
・ラペルはピーク、ポケットはチェンジ付きのスラントポケット。
〈後ろ〉 〈ネーム タグ〉

・サイドベンツ
*Johnstonsは、最近ではマフラーなどの小物の方が多くなって、生地の扱いが
少ないようですが、生地に関しては英国の伝統的な大きな柄物が多いようです。
〈サンプル生地〉

〈特徴的な袖周り〉

・袖口には後ろ半分がカーブしたカフ
・袖釦は4つ(3つが本開き)
この生地を見本の小さいサイズで見た時には、かなり個性的な柄…という
印象でしたが、お客様は大変服に詳しい方で、様々な生地で作られている
経験からか、「小さな生地だと派手そうに見えるけど、ジャケットになったら
それ程でもないでしょう」…と仰られて、この生地を選ばれました。
でき上がってみると、お客様の仰る通り、とてもお洒落で素敵な柄のジャ
ケットに仕上がりました。
最近は、無地やストライプ柄を選ばれる方が殆どで、このタイプの柄物を
仕立てる機会がめっきり少なくなりました。
久し振りでしたが、実に味わい深い仕事をさせて頂いたように思います。
とても素敵なジャケットでしたので、ご紹介したいと思います。
◇お客様のジャケット
◎表地:カシミア 100% (340g)
◎裏地:キュプラ 赤紫
◎ 釦 : 革 赤茶
〈斜め前〉 〈正面〉


・デザインは、英国のハンツマン(HUNTAMAN)を参考にされました。
前はお客様お好みの高め&1つ釦。
・ラペルはピーク、ポケットはチェンジ付きのスラントポケット。
〈後ろ〉 〈ネーム タグ〉


・サイドベンツ
*Johnstonsは、最近ではマフラーなどの小物の方が多くなって、生地の扱いが
少ないようですが、生地に関しては英国の伝統的な大きな柄物が多いようです。
〈サンプル生地〉

〈特徴的な袖周り〉

・袖口には後ろ半分がカーブしたカフ
・袖釦は4つ(3つが本開き)
この生地を見本の小さいサイズで見た時には、かなり個性的な柄…という
印象でしたが、お客様は大変服に詳しい方で、様々な生地で作られている
経験からか、「小さな生地だと派手そうに見えるけど、ジャケットになったら
それ程でもないでしょう」…と仰られて、この生地を選ばれました。
でき上がってみると、お客様の仰る通り、とてもお洒落で素敵な柄のジャ
ケットに仕上がりました。
最近は、無地やストライプ柄を選ばれる方が殆どで、このタイプの柄物を
仕立てる機会がめっきり少なくなりました。
久し振りでしたが、実に味わい深い仕事をさせて頂いたように思います。
#346. Extra-お客様の服 サンクロスの魅力を活かしたスーツ
今回は、サンクロスを使ったとてもハイセンスなスーツをご紹介します。
まず、サンクロスについて簡単に説明しますと...

サンクロスは、英国がインドを統治していた頃に、インドへ派遣された英国
の高官に好まれていた生地です。
ウールで厚味があるのですが(表面はツルツルしています)、裏面の赤い
色が太陽光線を反射する力がある・・・という事で用いられていました。
この赤色がとても綺麗なので、本来は裏面ですが、表地としても使われる
ようになりました。
◇オレンジのスーツとベージュのスーツ

・デザインは普通の三つ揃いですが、写真のようにどちらを表地に設えても
その光沢が魅力的で、角度によって微妙に色が揺らいで見えます。
◇ベスト

・デザインはイギリス流。前釦は6個で水牛釦です。
・裏地は、ベージュには赤系、赤にはベージュ系というように相手側の色味
を持ってきました。
◇パンツ

・パンツは釦使用です。サスペンダーで着るデザインになっています。
もともと背の高いお客様でいらっしゃいますが、サスペンダーを使用する事で
ベストを短くする事ができ、更にバランス良く、スタイリッシュにお召し頂ける
と思います。
まず、サンクロスについて簡単に説明しますと...

サンクロスは、英国がインドを統治していた頃に、インドへ派遣された英国
の高官に好まれていた生地です。
ウールで厚味があるのですが(表面はツルツルしています)、裏面の赤い
色が太陽光線を反射する力がある・・・という事で用いられていました。
この赤色がとても綺麗なので、本来は裏面ですが、表地としても使われる
ようになりました。
◇オレンジのスーツとベージュのスーツ


・デザインは普通の三つ揃いですが、写真のようにどちらを表地に設えても
その光沢が魅力的で、角度によって微妙に色が揺らいで見えます。
◇ベスト

・デザインはイギリス流。前釦は6個で水牛釦です。
・裏地は、ベージュには赤系、赤にはベージュ系というように相手側の色味
を持ってきました。
◇パンツ

・パンツは釦使用です。サスペンダーで着るデザインになっています。
もともと背の高いお客様でいらっしゃいますが、サスペンダーを使用する事で
ベストを短くする事ができ、更にバランス良く、スタイリッシュにお召し頂ける
と思います。
#311.Extra-お客様の服 オーストリアの民族衣装
改めまして、明けましておめでとうございます。
今年最初のブログは、パルトーと前後して昨年末に仕上がったお客様の服
を紹介させて頂きます。
今回ご紹介するのは、ちょっと珍しい"民族衣装"で、ヨーロッパのアルプス
周辺・・・スイス、オーストリア、イタリア北部の山岳地帯に住んでいた人達
が着ていた、非常に古くから受け継がれているスタイルのジャケットです。
現在でもその辺りのホテルの人が制服にしていたり、現地の人達がお祭り
の時に着用しているのだそうです。
この服を作られたお客様は、オーストリアの山案内人のグループのメンバー
として活動されている方で、特に案内人の制服という訳ではないそうですが、
皆さん好まれて着ていらっしゃる…との事。
2017年、このお客様が役員として、日本の山を案内される事になったので、
この伝統的な衣装を知ってもらおう…と、色違いで3着!新調されました。
◇その壱:紺地に深緑の伝統的な色使い

・襟とポケットのフチに深緑の生地を用いる事が習慣となっている
昔ながらのスタイル
・釦は全て鹿の角を削って作られたハンドメイド品
(今回使用した釦は、お客様のご令嬢が海外で求められた物)
◇その弐:紺地に赤のアクセント

・上記と同スタイルで、フチを赤にアレンジ
◇その参:グレー地にゴールドのアクセント

・ややゴージャスな印象に
・いずれも裏地には遊び心を入れて、少し派手な色を選択
伝統と遊び心を同居させ、着る楽しさが伝わって来そうな仕事でした。
今年最初のブログは、パルトーと前後して昨年末に仕上がったお客様の服
を紹介させて頂きます。
今回ご紹介するのは、ちょっと珍しい"民族衣装"で、ヨーロッパのアルプス
周辺・・・スイス、オーストリア、イタリア北部の山岳地帯に住んでいた人達
が着ていた、非常に古くから受け継がれているスタイルのジャケットです。
現在でもその辺りのホテルの人が制服にしていたり、現地の人達がお祭り
の時に着用しているのだそうです。
この服を作られたお客様は、オーストリアの山案内人のグループのメンバー
として活動されている方で、特に案内人の制服という訳ではないそうですが、
皆さん好まれて着ていらっしゃる…との事。
2017年、このお客様が役員として、日本の山を案内される事になったので、
この伝統的な衣装を知ってもらおう…と、色違いで3着!新調されました。
◇その壱:紺地に深緑の伝統的な色使い

・襟とポケットのフチに深緑の生地を用いる事が習慣となっている
昔ながらのスタイル
・釦は全て鹿の角を削って作られたハンドメイド品
(今回使用した釦は、お客様のご令嬢が海外で求められた物)
◇その弐:紺地に赤のアクセント

・上記と同スタイルで、フチを赤にアレンジ
◇その参:グレー地にゴールドのアクセント

・ややゴージャスな印象に
・いずれも裏地には遊び心を入れて、少し派手な色を選択
伝統と遊び心を同居させ、着る楽しさが伝わって来そうな仕事でした。