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#311.Extra-お客様の服 オーストリアの民族衣装

Posted by KINN Tailor on 16.2017 お客様の服   0 comments   0 trackback
 改めまして、明けましておめでとうございます。
 今年最初のブログは、パルトーと前後して昨年末に仕上がったお客様の服
を紹介させて頂きます。

 今回ご紹介するのは、ちょっと珍しい"民族衣装"で、ヨーロッパのアルプス
周辺・・・スイス、オーストリア、イタリア北部の山岳地帯に住んでいた人達
が着ていた、非常に古くから受け継がれているスタイルのジャケットです。
 現在でもその辺りのホテルの人が制服にしていたり、現地の人達がお祭り
の時に着用しているのだそうです。

 この服を作られたお客様は、オーストリアの山案内人のグループのメンバー
として活動されている方で、特に案内人の制服という訳ではないそうですが、
皆さん好まれて着ていらっしゃる…との事。
 2017年、このお客様が役員として、日本の山を案内される事になったので、
この伝統的な衣装を知ってもらおう…と、色違いで3着!新調されました。

◇その壱:紺地に深緑の伝統的な色使い 
オースト紺:緑
・襟とポケットのフチに深緑の生地を用いる事が習慣となっている
 昔ながらのスタイル
・釦は全て鹿の角を削って作られたハンドメイド品
(今回使用した釦は、お客様のご令嬢が海外で求められた物)


◇その弐:紺地に赤のアクセント
オースト紺:赤
・上記と同スタイルで、フチを赤にアレンジ

◇その参:グレー地にゴールドのアクセント
オースト:グレー
・ややゴージャスな印象に
・いずれも裏地には遊び心を入れて、少し派手な色を選択



 伝統と遊び心を同居させ、着る楽しさが伝わって来そうな仕事でした。

#309.Extra-お客様の服 パルトー

Posted by KINN Tailor on 26.2016 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今年最後のブログとなります。そこで、「スポーツジャケットの仕立て」
は年明けにじっくりお届けする事にして、先日仕上がった"パルトー"
ご紹介したいと思います。

パルトーイラスト**

 パルトーはフロックオーバーコートの形をしていますが、前身頃の横の
切替線が途中まで
しかありません。胸のダーツのところで特殊な裁断を
して、スカートと繋ぐ
ようになっています。
 つまり、後姿は礼服のフロックオーバーコートですが、前は普通のダブル
のオーバーコートという、面白い形です。
 1900年代半ば頃まで、パルトーは礼装用としてでなく、お洒落なオーバー
としてよく使われていましたが、最近ではあまり見かけなくなりました。


◇お客様のパルトー

◎表生地:カシミア100%(480g) 黒
◎裏 地:キュプラ 赤
◎ 釦 :水牛

〈正面〉               〈後〉
パルトー正面**  パルトー後正**
正面:カシミヤは柔らかな光沢があり上品な印象
後ろ:後姿はフロックコートと同じ形


〈タンザク〉
パルトー後**
・歩くと、タンザクから鮮やかな色の裏地が覗くのが優雅

〈前の切替線〉           〈後ろ切替線〉
前の切替線**  後ろ切替線 **
・最も大きな特徴が切替線に表れています。

 パルトーの、この特殊な裁断法については、いずれ紹介できれば…
と思っています。

     *   *   *   *   *   *

 今年もブログをお読み頂きましてありがとうございました。お陰様で、10月
300回を超える事ができました。一時は300回を区切りとして終わりとする
事も考えましたが、まだ"服作り"について伝えられる事があるような気がして、
今しばらく続ける事としました。
 今後は技術的な内容が中心になるかと思いますが、引き続き宜しくお願い
致します。

 皆様、良いお年をお迎え下さい。 

  







#300.Extra-お客様の服 フロックコート

Posted by KINN Tailor on 17.2016 お客様の服   0 comments   0 trackback
 先週迄のブログで、仮縫いの様子をお伝えしたフロックコートが仕上がり
ましたので、今回ご紹介したいと思います。
 "礼服の原点"とも言えるだけに、実に風格を感じます。

〈ジャケット〉
正面**    ヨコ**
◎表地:H.LESSOR社のバラシアの黒
◎裏地:キャプラ シルバーグレー
・このフロックコートはダブルに仕立ててありますが、拝み釦でシングル仕様
 にもなるようにしてあります。


〈前〉
ジャケ寄り** 袖**
・フェーシングは、琥珀柄の正絹拝絹地を使用。
 最近では入手が困難になっている。
・襟周りと前の端、胸ポケット、カフの端にグログラン柄の正絹テープで
 ヘリを取っているのが印象的。
・袖は4つ釦


〈後〉
後ろ**
・タンザクからスカートにかけてのドレープが美しく優雅。


〈ポケット〉
ポケット**
・#298.フロックコート まとめ1 で紹介した、タンザクの内側にあるポケット。


〈拝み釦〉
拝み釦**
・2種類の長さの物を用意してある。
・両方ともシングルの時に使う(前の開き方を加減する・・・長い方にすると
 ベストが多く見える)。



〈ベスト〉
ベスト**
・ダブルの6ケ釦(片側3ケ)で襟付き。
・ジャケットよりもやや幅の狭いグログランテープで、襟周りと前の端に
 ヘリを取ってある。中の白衿は着脱可能。


#289.Extra-お客様の服 サマージャケット

Posted by KINN Tailor on 01.2016 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今回は、最近ご注文頂いた…いかにも夏らしいサマージャケットをご紹介
したいと思います。 

 最近では珍しい、白いウインドペン格子柄(5.5cm×6.5cm)の明るい紺の
ジャケットです。
 シングル3つ釦でウエストをやや強めに絞ったデザインが夏らしく活動的
な印象を与えます。ベントはフックベントで、前とポケット周りに 7mmの
ハンドステッチを入れました。

サマコレ1
◎表生地:ウッドハウス社のサマーコレクション(メッシュ風の生地です)
◎裏 地:淡いピンク色のキュプラ
◎ 釦 :白蝶貝

サマコレ部分
・ポケットはパッチで両脇にはフラップが付いています。
・袖釦は4つ。3つ本開きで1つが飾りです。



サマコレ2
・インパクトのある生地ですが、メッシュ風の明るい紺色の素材に大きな
 ウィンドペンの真っ白い線が涼しげで爽やかな印象を与えます。



#257.Extra-お客様の服 マント

Posted by KINN Tailor on 30.2015 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今回ご紹介するお客様の服は、足首近く迄長さのあるマントです。

 マント、ケープともにかなりフレアを取りましたが、お客様がとても背が
お高い方
ですので、上品且つ優雅なフォルムに仕上がりました。

◎表生地:細川毛織のシルクベロア 黒
◎裏生地:明るいエンジのベンベルグ

マント1
・身頃はインバネスのように大きなアームホールになっていて、手を自由に
 動かす事ができます。
・ヨークの緩やかなフレアーがその動きを引き立てます。



マント2
・身頃、ヨーク、フードのハナにベルベットのテープを付けました。


マント3
・フードはかなり大きめですが、身頃の丈がとても長いので小さく見えます。

 実際にお召しになっているところを拝見すると、動きに応じてシルク特有
の光沢
が放たれ、実に華やかでエレガントな印象を受けました。

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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