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#351.Extra-お客様の服 カシミアのジャケット

Posted by KINN Tailor on 12.2018 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今年最初にお納めした服が、Johnstonsの生地で作ったジャケットでした。
 とても素敵なジャケットでしたので、ご紹介したいと思います。


◇お客様のジャケット

◎表地:カシミア 100% (340g)
◎裏地:キュプラ 赤紫
◎ 釦 : 革 赤茶


〈斜め前〉             〈正面〉               
JS斜め**pg JS正対**
・デザインは、英国のハンツマン(HUNTAMAN)を参考にされました。
 前はお客様お好みの高め&1つ釦。
・ラペルはピーク、ポケットはチェンジ付きのスラントポケット。

〈後ろ〉              〈ネーム タグ〉 
JS後ろ** JSネームタグ**
・サイドベンツ
*Johnstonsは、最近ではマフラーなどの小物の方が多くなって、生地の扱いが
 少ないようですが、生地に関しては英国の伝統的な大きな柄物が多いようです。


〈サンプル生地〉  
JS生地見本**

〈特徴的な袖周り〉 
JS袖**
・袖口には後ろ半分がカーブしたカフ
・袖釦は4つ(3つが本開き)

 この生地を見本の小さいサイズで見た時には、かなり個性的な柄…という
印象でしたが、お客様は大変服に詳しい方で、様々な生地で作られている
経験からか、「小さな生地だと派手そうに見えるけど、ジャケットになったら
それ程でもないでしょう」…と仰られて、この生地を選ばれました。
 でき上がってみると、お客様の仰る通り、とてもお洒落で素敵な柄のジャ
ケットに仕上がりました。

 最近は、無地やストライプ柄を選ばれる方が殆どで、このタイプの柄物を
仕立てる機会がめっきり少なくなりました。
 久し振りでしたが、実に味わい深い仕事をさせて頂いたように思います。

#346. Extra-お客様の服 サンクロスの魅力を活かしたスーツ

Posted by KINN Tailor on 11.2017 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今回は、サンクロスを使ったとてもハイセンスなスーツをご紹介します。

 まず、サンクロスについて簡単に説明しますと...
サンクロス生地**
 サンクロスは、英国がインドを統治していた頃に、インドへ派遣された英国
の高官に好まれていた生地です。
 ウールで厚味があるのですが(表面はツルツルしています)、裏面の赤い
色が太陽光線を反射する
力がある・・・という事で用いられていました。
 この赤色がとても綺麗なので、本来は裏面ですが、表地としても使われる
ようになりました。

◇オレンジのスーツとベージュのスーツ
サンクロスオレンジ斜め** サンクロスベージュ正面**
・デザインは普通の三つ揃いですが、写真のようにどちらを表地に設えても
 その光沢が魅力的で、角度によって微妙に色が揺らいで見えます。


◇ベスト
サンクロスベスト**
・デザインはイギリス流。前釦は6個で水牛釦です。
・裏地は、ベージュには赤系、赤にはベージュ系というように相手側の色味
 を持ってきました。


◇パンツ
サンクロスパンツ**
・パンツは釦使用です。サスペンダーで着るデザインになっています。

もともと背の高いお客様でいらっしゃいますが、サスペンダーを使用する事で
ベストを短く
する事ができ、更にバランス良く、スタイリッシュにお召し頂ける
と思います。

#311.Extra-お客様の服 オーストリアの民族衣装

Posted by KINN Tailor on 16.2017 お客様の服   0 comments   0 trackback
 改めまして、明けましておめでとうございます。
 今年最初のブログは、パルトーと前後して昨年末に仕上がったお客様の服
を紹介させて頂きます。

 今回ご紹介するのは、ちょっと珍しい"民族衣装"で、ヨーロッパのアルプス
周辺・・・スイス、オーストリア、イタリア北部の山岳地帯に住んでいた人達
が着ていた、非常に古くから受け継がれているスタイルのジャケットです。
 現在でもその辺りのホテルの人が制服にしていたり、現地の人達がお祭り
の時に着用しているのだそうです。

 この服を作られたお客様は、オーストリアの山案内人のグループのメンバー
として活動されている方で、特に案内人の制服という訳ではないそうですが、
皆さん好まれて着ていらっしゃる…との事。
 2017年、このお客様が役員として、日本の山を案内される事になったので、
この伝統的な衣装を知ってもらおう…と、色違いで3着!新調されました。

◇その壱:紺地に深緑の伝統的な色使い 
オースト紺:緑
・襟とポケットのフチに深緑の生地を用いる事が習慣となっている
 昔ながらのスタイル
・釦は全て鹿の角を削って作られたハンドメイド品
(今回使用した釦は、お客様のご令嬢が海外で求められた物)


◇その弐:紺地に赤のアクセント
オースト紺:赤
・上記と同スタイルで、フチを赤にアレンジ

◇その参:グレー地にゴールドのアクセント
オースト:グレー
・ややゴージャスな印象に
・いずれも裏地には遊び心を入れて、少し派手な色を選択



 伝統と遊び心を同居させ、着る楽しさが伝わって来そうな仕事でした。

#309.Extra-お客様の服 パルトー

Posted by KINN Tailor on 26.2016 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今年最後のブログとなります。そこで、「スポーツジャケットの仕立て」
は年明けにじっくりお届けする事にして、先日仕上がった"パルトー"
ご紹介したいと思います。

パルトーイラスト**

 パルトーはフロックオーバーコートの形をしていますが、前身頃の横の
切替線が途中まで
しかありません。胸のダーツのところで特殊な裁断を
して、スカートと繋ぐ
ようになっています。
 つまり、後姿は礼服のフロックオーバーコートですが、前は普通のダブル
のオーバーコートという、面白い形です。
 1900年代半ば頃まで、パルトーは礼装用としてでなく、お洒落なオーバー
としてよく使われていましたが、最近ではあまり見かけなくなりました。


◇お客様のパルトー

◎表生地:カシミア100%(480g) 黒
◎裏 地:キュプラ 赤
◎ 釦 :水牛

〈正面〉               〈後〉
パルトー正面**  パルトー後正**
正面:カシミヤは柔らかな光沢があり上品な印象
後ろ:後姿はフロックコートと同じ形


〈タンザク〉
パルトー後**
・歩くと、タンザクから鮮やかな色の裏地が覗くのが優雅

〈前の切替線〉           〈後ろ切替線〉
前の切替線**  後ろ切替線 **
・最も大きな特徴が切替線に表れています。

 パルトーの、この特殊な裁断法については、いずれ紹介できれば…
と思っています。

     *   *   *   *   *   *

 今年もブログをお読み頂きましてありがとうございました。お陰様で、10月
300回を超える事ができました。一時は300回を区切りとして終わりとする
事も考えましたが、まだ"服作り"について伝えられる事があるような気がして、
今しばらく続ける事としました。
 今後は技術的な内容が中心になるかと思いますが、引き続き宜しくお願い
致します。

 皆様、良いお年をお迎え下さい。 

  







#300.Extra-お客様の服 フロックコート

Posted by KINN Tailor on 17.2016 お客様の服   0 comments   0 trackback
 先週迄のブログで、仮縫いの様子をお伝えしたフロックコートが仕上がり
ましたので、今回ご紹介したいと思います。
 "礼服の原点"とも言えるだけに、実に風格を感じます。

〈ジャケット〉
正面**    ヨコ**
◎表地:H.LESSOR社のバラシアの黒
◎裏地:キャプラ シルバーグレー
・このフロックコートはダブルに仕立ててありますが、拝み釦でシングル仕様
 にもなるようにしてあります。


〈前〉
ジャケ寄り** 袖**
・フェーシングは、琥珀柄の正絹拝絹地を使用。
 最近では入手が困難になっている。
・襟周りと前の端、胸ポケット、カフの端にグログラン柄の正絹テープで
 ヘリを取っているのが印象的。
・袖は4つ釦


〈後〉
後ろ**
・タンザクからスカートにかけてのドレープが美しく優雅。


〈ポケット〉
ポケット**
・#298.フロックコート まとめ1 で紹介した、タンザクの内側にあるポケット。


〈拝み釦〉
拝み釦**
・2種類の長さの物を用意してある。
・両方ともシングルの時に使う(前の開き方を加減する・・・長い方にすると
 ベストが多く見える)。



〈ベスト〉
ベスト**
・ダブルの6ケ釦(片側3ケ)で襟付き。
・ジャケットよりもやや幅の狭いグログランテープで、襟周りと前の端に
 ヘリを取ってある。中の白衿は着脱可能。


  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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