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#188.側章の話
前回「拝絹」の話をしましたので、今回は「側章」の話をします。
ご存知のように、燕尾服やタキシードのパンツには「側章」(ブレード)
を付けます。側章は元々軍服などの飾りとして使われていた物ですが、タキ
シードの場合は幅2cm位の物を脇縫い目の上に1本、燕尾服にはそれよりも
少し細い物を2本並べて付けます。
一般的には、ジャケットの拝絹地を細長く切り、両端を追って縫い付ける
方法を取っているようです。日本では拝絹地に朱子目(=つまり光った物)
をよく使うので、パンツも揃えるのが好まれるのだと思います。
私共では、側章には拝絹地を切って使う事はせず、側章用のテープを使い
ます。「どうしてか?」を聞いた事はなかったのですが、そもそも父の時代
には拝絹と側章を同じ生地で揃える習慣がなかったようです。
父とお客様とのやり取りを思い出してみても、拝絹地をどれにするか…は、
よく話し合っていましたが、側章については父にお任せ…という場合が殆ど
でした。
お客様から「同じ生地で」というご要望があった場合は、拝絹地を切って
使いましたが、テープは端が綺麗に始末されていますので、薄くスッキリと
付けるられる…という事もあり、基本的にはテープを使っています。
昭和20年頃までは、日本では越前屋さんと中野屋さんの2社がこの側章用
のテープを作っていました。どちらも軍服に付ける階級章などを扱うお店で、
軍服を作っていた時代はかなり色々な種類の飾りテープを織っていました。
但し、主に織っていたテープはジャケットの縁に付けたりする物で、側章
よりも幅の広い物でしたので、わざわざ側章用に細いテープを織って貰って
いました。
越前屋さんの話ですと、「側章がもっと大量に使われるようになるなら、
専用の機械を1台入れられるので、もっと早く織れるのですけどね・・・」
という位、需要は決して多くなかったようです。

側章用のテープ
終戦後には、拝絹地と同様に海外の物が手に入るようになりましたので、
それを使うようになりました。輸入品は国産品よりも薄くスッキリと仕上が
っている物が多く、機械の差だろうか?・・・と思ったものです。
拝絹地と違い、テープの方は現在でも色々と出回っていますので安心です。
最後に、私共とは古くから取引きのある「渡辺誠一商店」さんが、先週の
ブログを見て下さり、「昔取り扱っていた、越後サベリの絹地が少し残って
いましたのでご参考までに・・・」と、わざわざ送ってくださいました。

越後サペリ
しっとりとした絹地が大変懐かしく思いました。ありがとうございました。
ご存知のように、燕尾服やタキシードのパンツには「側章」(ブレード)
を付けます。側章は元々軍服などの飾りとして使われていた物ですが、タキ
シードの場合は幅2cm位の物を脇縫い目の上に1本、燕尾服にはそれよりも
少し細い物を2本並べて付けます。
一般的には、ジャケットの拝絹地を細長く切り、両端を追って縫い付ける
方法を取っているようです。日本では拝絹地に朱子目(=つまり光った物)
をよく使うので、パンツも揃えるのが好まれるのだと思います。
私共では、側章には拝絹地を切って使う事はせず、側章用のテープを使い
ます。「どうしてか?」を聞いた事はなかったのですが、そもそも父の時代
には拝絹と側章を同じ生地で揃える習慣がなかったようです。
父とお客様とのやり取りを思い出してみても、拝絹地をどれにするか…は、
よく話し合っていましたが、側章については父にお任せ…という場合が殆ど
でした。
お客様から「同じ生地で」というご要望があった場合は、拝絹地を切って
使いましたが、テープは端が綺麗に始末されていますので、薄くスッキリと
付けるられる…という事もあり、基本的にはテープを使っています。
昭和20年頃までは、日本では越前屋さんと中野屋さんの2社がこの側章用
のテープを作っていました。どちらも軍服に付ける階級章などを扱うお店で、
軍服を作っていた時代はかなり色々な種類の飾りテープを織っていました。
但し、主に織っていたテープはジャケットの縁に付けたりする物で、側章
よりも幅の広い物でしたので、わざわざ側章用に細いテープを織って貰って
いました。
越前屋さんの話ですと、「側章がもっと大量に使われるようになるなら、
専用の機械を1台入れられるので、もっと早く織れるのですけどね・・・」
という位、需要は決して多くなかったようです。

側章用のテープ
終戦後には、拝絹地と同様に海外の物が手に入るようになりましたので、
それを使うようになりました。輸入品は国産品よりも薄くスッキリと仕上が
っている物が多く、機械の差だろうか?・・・と思ったものです。
拝絹地と違い、テープの方は現在でも色々と出回っていますので安心です。
最後に、私共とは古くから取引きのある「渡辺誠一商店」さんが、先週の
ブログを見て下さり、「昔取り扱っていた、越後サベリの絹地が少し残って
いましたのでご参考までに・・・」と、わざわざ送ってくださいました。

越後サペリ
しっとりとした絹地が大変懐かしく思いました。ありがとうございました。