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#184.ワイシャツ作りの話

Posted by KINN Tailor on 23.2014 ワイシャツの話   0 comments   0 trackback
「今更」のような話ですが…スーツを着る場合、基本的に下にはワイシャツ
を着用しますので、スーツとシャツは昔から切っても切れない関係です。
 一時期、私共に注文頂くお客様の殆どが、同じシャツ屋さんにワイシャツ
を注文されていた時期がありました。
 実は、シャツ屋さんが同じだと大変具合の良い事があるのです。それは、
カラーの見え方袖の出方をシャツ屋さんと相談する事ができる…という事
です。例えば少々首が短めのお客様から「シャツのカラーをこの位見せたい」
というご要望があった場合にシャツのカラーを高めにするか、ジャケットの
襟を低く付ける
か…等をを相談する事ができる訳です。
 このシャツ屋さんとは長く一緒に仕事をさせて頂きましたが、残念な事に
お亡くなりになられたので、こういったやり取りをする事もなくなってしま
いました。

 現在私共にお越し頂いているお客様も、シャツをオーダーされている方が
多いのですが、中には私に「シャツは作らないのですか?」とお聞きになる
方もいらっしゃいます。
 実は随分前から「シャツも作ったらどうか?」と言われる事が多々あった
のですが、若い頃はシャツを作ってみよう!…等という気は全くなく・・・
多分洋服の研究で頭と時間が一杯だったのだと思います。シャツはシャツ屋
さんが作るもの…と漠然と思っていました。
 今でも勿論そういう考えではあるのですが、少し時間にゆとりも出て来た
のでちょっと自分用のシャツを実験で作ってみる事にしました。
 シャツを作って欲しいと仰るお客様によると、襟肩周りが上手くフィット
せず
着にくい…との事でしたので、私の「プルダウン」をシャツ作りに取り
入れる事にしました。但し、シャツの場合は素材が綿や麻ですから、ウール
のようにイセ込みをしたり、アイロンワークを多用する事は難しい…という
問題があります。
 そこで主に裁断(型紙)で前肩の効果を出すために、ヨークの形を変える
事にしました。ジャケットの場合は、肩の縫目が肩の上に来ますのでそこで
後身の肩をイセ込んでクセを取る事ができます。ところが、シャツの場合は
ヨークなので肩の上に縫い目はありません。そこでクセを取った形のヨーク
を作ったのですが、このヨークの形を作るのには随分苦労しました。

シャツ**

 結果的にはこれで前肩のシャツになった訳ですが、別の問題も出て来てし
まいました。それは、このヨークだとシャツを畳むのが難しくなる…という
事です(今はクリーニングに出してもハンガーで戻って来る事が多いようで、
自宅でもそのまま吊るしているので問題ないのかも知れませんが・・・)。
 いずれにせよ第一弾の試作品ができましたので、少し着てみてまた問題点
を直していきたいと思っています。
 このシャツを実際に商品化するかどうかは全く未定ですが、やはり新しい
事に挑戦
するのは、幾つになっても楽しいものです。
 趣味で終わってしまうかも知れませんが、シャツ作りについてはまた報告
したいと思います。

 余談ですが…「ワイシャツ」の由来は、"White Shirt"から。英国人の発音
する「ホワイトシャツ」を日本人が「ワイシャツ」と聞き取り、使い始めた
もの。ですから「Yシャツ」との表記はいただけません。
 また、白以外のシャツは「カラーシャツ(○○シャツ)」と云い、例えば
「ピンクのワイシャツ」では海外では通用しませんので悪しからず・・・。
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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