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#411.型抜きの話 最終話

Posted by KINN Tailor on 15.2020 型抜きの話   0 comments   0 trackback
 今回は…の、計る箇所を説明します。

 は、身頃の肩線の所を中心とし、前と後ろに分けて計ります。
 縫い目の上を計る事が殆どですので計り易いと思います。
 ⑥〜⑦は、下袖の真ん中辺りを縦に計ります。これは下袖のクリ具合を
知るための参考に・・という感じで計れば良いと思います。
 を計る際には、袖山の膨らみ具合に注意する必要があります。これは、
②〜⑦の長さから推測しなければならない…という事と、最後に横幅を計
る時は地の目に沿わなくてはならない…という2つがポイントになります。

袖の採寸**


 内側から計ります。
 左右、同じサイズの場合が多いと思いますが・・・必ず左右別々に計る
をお勧めします。
  襟**


 以前、私がアドバイザーとしてある工場へ行っていた時の事例ですが・・
 ある外国のメーカーの服の型を抜いていたのですが、なかなか上手くいき
ませんでした。どうにもイメージが違う…という事でした。
 そこで私は、採寸箇所が少ない…という事をアドバイスしました。採寸の
箇所を増やす程にイメージ的にも近づいて行きました。

 今回ご紹介したのは最低限の箇所で、体形的に気になる所は、もっと計る
事をお勧めします。
 また、数字は合っていても「何か違う・・」という事もよくあります。
 一旦仕上がってしまった服を採寸し、それを再現するのはなかなか難しい
ものです。生地によっても、微妙に仕上がりが変わってきてしまうからです。
 一番大切な事はイメージです。場合によっては自分のデザイン力を信じて
大胆にサイズを変える、カーブを変える事も「あって良い」のではないかと
思います。
 数字よりも生地による表現の違い全体の印象を大切にして頂きたい…と
思います。

#410.型抜きの話 その弐

Posted by KINN Tailor on 01.2020 型抜きの話   0 comments   0 trackback
 今回は、後身頃の型抜きを説明します。
 
 後身頃は、前身頃と違い芯が入っていません
 柔らかい生地や、ざっくり編んだ様な生地は歪み易くなりますので、注意
して下さい。

     *   *   *   *   *   *

 まず(縫い目などがない)横のラインを決めて、計ります。
a)肩先からもう片方の肩先まで
b)袖の後ろの縫い目から、もう片方の縫い目まで
c)後身頃のアームホール下の脇の縫い目から反対側の脇の縫い目まで
d)前身頃のアームホール一番下のところを後身頃まで延長して(d)とし、その反対側まで
e)ウエスト辺りの一番くびれているところから、反対側まで

型抜き後**

 次に、縫い目に沿って計ります。

①~②:背縫い目を計る(着丈)。
③~ a : 肩縫い目を計る。
c ~ f :脇の縫い目を計る。
c ~ e、e.~f.:脇縫い目をウエストラインのポイントで分けて計る。
a ~ c :アームホールのラインを計る。
a ~ d.:肩先からアームホールの深さを計る。
a.~②:肩の角度を知るために計る。

 この型抜きで鎌深を計らないのは、ポイントを定めにくいからです。
 前身頃のアームホールの一番下のポイントを、背縫い目線へ延長すれば
良い訳ですが、既に服になってしまっている・・・立体的になってしまっている
ので、なかなか上手くいきません。
 頑張って計ったとしても、"参考程度"にした方が懸命と思います。

 次回は、袖と襟の型抜きについて説明します。

〈つづく〉

#409.型抜きの話 その壱

Posted by KINN Tailor on 18.2020 型抜きの話   0 comments   0 trackback
 15年程前からご縁があって、とあるスポーツの優勝者へ送るジャケット
を作る仕事をさせて頂いています。
 スポーツ選手には良くある事ですが、普通の方よりも身体が大きく筋肉
の付き方も違います
ので、既製服という訳にはいきません。
 この仕事で一番大変な事は「時間」です。優勝者が決まってから式典迄が
2週間位しかないのです。勿論、仮縫いなどしている時間はありませんので、
いきなり仕上げます。
 毎年、そろそろ・・という時期に合わせて、生地とエンブレムを用意して
待ち構えます。勝者が決まると、ご本人が気に入っているジャケットが送ら
れて来ます。
 そのジャケットの型を抜き仕立てる訳です。期限がある事ですので最初
はかなり神経を使いましたが、最近は慣れてきて、そう焦らずに対応できて
います。
 型を抜いてみると…成る程そのスポーツの特徴を良く表しているサイズで
ある事がわかります。
 普通オーダーメイドですと、型を抜いて服を作る…という事はあまり考え
られません。…ですが、ごく稀にお客様から「この服と同じ形の服を作って
下さい」と依頼される時があります。だいたいは以前にどちらかでお求めに
なられた物が、古くなったとか、サイズが合わなくなった…とかのようです。
「着られなくなったお気に入りの服をまた着たい」という気持ちは良くわか
りますので、余程変わったデザインとかでない限り、お受けするようにして
います。
 見本を基に服を作る時大切な事は「各部の寸法が同じ事」、次に「なるべ
同じ感じに見える事」です。同じ寸法であっても、生地が違うだけで印象
が変わります
ので、その点を考慮しなければなりません。
 更に私が大切にしているのは、お客様がその見本の服の「どこを一番気に
入っているか
」という点で、そこを忘れずに伺うようにしています。

     *   *   *   *   *   *

 それでは早速、採寸方法を説明します。

◎まず最初に、ネックポイントから裾に向かって縦の地の目に沿って、その
 長さを計ります。
*この地の目を中心にしますので、躾糸などを入れておくとわかりやすい
 筈です。
肩の角度を知るために、13から2を計ります。
*前身頃は芯が入っていますので、生地がズレにくく、比較的計りやすいか
 と思います。
型抜きジャケット**

 次回は、後身頃を順次説明していきます。

〈つづく〉

#149. 型抜きの話

Posted by KINN Tailor on 07.2013 型抜きの話   0 comments   0 trackback
 お客様からご注文を頂く際には、通常ご希望のスタイルを伺ってデザイン
を決めていきますが、中にはご自分で描かれたイラストをお持ちになったり、
作りたい服の写真を送ってこられたりなさる方もいらっしゃいます。
 中にはご自分のお気に入りの服をお持ちになって「できるだけ同じデザイ
ンで、同じ雰囲気が出るように作って下さい」と仰る方もいらっしゃいます。
このような場合は、お洋服をお預かりして"型を抜く"のですが、これが単に
サイズを計れば良い…というものではないのです。

 以前、私が教えに行っていた工場で「メーカーから渡された見本と同じ服
を作りたいのだけれど、上手くできない」という相談を受けた事があります。
 その担当者はなるべく細かく採寸をしたとの事ですが、仕上がった服を見
てみると確かに何かが違うようでした。
 詳しく聞いてみると「上着の場合、後丈何センチ、前丈何センチ、幅何セ
ンチ、ポケットまで何センチ・・と計って、製図をしました」との事でした
が、実はこの方法ではうまくない事があります。つまり洋服は、仕上がった
物から計る寸法で作ったのでは、元の型紙と同じにはならない
のです。
 何故かと言いますと、どんな服でも縫製の途中で必ずアイロンやプレス機
で形を出す作業があって、生地の形が変わってしまうからなのです。

 では、このように形が変わってしまった物から元の形を抜くためにはどう
するか…と言いますと、生地の目がどうなっているのか…を見る事が大切に
なって来ます。
 図a.の計り方だと、胸まわりと胴まわりの寸法と、その差寸はわかります
が、ダーツがどれ位とってあるかはわかりません。そこで図b.のようにダーツ
の前と後の生地の目に糸
を入れます。
型抜きイラスト**

 そうすると生地の目が曲がっている事がわかると思いますが、そこでイ~
のそれぞれの寸法と、ニ~へのダーツ量を計れば、正確な型紙を作る事が
できる訳です。
 私は地の目が変わっている箇所全てに印を付けて、その寸法を計って型紙
を作るようにしています。

 お話しした工場でも、かなり沢山の所に印を入れて寸法を計っていたので
すが、あらためて「こんなに基準点が必要なんですね!」と驚いていました。
型を抜くのは簡単なようでいて、なかなか難しいものなのです。
 そして、この型紙を生かしながら自分流の修正を加えていかなくては、私
共で作る意味がなくなるのですが、その「どこまで自分流を入れるか」・・・
というのが実は一番難しいところでもある訳です。
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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