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#317.お相撲の話

Posted by KINN Tailor on 27.2017 特別な話   0 comments   0 trackback
 スポーツジャケットの仕立ての続きのつもりでしたが、面白い事を思い出
した
ので、今回一寸お休みさせて下さい。

 先日、19年振りの日本人横綱!という事で、稀勢の里の横綱昇進が大変な
話題となりました。相撲好きの私としてもとても嬉しい出来事でした。
 明治神宮で推挙の式典があり、奉納土俵入りがテレビで放映され大いに楽
しませて貰いましたが、かの明治天皇は相撲が大変お好きだった…と聞いた
事を思い出しました。
 私のブログに度々ご登場頂いているお客様の N氏から伺った、相撲に纏わ
る興味深い話を紹介したいと思います。

 N氏は、とある藩=大名の子孫でいらっしゃいますが、N氏の父君は明治
時代には国のお役にも就いておられた方で、現在の首相官邸の所にお住まい
がありました。
 その、当時のお住まいの話の最中に、ふと思い出されたのか、N氏「そう
言えば…父の時代(明治時代)に、うちに天皇皇后両陛下が3日程滞在なさ
った
事があったんだよ」…と仰いました。私はとても驚いて、その続きを
せっつくように聞いたのを覚えています。
 そしてN氏は、「とにかく両陛下がおいでになる…なんて事は、我が家に
とって大事件だった訳だから、その時の記録はちゃんと残してあるんだよ」
と、かなりぶ厚い書類を見せて下さいました。

 その書類には、どんな"おもてなし"をしたかや、差し上げたお食事の内容
などが詳しく書いてありました。
 その"おもてなし"の一つに「庭に土俵を作り、力士を大勢呼んで大相撲を
ご覧に入れた
。両陛下共大変お喜びになった」と書いてあったのです。
 両陛下がお越しになる事自体、私には想像し難い事ですし、"おもてなし"
と言っても果たして何が良いのか・・・正に頭が真っ白になってしまい思考
が停止しそうなところですが、N氏の父君が「相撲」という"出し物"を選ばれ
た事自体、明治天皇が如何に相撲がお好きだったか!…という事を物語って
いると思いました。

イラストN邸**

 今ではその両陛下が祀られている明治神宮で横綱の推挙式が行われるように
なり、両陛下もさぞお喜びの事と思います。
 来月には春場所も行われますが、新横綱には大いに期待したいと思います。

 次回からまた、スポーツジャケットの仕立てに戻ります。

#310.新年を迎え

Posted by KINN Tailor on 01.2017 特別な話   0 comments   0 trackback
2017KINN賀状

#288.秘密のポケット

Posted by KINN Tailor on 25.2016 特別な話   0 comments   0 trackback
 お陰様で私は、成人した後は特に大きな病気もせずに今迄過ごせています
が、唯一60歳を過ぎた頃から少し耳が遠い感じになり、補聴器を使うように
なりました。
 色々なメーカーの物を試しましたが、どうにも聞き辛い音があり悩んでい
ました。そんな時に、あるボランティアの会に出席したところ、難聴の人達
を支援している方と出会いました。私の耳の話をすると「とても良い先生が
いますよ」…という事で W先生を紹介して頂き、それからはずっと W先生の
お世話になっています。
 W先生はもともと音響の研究をなさっていた方で、補聴器の調整をする時
母音や子音の強さ等を細かくチェックして下さいます。例えば補聴器を付
けても聞きとり難いのは高音で、特に女性の高めで細い声などは非常に聞こ
え難いのですが、先生に調整して貰ってからは問題なく聞こえるようになり、
助かっています。

 さて、このW先生は本業以外にも趣味をお持ちで、一つはやはり音響関係
で、古くからのレコードプレイヤーを何台も持っていらっしゃいます。先生
のお話ですと、昔からある円盤のレコードが一番音が良いそうで、そのレコ
ードを、これも昔風の鉄の針を付けたプレーヤーに掛け、ラッパ型のホーン
スピーカー
で音を出すのが良いのだそうです。
 針はダイヤモンドが一番だと思い込んでいましたので、鉄の針?…と聞い
た時はそれこそ耳を疑いました。しかも先生は鉄の針の先を尖らせる細工
ご自身でなさる…という事で驚きです。お住まいには蓄音器ミュージアム
るものもお持ちだそうで、まだ一度も伺ったことがありませんので、いつか
お邪魔して素晴らしい音色を聞かせて頂きたいと思っています。

 さて先生のもう一つの趣味…と言いますか、お得意が「手品」です。補聴
器に手品は関係なさそうですが、手品を始められたきっかけは、治療に来る
お子さんたちにうまく検査を受けて貰うために始められたそうです。
 一度先生にカードの手品を見せて頂きましたが、目の前でやっているのに
トリックが全くわからず、本当に不思議でした。そこで私も、カード手品の
初歩的なものを一つ教えて頂きましたが、自分でやってみると、洋服作りの
ように上手くいきませんでした。先生は余っ程手先が器用な方なのだと痛感
したものです。
 そんな時に、先生から洋服の御注文を頂戴しました。1着目はごく普通の
ジャケットでしたが、2着目は・・・何と手品用の仕掛けをしたジャケット
の御注文でした。
 手品で「きっとジャケットのどこかに隠していたな」と思う物と言ったら、
コインとか花とかで…生き物だと鳩を想像します。
ところが先生が使うのは仔犬!…というので驚きました。鳩は足は2本です
し、何となく楕円形にまとまるような感じがしますが、仔犬となると足は4
本で尻尾もありますし、そもそも仔犬がおとなしくしていてくれるのか…?
と悩みましたが、私は仕掛けのポケットを作れば良いのであって仔犬の心配
迄する必要がない事に気づき、早速作業に入りました。
 どこに秘密のポケットを作ったかはお話できませんが、意外な所でした。
こんな所からサッと仔犬を出す事ができるなんて、トリックの中身を知って
いても驚きです。
秘密のポケットイラスト**

#262.新年を迎え

Posted by KINN Tailor on 01.2016 特別な話   0 comments   0 trackback
スクリーンショット

#258.師走

Posted by KINN Tailor on 07.2015 特別な話   0 comments   0 trackback
 今年もいよいよ12月…師走に入りました。
 師走になると、どこでもかしこでも、TVでも「今年も後僅か…」「今年
も残すところ後○○日…」などと言うので、何となく気忙しく感じます。
 私共の場合は、比較的一年が平らな流れなのであまり季節感がないのです
が、この「師走」という言葉を聞くと流石に、「あぁ、今年も終わりか」と
思うのです。

 今年は、ちょっと残念な事がありました。
 秋口に、お客様から「絹地」を使った服の問い合わせがありました。この
ブログでも紹介した「藍染の絹地(♯39)」をご所望されていましたので、
早速お店へ連絡をしたところ、「絹地は今まで通り作れますが、染める職人
さん
が亡くなられたので、藍染は在庫限りになります」との事でした。
 以前こちらのお店の方からお話を伺った際に、この藍染が昔ながらの技法
で手間と時間を掛けて作られていると知って、素晴らしい事だと思っていた
ので、何とも残念な気持ちで一杯になりました。

 そして、こんな事もありました。
 私は鋏を数種類使い分けていますが、日本製の鋏で古くから愛用している
のが「長太郎」です。鋏は定期的に磨ぎに出しますが、以前から磨ぎに出し
ている金物屋さんから「この鋏はいずれ無くなる」というような話を聞いて
いました。私の中ではまだ当分は大丈夫だろう…と思っていたのですが、夏
頃に私塾の生徒さんからも「長太郎がなくなる」という話を聞きましたので、
「いよいよか?」と思い、すぐに金物屋さんに行き状況を聞いてみました。
すると、「先代の後を継いでいた息子さんが亡くなり、後継者がいないので
長太郎は作られなくなるでしょう
。ただ職人さんは残っているので、磨ぎは
できますよ」との事でした。今の内に…と思い、早速1本買い求めました。
 時代と共に「昔からの技術」が変わっていったり、無くなってしまったり
・・・これはいつの時代でも仕方のない事なのは重々承知しているのですが、
残念でなりません。

 もう一つ、これは私だけの問題かも知れないのですが・・・
 ここ数年で感じている事なのですが、"まつり"などをしていると手縫い糸
が非常に絡み易くなった
気がします。自分の手が鈍ったのか?…と一寸心配
していたのですが、うちにかなり古い時代の手縫い糸が残っていて、それと
比べてみると…何となく今の糸の方が細いのです。これは今の生地が昔より
も薄くなっているからなのか?…いつから変わったのかも全くわかりません。
手縫い糸は今も昔もずっと「9号」ですから、元の太さが変わってしまった
としたら、こちらは知りようがないのです。ただ長年糸を触っていて、ここ
最近そう感じるのです。
 何人かに話をしても共感されないので、本当に私だけの問題かも知ません。
どなたかご存知の方がいらしたら是非お知らせ下さい。

藍染と鋏**
藍染と鋏:どちらも、なくなってしまうのが惜しい逸品
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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