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#344.特殊な体形について その九

Posted by KINN Tailor on 13.2017 製図の話   0 comments   0 trackback
 今週は、前身頃の製図について説明します。

 後身頃のB、W、H、L線をそれぞれ延長して、次のように製図します。
 
図A

・後身B~1=B/2 D=Bからブレード寸法(アームホール前の位置)
・4=Bから胸囲1/2  5=4から5cm(前身頃の前中心)
・21=胸幅D~5の中心 23=腹幅20~22の中心
・23~21を結び延長線上にDから前肩寸法を計りNPを描く
・NP~24=前身肩幅

 この製図は、この方の左側の前身頃になります。これに右側の修正を加え
ていきます。

 後身頃は、背中心線の歪みもありましたので、別々に製図をしましたが、
前身頃はこの左前の製図に(下図のように)修正を加えるだけで済みました。

図B
 まず、右胸が左よりも2.5cm下がっていますので、B線をB‘まで下げ、ポイント1、
Dも1’、D‘に移動させます。そこからNPを計りますので、NP‘はNPよりも2.5cm低く
なり、肩のラインも下がり、顎ぐりは短くなります。
 ここで注意すべき事は、肩の高さや顎ぐりが左右で極端に違っていても、
ラペルは前から見た時に左右同じ高さでなければなりません。その為には、
襟の製図でも調整が必要になります。その製図がこちらです。
図C
 このように、襟は左右別々に製図をします。
 アイロンワークの際には、右襟が短いので、クセを取るのが少々大変に
なります。

 実際の型紙です。右と左の顎ぐりのラインも微妙に違っています。
襟1

襟2


〈つづく〉

#343.特殊な体形について その8

Posted by KINN Tailor on 30.2017 製図の話   0 comments   0 trackback
 今回から、製図について説明していきたいと思います。

 まず最初に、一般的な体形の方の、斜辺裁断を使った後身頃の製図を説明
します。

【図 A】
図A**
・O=起点 O~B=鎌深 N~W=背丈 N~L=上着丈 
・B~2=ブレード寸法の1/2 2~3=3.5cm
 ここで、斜辺寸法を使って背の製図をします。
・B~Z=底辺 Z~N=内側斜辺 Z~S=外側高さ B~S外側斜辺 
・N~6=B/8 6~7=2cm 7~8=N~7の1/3
 これで後身頃の肩周りの製図ができます。
 一般的な体形の方はこのように製図をして、そのパターンを使って左右同
じ形になるように裁断します。
 また、どちらか片方の肩が下がっている場合は、この基本的な製図に補正
を施します。

【一般的な補正】
補正**
 例えば…右肩下がりだったとしますと、普通は7~8mm程度、多い時で
1cm位を図のように下げ、下げた分だけアームホールを深くします。
 ところが、この方の場合は左右差がとても大きいので、補正という範囲で
は上手くいかないと思い、後身頃と襟の製図を左右別々に行う事にしました。

【図 B】
図B**
 まず左の後身頃を描きます。
 それを元にして右側を描いていきます。
①採寸の際に脇の周りにテープを巻いて、脇の高さがどれ位違うかを計って
 みました。すると、右の脇が2.5cm下がっていましたので、Zを2.5cm下げてZ′
 とします。
②それに伴い、Bを2.5cmの半分の量1.25cm下げてB' とします。
 (ZとZ' は繋がっている線なので、その中間点であるBも下げてB' とする)
③B' とZ' を結び、その線を斜辺寸法の底辺として、背中の製図をします。
④すると、NはN' となり、B' と結ぶとかなりカーブした線になります。
⑤襟ミツ、肩の線も図のように右に下がります。
⑥脇の長さは左右違いますが、それ以外のB線(胸のライン)より下は左右
 同じに製図します。

 右側の背中がかなり強いカーブになっていますが、左側の背中に合わせて
縫い合わせ
アイロンをかければ、つれたりする事なく綺麗に仕上がります。

 次回は、前身頃襟の製図の説明をします。

〈つづく〉

#342.特殊な体形について その七

Posted by KINN Tailor on 16.2017 採寸の話   0 comments   0 trackback
 今回は、ベストとパンツの採寸です。

■ベストの採寸

①襟開OP(Open)
18ベストオープン
・ソケットボーンからベストのVゾーンの上端迄を計ります。

②脇丈SL(Side Length)
19ベスト脇丈
・ソケットボーンから首の付け根を通り、ベストの脇の長さを計ります。注)1

③前丈FL(Front Length)
17ベスト前丈
・ソケットボーンからベストの前の開き迄を計ります。注)2

④背丈BL(Back Length)
20ベスト背丈
・ソケットボーンからパンツの上が隠れる位の長さを計ります。

*尚、最近はベストを短めに作る傾向がありますが、本来は手を上げたり、
 前かがみになってもシャツが見えない長さに仕立てるのが基本です。
注)1、2も同様で、ベルトが見えない長さ迄を計るようにします。


■パンツの採寸

 イラストの箇所↓を計ります。
img006.jpg

①パンツ丈OS(Out Seam)
・腰のくびれた所から靴のかかとの上迄計り、そこから1.5~2cm短くします。
・かかとが高い靴の場合は、短くする量を少なくします。

②股下IS(In Seam)
・物差しを股に入れ、靴のかかとの上迄を計ります。パンツ丈と同様に調整します。

③ふくらはぎCA(Calf)
・パンツの裾位置からふくらはぎの一番張っている所迄を計ります。注(3

④腿T(Thigh)
・腿にメジャーを巻き、お客様に確認をしながら、適当な緩みを付けて計ります。

⑤膝K(Knee)
・膝の位置でパンツの幅を計ります。

⑥裾B(Bottom)
・裾の位置で幅を計ります。
*モーニングカットにする場合は、靴との関係を考えて前上がりの量
 決めます。

 パンツの採寸をする際に注意しなければならないのが、脚の形です。
 残念な事に、脚が真っ直ぐな方は比較的少なく、大抵はX脚であったりO脚
だったりします。特に日本人に多いのはO脚ですが、極端に膝と膝の間が開
いている方の場合など、三角定規を使って離れ具合を確認させて頂く場合も
あります。
 また、ふくらはぎの張り具合を知っておく事も大切です。ふくらはぎの高さを計るだけではなく、
直接ふくらはぎを触って張り具合を確認するようにしましょう。

⑦ふくらはぎの具合を確認
22ふくらはぎ1

・極端なO脚やふくらはぎの張りが強い場合は、それなりの細工が必要になります。
"それなりの工夫"については、別の機会に説明したいと思います。)

 次回から、製図について解説していきます。


341.特殊な体形について その六

Posted by KINN Tailor on 02.2017 採寸の話   0 comments   0 trackback
 では、採寸の続きを説明したいと思います。
(※肩周りの製図の仕方は、後日改めて説明します。)

 今回の方はとても不思議な事に…肩周りだけが特殊で他の箇所はごく一般
的な数字でした。
 普通、肩の数字が左右でこれ程違いがある場合は、腰や足などにも影響が
出るものですが、それが全くない事も、ある意味"特殊"と言えます。
 特に変わった数字ではありませんでしたので、ここでは採寸の際の注意点
を主に説明していきたいと思います。

体形その6イラスト

①背丈WL(Waist Length)
・ソケットボーンから腰の最もくびれた所迄を計ります。
・パンツのベルトの位置を計るのではなく、実際の腰の位置を計るように
 します。

②上着丈CL(Coat Length)
・ソケットボーンから親指の第一関節迄計ります。
・上着丈はお客様のお好みによりますので、採寸をしながら伺うと良いで
 しょう。
・長めの丈にする場合は親指の先迄、短めの場合は親指の付け根迄が目安と
 されています。

③総丈FL(Full Length)
・ソケットボーンからかかと迄計ります。
・靴を履いている場合、靴のかかとの上迄計ります。

④胸囲B(Breast)
・腕の付け根の所で胸一周計ります。
・あまりキツくなり過ぎないように、指が2~3本入る位緩めに計ります。
・肩甲骨があるので、テープが前上がり、後ろ下がりになりやすいので気を
 付けます。

⑤胴囲W(Waist)
・腰のくびれた所を計ります。
・胸囲と同様に緩めに計ります。パンツ用の胴囲は緩めずに計ります。

⑥尻囲H(Hip)
・ヒップの一番出ている所を計ります。こちらも緩めにします。

⑦胸幅XC(Cross Chest)
・肩から腕の付け根の1/2の所を反対側まで計ります。

⑧胸幅Xbu(Cross Bust)
・腕の付け根の所を反対側の付け根まで計ります。
・製図の時に使うのは⑧の数字です。⑦はアームホールを描く時に参考に
 するために必要です。

⑨裄FSL(Full Sleeve Length)
・ソケットボーンから肩の上を通り、手首迄を計ります。

⑩外丈OSL(Outside Length)
・肩の上から手首迄を計ります。

⑪内丈ISL(Inside Length)
・腕の付け根から手首迄を計ります。

⑫ヒジL
16L寸
・背の中心から背幅のポイントを通り、腕に沿って肘迄計り、肘から先は腕
 を直角に曲げた状態で手首迄計ります。
・L寸は製図の後に、この数字が取れているかを確認するために計ります。

 次回は、ベストパンツ用の採寸についてお話しします。

〈つづく〉

340.特殊な体形について その五

Posted by KINN Tailor on 18.2017 採寸の話   0 comments   0 trackback
 それでは、実際に「斜辺裁断」用の採寸をしてみます。

①高さ
斜辺採寸1
・鎌深は既に計ってありますのでその数字を利用します。

②底辺
斜辺2
・鎌深の下のポイントから脇(肩先から真っすぐに降りてきた所)迄。

③肩の高さ
斜辺3
・脇から肩先迄を計ります。

④内側斜辺
斜辺4
・脇からソケットボーン迄。

⑤外側斜辺
斜辺5
・鎌深から肩先迄を計ります。

 普通は片側だけ採寸しますが、この方の場合は差がかなりありそうでした
ので、両側計りました。すると外側斜辺は左に比べて右が1cm少なく内側
斜辺は右が2cmも少ない
という結果になりました。
斜辺イラスト
 つまり、左肩に比べて右肩が下がっている為に外側斜辺が短くなり、右の
肩甲骨の膨らみが少ない為に内側斜辺が少ない
事がわかります。
   斜辺数値

 よくあるケースでは…肩のどちらかが下がっている、またはスポーツなど
の影響で、どちらかの肩に筋肉が余計に付いている・・・などで、このよう
な場合は肩線の位置を調整する事で概ね解決します。
 しかし今回の場合は、肩の位置が違うだけでなく腕の付け根の位置も違う
事がわかっていました。更に、今回の採寸によって肩甲骨の膨らみ方に差が
ある
事もわかりました。つまり、肩甲骨を含めた肩の大きさ(形)が左右で
かなり違う
という事なのです。
 これらの事から、後身頃と襟の製図は、左右別々に行う必要がある事が
わかりました。

〈つづく〉




  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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