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#355.Extra-お客様の服 リーロイド

Posted by KINN Tailor on 09.2018 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今日ご紹介するスリーピースを注文されたお客様は、多くの人が集まる場
に出席される機会が多く、スピーチなどもよく依頼されるようで、いつも華や
かな印象の生地をお選びになります。
 お好みの生地を一言で表現すると、「さりげなく目立つ生地」…との事で、
このリーロイドスキャバルなどを好まれます。


◇お客様のスリーピース

◎表地:ウーステッド100% (400g)
◎裏地:キュプラ 鮮やかな青系
◎釦 : 水牛


〈正面〉              〈斜め前〉
リーロイド1 リーロイド2
・生地はウィリアム・リーロイド(WILLIAM LEAROYD)社製の少し粗めの
 ハッキリとしたストライプ
・デザインはシングル2ツ釦 ノッチラペル サイドベンツ


〈下から〉              〈横〉
リーロイド3  リーロイド4

〈寄り〉               〈裏地〉
リーロイド5  リーロイド6

 リーロイドを選ばれるもう一つの理由としては、生地の質感にあります。
 リーロイド社は1822年英国で創業され、「世界最高峰の生地」と称された
時代もありました。残念ながら現在はこの会社はありませんが、英国では
まだストックしている所があり、数は限られますが入手は可能です。
 さて、"生地の質感"ですが…ハリのあるしっかりとした生地で、仕立て
た際にラインが綺麗に出やすく身体にフィットするのが特徴といえます。

 この「リーロイド社」については、私も少々思い入れがありますので、次回
改めてご紹介したいと思います。



#354.拝絹の話

Posted by KINN Tailor on 26.2018 礼服の話   0 comments   0 trackback
 私の塾に来ている生徒さんは、よく自分用の礼服を作ります。
 圧倒的に多いのがタキシードで次がフロックコートです。燕尾服は流石に
着て行ける場が少ないためか、作った生徒さんは今のところ居ません。

 礼服を作っている時に、拝絹の掛け方や、どこに拝絹を掛けるか?という
質問をよく受けます。
 タキシードについて解説しますと…まずタキシードの襟の種類は3つあり、
ステップカラー2種類(剣襟菱襟)とショールカラーヘチマ襟)です。

拝絹1**

 剣襟や菱襟のように、ラペルの所で切り替え線がある場合は、ラペルに
だけ
掛けます。ヘチマ襟のように切り替え線がない場合は全体に掛けます。
 タキシードは、パーティなど華やかな席に着る場合が多い事もあって、
拝絹だけでなく、ビロード地の黒以外の色を使う事もあります。
 余談ですが・・・ヘチマ襟にはフラワーホールを開けませんので、図の
ように裏側に花の茎を差す袋を付けます。花は襟の上ではなく、横から
出るようにします。

 フロックコートの拝絹については、「#298.フロックコートのまとめ」
  をご覧下さい)


 先日、こんな問い合わせがありました。
 お子さんが結婚される方からで、結婚式に自前のモーニングコートを着た
いと思っているが、先方の親御さんが貸衣装屋と話したところ、「両家の
モーニングの格が合わないとおかしいから、同じ物を借りるべきです」と言
われたが、本当にそういうものなのでしょうか?…という内容でした。
 その方が持っているのは、二つ釦のモーニングだそうですが、その二つ釦
というのもおかしい…と言われたそうです。
 モーニングコートの二つ釦は確かに珍しいかも知れませんが、間違えで
はありません

 そして「格」については、ごく一般的なモーニングコート…つまりジャケ
ットが黒やチャコールグレー(アスコットモーニングは用途が違いますので、
この場合は除外します)で、特別に変わった色の物…例えばパーティ向けの
派手な赤や黄色などでなければ、「格」というものはありません。
 ネクタイも一緒の方が良いと言われたそうですが、両家の親達が全く同じ
モーニングを着ているという方が、かなりおかしな感じになると思うので、
どうしてこのような話になったのか、些か不可解です。
 貸衣装屋さんの狙いで"モーニングの貸し料"を変えるために「格」を勝手
に設定したのかも知れませんが、モーニングコートはあくまで"モーニング
コート"
であって、「格」などはありません。・・・くれぐれもご注意を。

♯353.タキシードの話

Posted by KINN Tailor on 12.2018 礼服の話   0 comments   0 trackback
 今から40年位前迄、男性はある程度の年齢になったり、地位に就いたり
するとモーニングコートを仕立てる(または購入する)のが一般的でした。
 また、かのバブルの時代には20代でもタキシードを持っている・・・と
いう事もありました。 現在は、残念ながら着ていく場が少なくなったのか、
ダークスーツ的な物で良しとする風潮になってしまったのか…?、実際の
ところはわかりませんが、礼服を持っている方がとても少なくなってしまい
ました。

 そんな今でも、礼服に関する質問を頻繁に受けますので、全体として数
は減ったものの、興味のある方はまだまだいらっしゃるのだ…と思うと少し
ホッとします。

 先日も、タキシードについて質問を受けました。内容は、「ダブルのタキ
シードの場合でもベストは必要か?」
というものでした。
 ダブルの場合はベストが見えないので、着る必要がない…と思っていらっ
しゃる方もおられるようですが、洋服はダブルでもシングルでも三つ揃い
が正式
ですので、たとえ見えなくてもベストを着るのが正しいと言えます。
 「では、正式なタキシードはベストを着るものなのですね?」と聞かれて、
色々話してみると、質問者の言う"正式"は「正式な礼装としてのタキシード」
という意味でした。そうなると、この"正式"という言葉が引っ掛かって来ます。

 ・・・と言うのも、"正式の礼装"という事になりますと、タキシードは元々
燕尾服の略装
ですから、「正式なタキシード」という物はありません。
 もし言うのであれば…「タキシードとしての正式な着方」、もしくは「最も格
の高いタキシード」という表現の方が適切でしょう。
 では、「カマーバンド」はどうなのか・・・と思われる方もいらっしゃるかも知
れませんが、そもそもカマーバンドは暑い国や場所でベストの代わりに着用
したものですから、間違いではありませんが、出席する場によっては、ベスト
よりも軽く見られるかも知れません。
 以前、散々悩んだ挙句、カマーバンドをした上にベストを着て出席した…と
いう話を聞いた事がありますが、これは悩み過ぎで、どちらかにしなければ
なりません。
 "正式な・・・"については、少々こじつけっぽく思われるかも知れませんが、
「礼服の正しい知識」という事でご理解頂きたいと思います。

 (DVD 『礼装についてお話ししましょう』 で、その辺りを網羅してあります)

 次回は、礼服で意外と質問が多い「拝絹」についてお話ししたいと思います。

#352.車椅子の方用のパンツ

Posted by KINN Tailor on 26.2018 補正の話   0 comments   0 trackback
 平昌オリンピックは代表選手の大活躍で、メダルと共に沢山の感動を日本
にもたらせてくれました。
 来月からパラリンピックが始まりますが、強風や人工雪に影響されずに、
素晴らしい試合が繰り広げられる事を祈るばかりです。
 
 さて、昨年「車椅子生活をされている方のズボン」について質問があり、
座っている事の多い人のズボンが、どうしても上手くできない…」という事
でした。
 私は以前、障害のある方を支援する会に所属していた事があり、その時に
車椅子の人の服を研究していました。
 一般的にはズボンの前身を短く、後身を長くする裁断をしているようです
が、それではどうも履き難いという事がわかり、もう"一捻り"した製図をする
ようにしました。
 今回は、普通のパンツを車椅子の方用に補正する方法を説明します。

 【採寸個所】
車椅子パンツ1
・座っている状態で、お尻の一番膨らんでいるところを含めて1周計ります。
 (A:元のヒップ寸法よりも大きくなる)
・座っている状態で、前の中心線の辺りをパンツの上から膝まで計ります。
 (①~③)
・お尻の一番膨らんでいるところを通って膝の裏まで計ります。(④~⑥)


 【補正の仕方 前身頃】
車椅子パンツ2
(1)元の図に、①~③の数字を充ててみます。
(2)短くなった所のポイントを通すように、腰から小股まで線を引きます。
  短くなった長さ=B
  小股の下から7cmの所からBを計り、脇に向かって線を引きます。
(3)引いた線をたたみます。 前身頃の完成です。


 【補正の仕方 後身頃】
車椅子パンツ3

(1)前身頃と同じように④~⑥の数字を充ててみます。
(2)今度は長くなっています。前身頃と同じように線を引きます。
  長くなった長さ=C
(3)股から7cmの所にハサミを入れ、C分開きます。
(4)元のヒップ寸法と最初に計ったAの差分を広げ、調整します。
  後身頃が完成しました。

 この補正方法の最大の特徴は、ヒップラインから上が傾いている…という
事です。こうする事で、座っている時のお腹、腰回りの負担を軽くする事が
できるという訳です。


#351.Extra-お客様の服 カシミアのジャケット

Posted by KINN Tailor on 12.2018 お客様の服   0 comments   0 trackback
 今年最初にお納めした服が、Johnstonsの生地で作ったジャケットでした。
 とても素敵なジャケットでしたので、ご紹介したいと思います。


◇お客様のジャケット

◎表地:カシミア 100% (340g)
◎裏地:キュプラ 赤紫
◎ 釦 : 革 赤茶


〈斜め前〉             〈正面〉               
JS斜め**pg JS正対**
・デザインは、英国のハンツマン(HUNTAMAN)を参考にされました。
 前はお客様お好みの高め&1つ釦。
・ラペルはピーク、ポケットはチェンジ付きのスラントポケット。

〈後ろ〉              〈ネーム タグ〉 
JS後ろ** JSネームタグ**
・サイドベンツ
*Johnstonsは、最近ではマフラーなどの小物の方が多くなって、生地の扱いが
 少ないようですが、生地に関しては英国の伝統的な大きな柄物が多いようです。


〈サンプル生地〉  
JS生地見本**

〈特徴的な袖周り〉 
JS袖**
・袖口には後ろ半分がカーブしたカフ
・袖釦は4つ(3つが本開き)

 この生地を見本の小さいサイズで見た時には、かなり個性的な柄…という
印象でしたが、お客様は大変服に詳しい方で、様々な生地で作られている
経験からか、「小さな生地だと派手そうに見えるけど、ジャケットになったら
それ程でもないでしょう」…と仰られて、この生地を選ばれました。
 でき上がってみると、お客様の仰る通り、とてもお洒落で素敵な柄のジャ
ケットに仕上がりました。

 最近は、無地やストライプ柄を選ばれる方が殆どで、このタイプの柄物を
仕立てる機会がめっきり少なくなりました。
 久し振りでしたが、実に味わい深い仕事をさせて頂いたように思います。
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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