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#393.トラブルが出た時の対処の仕方 パンツ編 その弐

Posted by KINN Tailor on 14.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 それでは、前回出題した問題の解説をします。

Q1)パンツを履いて立った時に、裾が外側を向いてしまう。

⇨A:パンツでトラブルが出る場合は、大体は「脚のクセ」によるものです。
 ですから、脚が真っすぐなのに裾が外側を向いてしまう…という事は、脚
 ではなく他に原因がある…と考えられます。
  今回のトラブルは「パンツの下がり方」ですので、パンツ全体に影響する
 所に原因があると考えられます。
  パンツ全体に影響する箇所・・それは「腰」です。今回のように、中心線
 と裾が外を向くという事は、外側(脇)が上に引っ張られている・・つまり
 外側が短い
…という事になります。このような症状が出るのは、腰に肉が
 付いているか
腰骨が張っている為に起こる事が多いです。
【直し方】
・下図のように、腰帯を両脇で少し高くなるように付ければ良い事になります。

*製図をする際に、通常は前身頃の腰は脇まで真っすぐに描きますから、脇
 を上げるとなるとやや抵抗があるかも知れませんが、上げるとしても1cm程度
 ですし、その方が身体には合っている訳です。製図の基礎で習う事ではあり
 ませんが、驚くような補正という訳でもありません。
トラパン2_対処**

 今回は"おまけ"の解説をします。

Ex_Q)下のイラストは、良くあるトラブルですが、何が原因でしょうか?
 (すぐにお判りになるかとは思いますが・・・)

   トラパン2_O脚Q**
⇨A:この症状は、O脚の人に出るトラブルです。
 一番良いのはO脚用の製図をする事ですが、そういかない場合は・・・
【直し方】
 下図に示したように、前身頃の内側を上に上げる事で、パンツ全体が内側
 を向いて来ますので解消されます。お試し下さい。

    トラパン2_O脚A**

 続きは次回に・・・・

〈つづく〉

#392.トラブルが出た時の対処の仕方 パンツ編 その壱

Posted by KINN Tailor on 30.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 今年の7月に当ブログで「トラブルが出た時の対処法」として、ジャケット
について出題をしました。私塾の生徒さん向けに作った問題集の一部でした
が、読者の皆様にも好評でしたので、続編として今回はパンツ下線文について考えて
頂こうと思います。 
 パンツは履く方の脚の格好がX脚O脚といった問題があったり、脚や
ふくらはぎの太さなど、トラブルが出る要素が沢山ありますが、今回はごく
一般的な、真っすぐな脚の人で起きたトラブル…という設定で、それぞれの
原因と対処法を考えてみて下さい。

【パンツ編】
Q1)パンツを履いて立った時に、裾が外側を向いてしまう。
Q2)腰掛けたり、しゃがんだりすると腰帯の後が下に下がってしまう。
Q3)パンツのサイズが小さい訳ではないのに、歩きにくい。
  (足が前に出にくい・階段を上がる時に脚が上がりにくい)
Q4)サイズが小さい訳ではないのに、お尻の上に図のような横シワが出る。

トラブルパンツ**

 詳しい解説を、次回・・・・

〈つづく〉

#391.KINN TAILORING ACADEMY 生徒の作品:燕尾服

Posted by KINN Tailor on 09.2019 私塾の話   0 comments   0 trackback
 私が私塾KINN TAILORING ACADEMY)を始めてかれこれ20年になり
ます。その間、沢山の生徒さんが通って来てくれました。

 男性の生徒さんが「礼服」を作る事はよくあるのですが、大抵は「ディナ
ージャケット」を作ります。恐らくは実際に自分が着る事を想定しての選択
なのではないかと思います。
 そんな中で、「燕尾服」を作った生徒さんが居ます。
 本人としては、満足いく出来ではなかったようですが、私としてはとても
喜ばしい事でしたので、ここで紹介させて頂く事にしました。

□燕尾服製作者:鈴木亮治さん
 私のアカデミーには、2013年からいらしています。
 現在は縫製工場で縫製業務をされています。今回、燕尾服を作る事にした
 のも…「仕事で燕尾服を作る機会があり、そこで上手くいかなかった所を
 学び直すため」という事です。熱心ですね・・・。

 それでは、私のコメントも添えて紹介します。

【正面】
正面**
・ジャケット、ベスト、パンツのバランスが上手く取れています。
・ジャケットの前がもう少し中心に寄っても良いと思います。

【斜め前】
斜め**
・燕尾服のジャケットは前が短く、長いスカートが付いているのが特徴です。
・ジャケットの前の丈、スカートの長さ、パンツの出方のバランスが非常に
 難しいのですが、この角度から見ると、上手くいっている事がわかります。


【後ろ】
後ろ**
・ご本人もコメントしていましたが、スカートが中心に寄り過ぎてしまい
 ました。スカートを縫う時にもう少し後下がりにすると良いと思います。

【拝剣】
拝剣**
・拝絹が上手く掛かっています。

【脇】
脇**
・脇のラインがとても綺麗に出ています。
 ジャケットがタイトなので、脇のラインを綺麗に出すのは案外難しい筈です。 

 
 今回、燕尾服を作った際に大変だった所を聞いてみると、「ウエストライン
が綺麗に出なかった事と、スカートが真っすぐ落ちなかった事」だそうです。
 確かに、スカートが綺麗に落ちるようにするのは製図、縫製共に簡単には
いきません。本人は機会があれば作り直したい…と言っていましたので、
新たな目標にして貰えれば…と思います。
 いずれにせよ、何事もやってみないとわからない訳ですから、「燕尾服を
作った
」という経験は礼服だけでなく、仕事の色々な面に生きて来る素晴ら
しい挑戦だったと思います。

 *** 鈴木さん、ブログへのご協力有難うございました ***

#390.修正具体例:お腹が出ている体形

Posted by KINN Tailor on 26.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 前回迄、トラブルが出た時の対処方をお伝えして来ましたが、今回は体形
の変化に応じた修正の仕方
を解説したいと思います。まず、お腹が出てきた
の修正について具体例を述べます。

 そのお客様は元々太っておられたのですが、久しぶりにジャケットを新調
される機会があり、改めて採寸をさせて頂きました。
 すると胴囲が10cm以上大きくなられていましたので、型紙から作り直す
になりました。
 お腹が出た体形の方は少なくありません。そういうタイプの方は、その後
お腹だけ大きくなる傾向にあります。この方も胸囲は105cmのままで変わ
っていませんでしたが、胴囲は96cmから109cmに変化していました。

 このような時にどこに手を加えるべきか…ですが、胴囲の変化はお腹が
出てきた為
ですので、基本的にはまず前身頃を修正すれば良い・・という
事になります。

 下図の要領で型紙を修正します。
肥満製図

aa’迄広げます。
それに伴い、n~wn~w’に変えます。
前のハナを修正します。
*ここからの修正は、一度仮縫いをしてからでないとできません。
 お腹が出ている方の修正で注意しなければならないのは…お腹の下は出て
いない
という事です。
 お腹の寸法に合わせて前を出したままにしてしまうと、裾が前に出たよう
なズドンとしたラインになってしまいます。
 仮縫いの際に、どの位お腹の下がないかを見極めて裾周りの修正をします。
a'~bのラインを削り、a'~b’にします。
前のラインを削るだけでは足りませんので、脇をc~c’分削ります。
*脇を削るか否かは、体形にもよりますが、胸囲よりも胴囲が大きくなって
 しまった場合は削らないと綺麗に収まらないと思います。
*部分的に大きくなってしまった場合は、その部分以外は元のままな訳です
 から、広げるだけでなく削らないとバランスの悪い服になってしまいます。

◼︎型紙の変化
 結果、型紙はこんなに大きく変わりました。
 上)修正後の型紙
 下)元の型紙
肥満体型紙_4800

◼︎本縫い前の状態
 お腹が出ている体形の割にはスッキリ見えます。
肥満体_4809 肥満体_4810

#389.トラブルが出た時の対処の仕方 その四

Posted by KINN Tailor on 12.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 先週(8月5日に)、続きの投稿をする予定でしたが、この暑さで少々疲れて
しまい遅れました。失礼しました。それでは早速、残り3問の解説をします。

Q4)釦を止めると、センターベンツが開いてしまう。

⇨A:原因は2つ考えられます。
  1.この方が反身体のため、後身頃が長過ぎる
  2.この方の腰回りに対して服が小さい
【直し方】 
 1.Q2の直し方と同様に、脇縫い目で調整し、後身頃を短くします。
 2.前身頃の脇を出します。
  この場合は、腰回りだけ出せば良いのですが、短い距離で幅を出すと服
  が綺麗に落ちません。
  図のように、なるべく長い距離で幅を出すようにします。

トラブルQ4


Q5)釦を止めると背中の中心が持ち上がり、裾に向かって斜めのシワが出る。

⇨A:この場合も原因は2つ考えられます。
  1.この方が屈身体のため、後身頃が短か過ぎる
  2.この方の背が丸い事が考えられます(背に肉が付いている、肩甲骨が出て
  いる等)。
【直し方】 
 1.Q1の直し方と同様に、脇縫い目で調整し、後身頃を長くします。
 2.背縫い目のカーブを強くします。カーブを強くする事によって長さも長く
  なります。
  それでも長さが足りない場合は、襟ミツと肩で調整します。背中は計る
  箇所が少なく、どれ位肉が付いているか・・がわかりにくいものです。
  背縫い目をどの位カーブさせれば良いかを知るためには、採寸の際に、
  その方の背中の膨らみ方を掌で良く確認すると良いでしょう。または、
  斜辺裁断を試してみる事をお勧めします。

トラブルQ5

Q6)袖の山にシワが出る。
⇨A:こちらも原因は2つ考えられます。
  1.袖山の上にシワが出ている場合は、袖山が高過ぎる(山が細長い場合
   が多い)。
  2.袖山の幅いっぱいに長いシワが出ている場合は、袖山の丸い部分の
   幅が足りない
【直し方】 
・袖山には縫い代が多く入っていないので、幅を広げられません。まず、袖
 全体を上に上げて袖山を書き直します。そうすると幅の広いところが上に
 行くようになります(幅が出せる)。
・山が高過ぎる場合は、多めに高さを削るようにします。

  トラブルQ6


 今週からお盆休み…という方も多いのではないでしょうか?    
 各地で記録的な暑さが続いています。また今年は台風の当たり年でもある
ようです。皆様くれぐれも体調管理にお勤め下さい。

     *   *   *   *   *   *

 Academyの生徒さんたちと懇親会をしました。
 7月の、まだ暑くなる前の事で、風邪を引いて急遽来られなくなった人も
いました。良く話し、良く食べ、良く笑い・・楽しいひと時でした。
 今ではあの涼しさが懐かしいです。

懇親会
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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