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#316.スポーツジャケットの仕立て その十三

Posted by KINN Tailor on 20.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 さて今週は、身返しを据えていきましょう。

①身返しの下半分を躾で止める
1躾で止める
・身頃の第一釦の位置を確認します。
・身返しの位置を合わせて載せ、第一釦から下を躾で止めます。


②上半分を止める
2_1上半分
・第一釦から上を躾で止めていきます。
・身返しの外側に出っ張らした所を、身頃の端に合わせて内側に入れ込んで
 止めます。
・ラペルの角も、身返しがあまるように、両側から生地を寄せてきて止めます。
*身返しの形については、〈♯313 ⑥:裁ち合わせのイラスト〉をご覧下さい。

2_2.png
・躾が止め終わりました。
・ラペルの角はご覧のように膨らんでいます。


③ミシンを掛けて割る
3ミシンかけ
・ミシンを掛けた後、まず身頃側をアイロンで割ります。
・地縫い糸でからげます。


④身返し側も止める
4見返しも
・身頃の襟どまりに鋏を入れて、ラペルの部分も割ってからげます。
・身返し側は第一釦から上は柔らかくアイロンをかけ、釦から下はしっかり
 内側に引きながらアイロンをかけます。
・同じように地縫い糸でからげます。

4_2.png
・ラペルの角は三角に折ってからげます。

⑤身返しを返す
5_1見返し返し
・身返しを返して躾で止めてアイロンをかけます。
5_2.png
・袋布を芯に止め、身返しの内側に躾糸を入れます。
・身返しが返りました。服としての"表情"が出て来ました。


 次回は、裏地"裁ち合わせ"です。

〈つづく〉

#315.スポーツジャケット その十二

Posted by KINN Tailor on 13.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 先週に引き続き、お台場のポケット作成です。

⑧口を切る
8口を切る
・口から3㎜の所にミシンをかけたら、口を切ります。
・裏ポケットをタマブチで作る場合もありますが、私共では昔から
 揉みタマブチです。
※今回は生地がほつれ易いので3㎜としましたが、通常はもっと細くします。


⑨口布を止める
9口布
・切った口に、口布を返して止めて行きます。
・名前の通り、正に手で揉んで口が細くなるようにして止めます。
・口が返りました。


⑩袋布を処理する
10袋布処理
・重ねる袋布の口にあたる所に裏地を付けます。
・二枚の袋布を合わせて、躾で止めてミシンをかけます。


⑪袋布を完成させる
10袋布完成
・ミシンで縫った後、余分な布をカットして袋布を完成させます。

⑫ポケットの口と袋布が完成
12ポケットの
・揉みタマブチは口が細いので、仕上がりが綺麗で、私は気に入っています。

⑬三角蓋に釦ホールを作る
三角蓋にボタンホール
・私共では、布を三角にたたんだ方を裏側にして釦ホールを作ります。
 (たたんだ方を表に使う方もいらっしゃいます)
・釦ホールの位置をチョークで印、周りにミシンをかけます。
・釦の穴を開けます。


⑭穴をかがる
14穴を縢る
・三角蓋なので、ハトメ穴ではなく、"ねむり穴"にします。
(三角蓋は、長方形の生地を折って三角を作っています。穴を開ける所は
 生地と生地がたたまれた間なので、ねむり穴でないと上手くいきません)
・三角蓋ができました。


⑮蓋を付ける
15蓋を付ける
・ポケットの口の丁度良い位置に蓋を刺し込み、止めます。
・私は、万年筆が入る位開けるようにしています。


⑯仕上げる
16仕上げる
・口にハトメを入れて完成です。なかなか上手くできました。

□糸とロウ
おまけ
・手縫いをする時には、糸巻きから糸を引き出した後、一度強く引き直し、
 指で弾いてから糸を切り、ロウを塗ります。
・糸を強く引くのは、糸巻きに巻かれていたクセを取るためです。
(穴糸だと、弾いた時なかなかいい音がしますよ!)



 次回は、身返し据えです。

〈つづく〉






#314.スポーツジャケットの仕立て その十一

Posted by KINN Tailor on 06.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 今回は、お台場にポケットを作ります。

①ポケットの口の位置を決める
1ポケットの口位置
・身返しを身頃に載せて、返り線の位置を確認します。
・返り線から4㎝入ったところをポケットの端とし、そこから口の大きさ
 13~14cmを計ってチョークを引きます。

②ポケットの深さを決めて、スレキを裁つ
2深さを決め
・ポケットの深さは、財布の長さを考えて決めます。今回は20㎝にしました。
・スレキで袋布と力布を裁ちます。袋布はポケットの大きさよりも約3㎝
 (上は4㎝)ずつ大きく裁ちます。力布はスレキの縦地を使います。


③口布とポケットの蓋を裁つ
3口布とポケットの蓋
・裏地で、口布とポケットの蓋を裁ちます。

④アイロンをかける
4アイロン
・口布を半分に折り、蓋は三角形になるように折ってアイロンを掛けます。

⑤力布を据える
5力布
・ポケットの口の位置に糸を入れます。
・裏側に力布を躾糸で止めます。


⑥袋布を据える
6袋布
・その上に袋布を躾で止めます。 

⑦口布を据える
7口布
・表側に口布を据えます。
・口になる箇所から、約3㎜のところをミシンで縫います。



 この続きは次回に。

〈つづく〉








#313.スポーツジャケットの仕立て その十

Posted by KINN Tailor on 30.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 芯据えが終わりましたので、次にアイロンをかけて身頃の形を出します。

アイロン イラスト**

 アイロンワークで形が出たら…

①芯をカットする
1 幅広テープ**
・芯を身頃の切り躾に合わせてカットして、返り線から下に幅広(15mm)
 のテープを付け、ミシンをかけます。

②ラペルの形を整える
2ラペルの形**
・ゴージの角度に沿ってチョークを引き、襟の止まりに印を付け、鋏でカット
 します。


③-1.綿テープを付ける
3-1綿テープ
・芯の端に綿テープを躾で付けていきます(身頃も一緒に縫う)。
・ラペルの端が身頃にくっ付いているのを好む方の場合は、テープを引き
 気味にして付けます(*ここでは引かずに付けます)。


③-2.返り線にもテープを付ける
3-2返り線に…
・こちらは返り線よりも15mm位短いテープを引きながら付けます。
※これによって、胸のハラミが綺麗に出ます


④ラペルに八刺しをする
4ラペルに八刺し
・綿テープを手縫い糸でからげ、ラペルに八刺しをします。

⑤-1.様子を見る
5-1様子見
・ラペルにアイロンをかけ、返り具合や胸のハラミ具合などチェックします。

⑤-2.縫い代を揃える
5-2縫代調整
・身頃の縫い代を10mmに切り揃えます。
※は7mmですが、この生地はほつれ易いので、長めに取ります。



⑥身頃に合わせて身返しの裁ち合わせをする
身返し説明**イラスト
・身返し全体を長く裁つ方法もありますが、このイラストのように、第一釦
 を中心に前に降り出して裁つと、ハラミが綺麗に出ます。

 これで…
6見返し 裁ち合わせ
・身返しの裁ち合わせが終わりました。

⑦お台場を作る
7-1,2お台場 長さを測る
・身頃の端からアームホールまでの長さを計ります。
・次に、身返しの端から先程の長さを計ってみます。

完成
・足りない分は生地を足します。

 以上でお台場が完成です。次回は、お台場に裏ポケットを付ける作業から
説明します。

〈つづく〉





#312.スポーツジャケットの仕立て その九

Posted by KINN Tailor on 23.2017 ジャケットの話   0 comments   0 trackback
 暫くお休みしていましたが、スポーツジャケット仕立てを再開致します。
 今回は、芯据えです。


㉔芯据えの準備
新据え1ポケット**
・ポケットができ上がったところで、芯を据えます。

㉕芯据えスタート
芯据え2スタート
・芯側の2本のダーツの間に、表身頃のダーツが来るように重ねます。

㉖縦に入れる
芯据3縦に入れる
・まず、ダーツの所を止めて行きます。
・ダーツやポケットなどを作った関係から、地の目が歪んでいるので、ここ
 では縦地の目が真直ぐになるように気をつけながら糸を入れます


㉗よくしごきながら、止めていく
芯据え4,5扱く〜端まで
表身頃がたるまないように、手でよくしごきながら止めて行きます。
※表身頃に対して芯地の方がゆとりがある方が良い。その為に芯を大きめに
 作っている。


㉘反対側も処理する
芯据え6反対側
・端まできたら反対向きにして、下方向へ糸を入れます。
※この縦に糸を入れる作業が一番大切で、きちんと糸が入れば芯据えの60%
 は成功。


㉙前の処理
芯据え7,8,9返り線〜
・続いて返り線の所と端から少し入った所に糸を入れて行きます。
*既に縦の地の目は通っているので、ここからは横の地の目を意識する。
 縦地に対して横地が垂直になっているか…を確認しながら糸を入れる。


㉚肩からアームホールにかけての処理
芯据え10,11アームホール〜
・次に肩からアームホールの前の所を止めていきます。
 肩には後からパッドが入るので、その部分を避けて入れます。
※このアームホール前(脇の所)はとても大切です。横の地の目は前側より
 も上がっていて良いので、しっかり引っ張って据えます


㉛裾までを処理する
芯据え12,13確認〜
・芯の位置を確認しながら、裾まで糸を入れます。

㉜芯が仕上がる
新据え14終わり**
・芯が据え終わりました。


 芯を据える時は、縦の地の目横の地の目をしっかり意識しながら止めて
いかなければなりません。
芯据えイラスト**
 ㉚で説明しましたが、アームホール前の横の地の目の止め方は注意が
 必要です。
 「前側よりも脇が上がるように」…と書きましたが、これをきちんとしないと、
仕上がった時に脇が下がった服に見えてしまいます。
 また服飾業界以外の方は、芯は表地の下にあるので、表地よりも小さい方
が良いように思われるかも知れませんが、実際は逆で、表地に対して芯が
たっぷり入っていなければなりません。
 芯の方が大きい方が表地が常に張るようになるので綺麗に仕上がるのです。


 次回は「お台場作成」に進みます。

  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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