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#387.トラブルが出た時の対処の仕方 その弐

Posted by KINN Tailor on 22.2019 補正の話   0 comments   0 trackback
 今回は、前回出題した問題の解答をします。

Q1)ジャケットを着て釦を止めたら襟が抜けてしまう。

⇨A:これは、服の前身頃が下がり過ぎている事を意味します。
  つまりこの人は「屈身体」であるため、前身頃が長過ぎるのです。
【直し方】
脇縫い目を解き、背中を上げます(後身頃の長さを長くする)。
 背中を上げるという事は、アームホールの位置も変えなければなりません。

後身頃側だけで修正するとアームホール自体が大きくなってしまいますので、
 後身頃、前身頃それぞれのアームホールで半分ずつ調整<するようにします。

柄物の場合は、脇縫い目は動かせないので前身頃のネックポイントで調整
 します。この場合も、アームホールの調整は前後半分ずつにします。

*私は、後身頃の肩にも縫い代を1cm強付けるようにしています。
 そうすると無地、柄物に関係なく、脇縫い目を触らずに前後の肩だけで修正
 する事ができます。
対処2-1

Q2)背中の横に余りジワが出る。

⇨A:原因は2つ考えられます。
  1.この人には後身頃が長過ぎる
  2.この人は「イカリ肩」が強い
【直し方】
まず肩から脇の中間位の所にシワを集めるよう摘んで、 (横向きに)ピン
 を打ちます。
 なるべく、一か所(横一本)になるようにしますが、シワの出方によっては
 数本になる場合もあります。

ピンを打った結果、摘んだ量が脇まで比較的同じになった場合は、後身頃
 が長い…と言えます。「反身体」の人に出やすい症状です。

摘んだ量が背の中心に多く、脇に向けてだんだん少なくなる場合は「イカリ
 肩」である…と考えられます。これは、日本人に多い体形と言えます。

後身頃が長い場合は、摘んだ量を脇縫い目で調整します(後身頃を短くする)。
 アームホールも先程と同じように前後で調整します。
イカリ肩だった場合は、摘んだ量分、襟の位置を下げ、それに合わせて肩
 のラインを変えます。

*シワの原因はどちらかだけ…という場合もありますが、両方という事も少なく
 ありません。どこが多めに余っているか…をよく確認する事、そしてその人が
 イカリ肩かどうかを目で確認する事も大切です。
対処2-2

 解答の続きは次回(7月29日予定)に・・・

〈つづく〉

#386.トラブルが出た時の対処の仕方 その壱

Posted by KINN Tailor on 08.2019 補正の話   2 comments   0 trackback
 先日、仕事部屋の整理をしていたら、懐かしい物が出てきました。

 それは、以前私塾に来ていた生徒さん向けに作ったテスト問題です。
 作ったのはかれこれ12~3年前になります。当時は今のように少人数制の
クラスではなく一度に10名位通って来ていました。
 今は自宅で行っていますが、その頃は十条に教室を借りていて充分な広
さがあったのと、借りる曜日の関係で1クラスしか設けられなかった為です。
 そうなると…全員の作業を見るのが精一杯で、個別に時間を取って質問に
答える事がなかなか厳しい状態でした。そこで皆にテストを受けて貰えば、
何が理解できていないかがわかると思い、問題を作る事にしたのです。

 テストをしてみると実力の差がハッキリわかり、「これはなかなか良いな」
と思いました。生徒さん方にも、出来に関係なく好評だったのですが、教室
の場所を移した時にこのテストの存在をすっかり忘れてしまい、先日見つけ
る迄まったく思い出せませんでした。
 そこで、せっかく出て来た事もあり、これから数回に渡り出題してみます
ので、ブログをご覧の皆さんにも考えて頂ければ…と思います。

 それぞれの原因と対処法を、考えてみて下さい。

 【ジャケット編】
Q1)ジャケットを着て釦を止めたら襟が抜けてしまう。
Q2)背中に横に余りシワが出る。
Q3)襟の横に図の様なシワが出る。
Q4)釦を止めると、センターベントが開いてしまう。

トラブル修正1

Q5)釦を止めると背中の中心が持ち上がり、裾に向かって斜めのシワが出る。
Q6)袖の山にシワが出る。

トラブル修正2

 詳しい解説は、次回・・・・

〈つづく〉

#385.新しい裁断法によるパンツ 最終話

Posted by KINN Tailor on 24.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 今回は、前身頃のクセ取りです。

🔳セットする
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・前身頃の幅を狭くしましたが、アイロンワークはいつもと同じです。

㉓小股のクセを取る
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・小股のカーブから始めます。
・カーブの下の方をよりカーブするように、クセを取ります。
・上の方も同様にカーブが強くなるようにクセを取ります。


㉔裾のクセを取る
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・裾口が綺麗に仕上がるようにクセを取ります。
・しっかり内側にクセを取ります。
・反対側も内側に向くようにクセを取ります。


㉕前身頃を折ってクセを取る
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・半分に折ってクセを取ります。
・折り目の膝から下が前に湾曲するようします。
*これは、歩く時にパンツが足に上手くついて来るようにするためです。
・アイロンが効いて来る迄しっかり押さえます。

8889.png
・裾や小股も、折った状態でもう一度クセを取ります。

㉖後身頃と合わせて確認する
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・前身頃のクセが取れましたので、後身頃と合わせてみます。

㉗仮縫いの準備をする
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・裁断の時に切り離した所を後身頃に繋げます。
・繋ぎ目の所に、本縫いの時ポケットを作ります。
・アイロンを掛けます。


🔳アイロンワークの結果…
      95.png
・腰のダーツの代わりに切り離した所をカーブさせた為(ダーツの移動)、
 お尻に膨らみが出ます。ダーツがないのでスッキリと仕上がっています。
・また、特に強くクセを取らなくても腰の所が真っ直ぐになっています。
*普通の裁断の場合は、この部分が内側に入っている為、イラスト「g」の
 クセ取りをしますが、既に真っ直ぐになっているのでクセ取りをしなく
 ても良くなります。
 
後身頃アイロン**
この裁断法の特徴は、後身頃の股下とポケットから上の生地を切り離し、
 細工をする事で、ダーツを作る必要がなくなり、アイロンワークが軽減 
 され、作業効率が上がる…という事です。

㉘仮縫いをする
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・続けて、仮縫いを行いました。
・写真ではお伝えし難いのですが、履き心地も非常に良く快適です。

#384.新しい裁断法によるパンツ その七

Posted by KINN Tailor on 10.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 アイロンワークは、まず後身頃から始めます。

⑮二つに分けた後身頃を縫い合わせる

・躾糸で止めます。
・ミシンを掛けます。
・縫い合わさりました。


⑯生地を重ね準備をする
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・縫い合わせた所をアイロンで割ります。
・2枚の生地を中表に重ね合わせます。
・裁断の際に股下に絞りを取った為、通常よりも内股のシャクレが
 少ないのがわかります。その分アイロンワークが少なる訳です。


⑰ふくらはぎから腿にかけてのクセを取る
535455.png
・ふくらはぎの所は特に細工がありませんので、通常通りクセを取ります。
 内側の膨らませたい箇所を手で掴み、ふくらはぎに合わせて裁断した所
 をアイロンで内側へ追い込みます。
・腿のクセを取ります。お尻の下が凹むように、脇縫い目を引っ張りながら
 生地を上へ引き上げます。
・その上を脇に張り出させるように、更に引き上げます。


⑱繰り返しクセを取る
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・ふくらはぎから腿にかけて、クセが取れるまで繰り返します。
・腰の繋ぎ目の所が前側に向くように、外に向かってクセを取ります。
*まだ、切り離した上の生地は付いていません


⑲生地を返し、反対側からもクセを取る
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・生地を裏返します。
・ふくらはぎから腿にかけてクセを取ります。
・腰の継ぎ目迄、外側にクセを取ります。


⑳クリのクセを取る
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・お尻の所を立体的にする為、先を内側に入れます。
・先を内側に入れると弛みが出るので、それを外側に寄せます。
・クリの形を整えます。
*このクセ取りが、下図イラスト「f」のクセ取りの代わりです。
 後ろ身頃を分けシャクリを入れた為、クリのクセを取るだけで股下の
 クセも取れる事になります。

    後身頃アイロン**
㉑裾のクセを取る
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・裾口が綺麗に仕上がるように、外側に向かって順次クセを取って行きます。

㉒後身頃を折り、クセを取る
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・後身頃を半分に折ります。
・全体に、仕上げのクセ取りをします。
・裾もしっかりクセを取ります。


 後身頃のクセ取りが終わりました。次回は前身頃のクセ取りをします。

〈つづく〉

#383.新しい裁断法によるパンツ その六

Posted by KINN Tailor on 27.2019 裁断の話   0 comments   0 trackback
 前々回(平成最終週)、前身頃の修正迄が終わりましたので、今回はその
続き…後身頃の修正から説明したいと思います。

⑦後身頃の型紙に、分ける所の印を付ける
192021.png
・下側は全体の太さの約1/4(今回は7cm)の所に印を付けます。
・お尻のクリ幅の約2/3(今回は10cm)の位置に印を付けます。
・これらを直線で結びます(太い方を脇側、細い方を股側とします)。
*脇側にチョークを入れますが、後から切り離す腰からダーツ下迄の所を
 折ります。この折ったラインの所にポケットを作りますので、ラインから上
 に口布分として4cm取れるように型紙を置きます。 


⑧脇側のチョークを入れる
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・線を引いた所を折り、チョークを引きます。
・脇側が書けました。
・股下の絞りを取るため、上から約10cmの所に1cm位 しゃくれるように
 修正を入れます。


⑨脇を修正する
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・内側の修正が終わりました。
・脇を2.5cm広がるように修正します。


⑩股側の型紙にチョークを入れる
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*残った生地で他のパーツが取れるかを確認する為に、先程書いた脇側の裾
 の折り返し分を確保してから型紙を置くようにします。
・股側のチョークを入れます。
・こちらも同じく2.5cm広がるように修正します。


⑪修正する
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・広がりました。
 ここでも残りの生地の量を正確に知る為、先に縫い代を取ります。
・股下の絞りを取る為に、先程と同じように上から約10cmの所に1cm
 しゃくれるように修正します。
・修正が終わりました。


⑫腰からダーツの下までを切り離す
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・ダーツをなくす為、腰から約7~7.5㎝の所で切り離します。
・切り離した型紙を元にして、ダーツ分後ろの中心側がカーブしている
 型紙を作ります。
*先程説明したように、ここにポケットを作るので、向こう布4cmが付いた
 型紙にしました。
・チョークを入れます。


⑬縫い代を入れる
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・パーツが描き上がりましたので、縫い代を描き入れます。
・カットに不要な線を消します。


⑭カットする
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・カットしていきます。
・これで裁断が終わりました。


🔳裁断された各パーツ


 次回はいよいよ、アイロンワークに移ります。

〈つづく〉
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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