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#423.ご挨拶

Posted by KINN Tailor on 14.2020 特別な話   2 comments   0 trackback
 今年は、大変な1年になってしまいました。
 "コロナウィルス"という未曾有の事態に、私もそうですが誰もが不安な日々
を送られている事と思います。
 年末のご挨拶を考えてみても、コロナ禍以外の話題が見当たりません。
 4月から夏頃迄は、仕事も私塾も控えていましたので、記憶もポッカリ空い
てしまっています。70年以上仕事を続けてきましたが、初めての事です。

 その間も、ブログだけは続けさせて貰いました。お陰でどうにか日常を保て
ていたような感じです。
 そのブログも、振り返ると始めてから丁度10年経った事になります。300回
目を迎えた時には、キリ良く辞めるか…と思ったりしましたが、その時はまだ
何か書き残した事があるような気がして、続ける事にしました。
 主に技術的な題材を中心に描いてきましたが、"懐かしい話"や"特別な話"など、
今迄あまり人に話したことがなかった事もこのブログで披露して来ました。
 自分としては、「よく書いたな」と言うか…「既に書ききった」という気持
ちに近い感じです。
 そこで、今迄のように定期的に更新するのは今回で終りにしたいと思います。

 今迄、長くお読み頂きました皆様には、心からお礼申し上げます。
 ブログは今回をもって終了しますが、勿論従来の仕事私塾は続けて行きま
すので、技術的なご質問などあれば、いつでもお受けします。
 メールにてご連絡下さい。

*技術的なご質問はこちらへ:kinn_tailor@w6.dion.ne.jp

     *   *   *   *   *   *

 明治神宮は今年で鎮座100年を迎えました。
 コロナウィルスの影響でなかなか行けませんでしたが、やっと10月29日に
行く事ができました。「百年大祭」に向けて準備が進められていました。
 コロナウィルスの収束、そして皆様のご健康とお幸せを祈願して来ました。

◾️お札
お札**
・参道には、百年祭用の祈願のお札が飾られていました。

◾️野菜
野菜**
・特別に野菜のお供え物も作られていました。

◾️提灯
提灯**
・百年大祭用の提灯

◾️鳳凰
鳳凰**
・金の鳳凰も特別に公開されていました。

◾️晴天
晴天**
・晴天にも恵まれ、無事お参りする事ができました。

 それでは来年こそ、この靄がスッキリと晴れる事を心から祈りながら・・・
 皆様良いお年をお迎え下さい今迄本当に有難うございました

#422.上襟の話 最終話

Posted by KINN Tailor on 30.2020 襟の話   0 comments   0 trackback
 今回は、いよいよ上襟を掛けていきます。

 まず、裁断した上襟の"クセ取り"をします。
 ご存じの通り襟のカーブは強く、また途中から半分に折らなくてはなりま
せんので、しっかりとクセを取ります。

〈クセ取り〉
イラスト1**
①イラストの矢印のように、S字形にクセを取る。
②S字になったら襟ミツに当たる部分を指で摘み、下側に膨らむように
 伸ばしながら両端は上向きに曲げる。
③最終的な形のイメージ
 上襟のクセ取りは、しっかり時間をかけて行わないと襟を掛けている時に
 元に戻ってしまい、結果綺麗に仕上がらなくなります。
 充分に蒸気を当ててクセを取り、蒸気が乾くまで時間をかけるようにしま
 しょう。

〈上襟を掛ける〉
 クセが取れたら上襟を掛けていきます。
イラスト2**_
①襟の付いた身頃を丸い台(まんじゅう等)に乗せ…
②上襟を乗せ、左右の肩の間を躾糸で止める。

▪️中心を止めたところ
1中心を止める**

イラスト3**
③両端を上に上げるとイラストの「イ」「ロ」の部分に弛み(たるみ)が出る
肩線から先をカーブさせると弛みが消える
 襟の端側から中心に向かって躾糸で止めていく

▪️肩線から先をカーブさせ、弛みを消す
2たるみを消す**

▪️綺麗に掛かった上襟
3仕上がり**

「何故、上襟に弛みが必要か?」と言いますと、腕は前に出す動作が多く、
その時に襟も前に引っ張られる事になります。
 特に引っ張られる箇所がどこか観察したところ肩線の所でした。そこで、
そこに緩みをつけてみたところ、動いても襟に斜めのシワが出なくなったの
で、私は襟を長く裁つようになりました。

 上襟据えは難しい工程です。上襟の裁断方法は色々あるようですが、私は
真っすぐに裁ってクセを取って掛ける、この方法が一番綺麗に仕上がる…と
自負しています。

#421.上襟の話 その弐

Posted by KINN Tailor on 09.2020 襟の話   0 comments   0 trackback
 今回は、「襟の製図」の仕方を説明します。
 
 まず…
▪️ジャケットの襟ぐりの形を、目打ちを使って紙に写す
1目打ちで形を**

▪️この襟ぐりの形を基に製図していく
2製図する**


〈製図の仕方〉

※前回説明した「首の太さによる違い」も、下図を参考にして下さい。
襟イラスト**
a. 肩線をNPから、襟腰分延長し、1とする(通常2.5cm)
b. 返り線を延長し、1を繋ぐ
c. その線をエリミツ分延長し、2とする
d. 2から直角線を引き、襟の倒し量を計り3とする
e. 3から直角線を引き、襟腰寸法を計り4とする
f. 4から3を通る直線を引き、3から襟幅を計り5とする
g. 襟止まりから好みの形の襟の端を描き、6とする
h. 5と6を緩やかなカーブで繋ぐ

 製図の際に気をつけたいのが、襟は左右同じ場合が少ないという事です。
採寸をした際に肩の高さが違う場合は、襟の製図を左右別々にする必要が
あります。

▪️製図したパターン
3パターン**

▪️パターンを基にしてできた襟芯
4芯**
・左右の長さが違うのがお判り頂けると思います。

※今回は「上襟について」の説明ですので、この芯を身頃に付けるところ迄
 は割愛します。

 身頃に襟が付いたら、いよいよ上襟を裁断します。
 ここで注意すべきところは、上襟の生地は端が横地になるようにし、片側
で約1cm長くなるように裁断する事です。長くすると、シワが出そうで心配
される方もいらっしゃるかも知れませんが、次回…「上襟の据え方」につい
て説明しますので、そちらを参考にして頂ければと思います。

▪️パターンより長めの上襟
5上襟**

〈つづく〉

#420.上襟の話 その壱

Posted by KINN Tailor on 26.2020 襟の話   0 comments   0 trackback
 ジャケットを仕立てる上で、はとても大きな存在です。襟のデザイン
"その服のデザイン"と言ってもいい位だと思います。
 ただ、"襟を作る作業"を考えた時、ハ刺しの仕方やラペルの返り具合など
多少研究する項目はあっても、「上襟」の研究をする事は残念ながら少ない
ように思います。

 私は以前、あるお客様から「上襟が首に上手く付くように・・・」という
ご要望を頂き、勉強をする機会を得ました。
 それで完成したのが「プルダウン」なのですが、その話は以前しましたの
で、今回は普通の…プルダウンを使わない普通の上襟の製図の仕方や上襟の
掛け方
などについて解説していきたいと思います。
 今回は、タイプ別どのような上襟を製図しなければいけないか…につい
ての説明です。

 上襟は、ジャケットの襟ミツを元に製図していきます。
 この時に考慮しなければならないのが、お客様の首から肩への角度です。
特別に角度や長さを計る訳ではありませんので、採寸の際にどんな角度で、
どのタイプの首か…という事をしっかり見ておかなければなりません。

〈首のタイプ〉
首の種類
〈襟の形〉
襟の形
 上のイラストで紹介した襟は、アイロンでクセを取る前の形です。
 太いタイプは、標準に比べ折り目線のカーブの角度が付いていて長い事が
わかります。太い首に沿って、寝た襟になります。
 細いタイプは、折り目線が直線で立ったような襟になります。
 太いタイプの襟の形を見て、柄やストライプの時は大丈夫か?…と思われ
るかも知れませんが、上襟ですから柄が出る幅は少なく、身体に綺麗に馴染
みますので問題はありません。

 次回は、具体的な製図の仕方について説明します。

〈つづく〉

#419.袖の話 最終話

Posted by KINN Tailor on 12.2020 袖の話   0 comments   0 trackback
 今回は「仕上げアイロン」の手順を説明します。

 袖が付いた後、縫い目から出ている袖や身頃の余分な生地をカットして揃
えます。
 次に、ユキ綿(マウントロール)を入れます。私は、前の合印から後ろの
合印迄長めに入れます。袖の裏地が捻れないように、躾糸で止めて裏地を縫
います。
 そして、いよいよ"仕上げアイロン"です。ユキ綿を入れると、袖山が綺麗
に膨らみますので、何となくそれで袖が完成したような気になりますが、私
は「しっかりとアイロンを掛けて、身頃と袖を馴染ませたい」という考えで
すので、以下のような手順でアイロンを掛けています。

〈仕上げアイロン手順〉
袖アイロン**

①袖に袖マンを入れて、前と後ろの縫い目にアイロンを掛けます。
 袖口も押さえます。
②袖の縫い目が上に来るように、鉄台を入れます。
 まず背中側の合印辺りから、山袖に向かって縫い目を押さえます。
③次に、胸側から山袖に向かって縫い目を押さえます。
 ユキ綿は一度潰れたようになります。
④肩の縫い目(肩先からで良い)から山袖に向かってアイロンを掛けます。
⑤肩に手を入れて、袖が上手く落ちているか…最後の確認をします。
⑥もう一度鉄台を入れます。今度は鉄台の大きなカーブの所に山袖のカーブ
 を合わせるようにします。
 上からアイロンで、ユキ綿が入っている所を押さえます。
⑦袖を軽く引っ張るようにして、山側から袖口に向かって軽くアイロンを掛
 けて完成です。

 ジャケットと言うと、襟の印象が強いと思いがちですが、肩の収まり
の落ち方
は見た目にも大きく影響します。
 肩の形を綺麗にしようとして肩周りに色々入れて硬くしてしまうと、見た
目は良いのですが、着た後で腕が動かなくなってしまいます。
 "見た目"と"着心地"…双方のバランスが上手く取られた「袖付け」を、是非
研究してみてください。

袖4**
*袖が仕上がりました。
  

プロフィール

KINN Tailor

Author:KINN Tailor
服部晋(はっとり すすむ)
金洋服店 2代目店主
10代半ばから父・金生に師事し、洋服作りを修業。
伝統的な裁断・縫製技術を磨きながら日々研究を重ね「斜面裁断」や「プルダウン」など独自の技法を開発。
近年では後進指導のための私塾やセミナーなどを開催する一方で、技術継承のためにDVD制作にも積極的に取り組んでいる。

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